二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

令和6年能登半島地震 災害支援鍼灸マッサージ活動

2024年06月01日 | 鍼灸

 自然災害はいつやってくるかわかりません

 能登沖を震源として震度7の大地震が石川県を襲いました。

 それも1月1日のお正月の夕方にかかる時間で、皆様、それぞれにゆっくりしている時間にその時がやってきました。

 私は優雅にホテルでコーヒーを飲んでいたところに強い揺れにあうことになり、そこから正月気分の空気が一変しました。

 

 書きたいことは山ほどありますが、珠洲に帰省していた鍼灸師仲間から数枚の写真がスマホに送られてきました。

 「これは ただごとではない!」

と、その写真を見た瞬間びっくりしました。

 すぐに 石川県鍼灸マッサージ師会石川県鍼灸師会 の役員で連絡を取り合い両師会の災害対策本部を立ち上げ(1月3日)、どう対応していくか協議しました。

 

 この行動の原動力となったものはもう一つあり、『災害時のあん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師の救護活動に関する協定書』という協定を石川県と両師会で締結(2023.10.31)してあったこともスムーズに動けた要因でもありました。

 鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師が災害時、何ができるのか・・・

 これを考える暇もないくらいに協定を締結して2ヶ月後の大地震でした。

 

 発災後すぐに私たち県師会の中央組織である、日本鍼灸師会全日本鍼灸マッサージ師会の危機管理委員会や災害対策委員会の鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師で組織されるDSAM(災害支援鍼灸マッサージ師合同委員会)にも対応、来県していただき、県庁内に設置されたDMAT本部にもDSAMとして積極的に動いていただき、本部の中に一区画いただき活動できることになりました。

 

 また、県医療対策課やDMAT本部とDSAMの皆様が協議の後、両師会災害対策本部に相談がありました。

 県庁内で昼夜、休みなく本部を動かしておられるDMAT、医療支援団体、国・県の行政職員、早朝から県庁を出て能登で活動し夜に帰還される自衛隊、警察官、消防士などの支援者の皆様に対して「鍼灸マッサージケアルーム」を同フロアに設置いただき、鍼灸マッサージケアを実施できることになりました。

 

 県庁鍼灸マッサージケアルーム活動

期 間 令和6年1月9日~2月2日 施術日数 18日

活動時間 20時~23時(初日は21時~24時)

施術利用者数 257名(延べ) 施術者 94名(延べ)

 

 この活動終了は、DMAT本部の縮小とJMATへの移行に伴うものでした。この後も6月1日現在で、両師会は6回の災害対策委員会を開催して災害支援活動について協議し進んできました。

 その後もDSAMの協力のもと、能登の富来、門前、輪島、珠洲、七尾等の現地へ入り支援ニーズを確認しました。

 また、県医療対策課とは密に連携を取りながら災害協定のもと支援活動として動ける形を模索しました。

 そこで次に活動の場となったのは志賀町富来の富来活性化センター避難所でした。

 

富来活性化センター避難所活動 

期 間 令和6年3月10日~4月29日 施術日数 9日(日曜・祝日)

活動時間 10時~17時(実質は9時~18時)

施術利用者数 192名(延べ) 施術者 60名(延べ)

   

 支援者支援とはまた違った雰囲気と気遣いが必要であり、日々の臨床にも大いに学びとなる活動でした。

 多くの皆様に喜んでいただき、その笑顔や言葉が私達の大きな報酬となりました。

 私は、3月の半分を大阪で過ごしていましたので(第96回選抜高校野球トレーナー活動のため)、ほとんど活動に出ることはできませんでしたが、両師会災害対策本部の事務局長をさせていただいておりましたので、PCを大阪の宿泊先まで持ち込み、時間をみて事務作業をさせていただきました。

 事務も縁の下の力持ちなので、それはそれでやり甲斐があるのです

 この活動も4月末で仮設住宅が建設され、そこへ入居される方も多くなり、避難所に避難されている皆様の数が減少したこともあり、行政担当者と相談のうえ4月いっぱいの活動で終了ということになりました。

 

いしかわ総合スポーツセンター1.5次避難所活動

期 間 令和6年5月6日~継続中 施術日数 4日(日曜;初日は祝日)

活動時間 10時~17時(実質は8時~18時)

施術利用者数 約160名(延べ) 施術者 29名(延べ)

   

 この総合スポーツセンターでの活動は、DSAMが主管となり全国から鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師の皆様が金沢へ来ていただき、1月14日から3月31日までの期間、日曜日毎に実施された活動であり、この活動を両師会が引き継ぐ形で実施させていただくことになりました。

 活動を行なう交渉に際し、行政側にすでに活動内容の認識があったこと、避難者の皆様に好評だったことが、交渉即活動了承の要因となりました。

 感謝ですね~

 避難者も数は60名前後ということですが、ここの避難所は4月の時点で1年ほど継続するといった予定もあり、少しでも鍼灸マッサージ施術で貢献できればという思いで現在も活動継続中でございます。

 

 輪島高校避難所活動

期 間 令和6年5月26日~継続中 施術日数 1日(日曜・隔週)

活動時間 10時~17時(実質は9時~18時)

施術利用者数 約11名 施術者 4名

 

 4月頃より輪島市を中心に避難所での災害支援鍼灸マッサージ活動のニーズをボランティア調整窓口と連絡を取り合いながら探っていました。

 そこに、輪島高校避難所でよろしくお願いしますという連絡が入り、様々な調整を行ない5月26日から災害支援を実施することになりました。

 

 このような形で、正月の三が日に始まった災害支援鍼灸マッサージ活動は、現在も石川県鍼灸師会、石川県鍼灸マッサージ師会の会員の皆さまの協力により継続され、避難所へ避難されている被災者の皆さま、避難者の皆さまを支援される皆さまの健康保持・管理のお手伝いをさせていただいています。

 

 両師会は各事業を行ないながら、また皆様、臨床を行なう傍らで実施しているわけですから、この活動にかける思いや気持ちは強いものがあります。

 会員にも被災された方がいます。そこへの支援も必要となってくるでしょう。

 動ける会員は輪島高校避難所で活動していただき、また鍼灸マッサージのニーズを広げつつ、被災された会員の皆さまのところへ一日も早く患者さんがこれまで通り通院できるように、そんな思いも込めて活動を行なっています。

 

 そんなこんなで、個人的には先ほど書きました通り災害対策本部の事務局長を仰せつかっているため、皆さまが円滑に活動できますように1月からドタバタと動いております。なので令和6年も5ヶ月が終了しましたが、気分的には10月が終わったような感覚です

 これからも令和6年度中は会として活動していく予定です。

 一人でも多くの被災者、支援者の皆さまが疲労回復、健康保持できるように、心身の援護射撃を鍼灸マッサージ施術で行ない関連死等を防いでいけるように、小さな力かもしれませんが、気持ちは大きなパワーで活動をしていきまっす

 

 自分の臨床もしっかりやって行きますので、当院をご利用の皆様 ご安心ください

 

 最後までお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます

 

二葉鍼灸療院(金沢)

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田中良和 note

東洋医学研究所

石川県鍼灸マッサージ師会

コメント (2)
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