二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

妊娠しやすいカラダづくりのための鍼灸治療(不妊症・妊活)9月・10月の嬉しいご報告

2016年10月25日 | 不妊症

何か秋があったのか、なかったのか、ハッキリしないまま10月も終盤にさしかかっております

皆様、体調はいかがでしょうか

 

現代医療、科学においてその発展の勢いは凄まじく、この生殖医療の分野でも検査方法や治療方法、精子や卵子、受精卵それらの遺伝子的研究まで、多くのことが発見され臨床にも応用されてきています。ご夫婦が取り組む治療方法にも薬物の投与から移植方法まで少し前の時代に比べれば多くの選択肢が選べるようにもなってきました。一般不妊治療であるタイミング療法、人工授精から高度生殖医療(ART)である体外受精、顕微授精(ICSI)また、倫理的、社会的問題に関してはおいておきAID(非配偶者間人工授精)や無精子症の夫の父親から精子を提供して移植する方法まで様々な方法が生み出されてきました。受精卵や胎児の遺伝子異常もみつけることができ、卵子ミトコンドリアの移植まで実現可能になってきいるのが現代医療・科学です。

それぞれ百人百様、それぞれのご夫婦の身体状況や社会環境によって、それぞれの治療の形があります。そのような科学や医療が発展する中でも、晩婚化、ライフサイクルの変化、妊娠を望む夫婦の高齢化の影響もあってか、生殖医療における妊娠や生産(出産)の確率はここ数年横ばいであるのが現状であるということです。

各不妊専門クリニックによって妊娠率や生産率(出産)、流産率の差はあるのですが、統計をとると全体的にはそのような生殖医療の現状があります。

この状況を改善し、一組でも多くのご夫婦に天使ちゃんと出逢って欲しいという願いを込めて、男性不妊も含めた不妊専門医や研究者は鋭意努力しているわけです。

さて、当院においては比較的多くの子宝に恵まれないご夫婦がご来院しております。ほとんどが奥様の治療ですが、不妊症の原因の約4割を占めるご夫(男性)にもできれば一緒に治療していただき、身体内部環境を改善(精子力のアップ:正常な精巣機能であれば74日の短いスパンで毎日精子は生成されますので、より身体内部環境の影響が顕著に出やすいのではないかと考えております)していって欲しいと私は考えております。

鍼灸治療は生理周期や不妊治療期間のどの部分にどのような効果があるのか、未知の部分が多いのですが、古来より経穴(ツボ)という部分を鍼や灸で刺激を行い症状を除去することはもちろん、全身を調整し、病気にならない、病気に強い身体づくりを行ってきた歴史があります。また、身体に症状や病気として現れる前に治療する(未病を治す)ということも行われてきいます。
私が所属する東洋医学研究所®グループの研究や全国で行われる鍼灸の研究において、鍼灸刺激の効果や、その刺激の経路など多くの発見が報告されている事実はあります。

当院の治療方法は、鍼刺激により、全身の統合的制御機構の活性化を行うことにより、免疫系、自律神経系、ホルモン系を含めたホメオスターシスや自然修復能力等を調整し、身体の反応性としての調整能力を高めて、健康な状態へ向かうためのベースとしての適応力を上げていくことを目的として行います。

いわゆる妊娠しやすいカラダをつくるためのベースづくりと、その底上げです。

 

2016年は8月までに4名の皆様が妊娠されました。

そして、9月・10月には6の皆様が妊娠され、それすら飛び越して、2名の方の出産報告をお聞きすることができました ほんと嬉しいです
9月は5名の方が体外受精-胚移植を行い2名の方が妊娠、順調に育っております。1名の方は着床まではいったのですが科学流産でした

10月は3名の方が体外受精-胚移植を行い2名の方が妊娠され、順調に育っております。その他に1名の方が久しぶりにご来院され、人工授精を行い「妊娠5カ月です」と元気にご報告いただきました。また月末に1名の方がタイミング療法で妊娠されたとのご報告をいただきました。

これが臨床家冥利というのでしょうか、この仕事をやっていて良かったなと思う瞬間です

     9月の嬉しいご報告     

 41歳 女性  会社員  二人目妊娠のため再来院  夫;47歳

 平成25年から当院へ通院しながら、体外受精-胚移植を行いお一人目の天使ちゃんを授かりました。治療開始から約1年後のことでした。出産後は子育てに専念されていました。去年の暮れか今年の初めか忘れましたが、エムザ(金沢にあるデパート)の地下でお子様ずれのご夫婦とバッタリ出会い、また近々もう一人考えているというお話がありました。年齢のことも考え、お子様も大きくなってきたので、保存してある凍結胚(胚盤胞)の移植を行いたいということで今春くらいから治療を再開。凍結してある1個は移植しましたが残念な結果でした。その後、再び採卵から行い、9月の移植で着床-妊娠されました。

 今春から始めた1回目の移植では、仕事も忙しく、頻繁に通院できなかったこととストレスも相当に多かったようです。9月の移植前は約2ヵ月くらいは週1回くらいのペースで通院いただけました。その結果かは分からないところではありますが、脈も落ち着き、身体の疲労も前回よりは軽減されていたと思います。それが良い結果に結びついた結果の推測の一つです。

 

37歳 女性  専門職  体外受精4回目の成功のためご来院  夫;37歳

 ご結婚は昨年ですが、少しお付き合いの期間も長かったということで、結婚を期に不妊専門クリニックを受診しご夫婦で検査を行う。卵管等には異常はないが、内膜症がありAMHも少し低め、旦那様の精子の運動率もあまり良くないということで昨年7月に「顕微授精」を行い、3個が胚盤胞となり凍結の後9月に移植するが結果は良くありませんでした。11月に内膜ポリープを切除し、その後、今年の1月に胚移植、3月に採卵し5月に胚移植と3回行うが良い結果が得られませんでした。

4回目を成功するためには・・・以前から興味はあった鍼灸治療を取り入れようということでHPをみてご来院されました。

 当院へは8月中旬が初診で、その際、当院の治療方針を説明し、その治療間隔(週2回)とともに胚移植前後も治療に来院いただき、ほぼ計画通りの治療間隔でした。9月中旬の移植で嬉しい報告をいただくことができました。
 短い期間ではありますが、生活指導としては運動を行うこと、治療間隔もほぼその通り通院いただいたこと、そして何より明るいこと、前向きな姿勢、その他もろもろ重なり、ベースが出来上がっていったのかな?とも思いました。仕事もストレスの多いものですしね。

 

     10月の嬉しいご報告     

35歳 女性  主婦  二人目妊娠のため再来院  夫;32歳 

 平成24年に来院され、鍼灸治療期間約3ヶ月、男性不妊の影響もありましたが体外受精-胚移植で妊娠し出産されました。その後は子育てに専念され、平成27年より再び二人目妊娠のために来院されました。9カ月の鍼灸治療期間の後に同じく体外受精-胚移植にて妊娠するも残念ながら流産されました。再び、移植を行うため9月より週1回のペースで通院されました。

 10月はじめに体外受精-胚移植を行い妊娠されました。 

いくら前向きの人間でも流産という体験は悲しく、むなしく、無力感に襲われる出来事です。ですと断言してますが、私たち男性には理解できないほどの身体的、精神的ダメージの大きさは計り知れないものだと頭では理解しています。お一人お子様がいらっしゃるということも幸いしたのだろうと思いますが、もともとの明るい性格と真面目に定期的に通院いただいたことが良い結果につながるアシストとなったかなと感じます。

 

36歳 女性  専門職  二人目妊娠のため再来院  夫;36歳  

 平成25年夏ごろより当院へ通院され、治療期間約3カ月、体外受精-胚移植にて妊娠、出産されました。やや遠方ではありますが、この時は週2回の治療を定期的に来院されての良い結果でした。その後は育児に専念され、お子様も大きくなってきたことと、育児休暇の関係もあり、昨年秋より二人目妊娠のために再来院され治療を開始しました。

 2回目の治療期間は約1年ほどかかりました。仕事の復帰等もあり、治療期間があいた時期もありましたが、基本週1回ペースでご来院。そこまで3回は良い結果は得られませんでしたが、10月初旬の体外受精-胚移植にて妊娠されました。

 二人目はやはり心に余裕があるのだと思います。移植の判定が良いものでなかったとしても、その気持ちの切り替えが早かったことや、育児や仕事など不妊だけに意識を向けていられない環境があったことも幸いしてか、前向きに根気強く治療に臨んでいただけたことも大きい気持ちの部分の要因だったかなと思います。あとはやはり定期的に鍼灸治療に通院できたことも要因の一つかと思います。

 

37歳 女性  会社員  人工授精にて妊娠  夫;36歳

 当院への初診は平成26年夏でした。平成25年2月より婦人科での不妊治療をはじめ、タイミング療法、そして専門クリニックへ転院してのタイミング療法、人工授精を7回行うも良い結果が得られませんでした。鍼灸治療開始から3カ月後の周期の人工授精にて妊娠が確認されました。その後は地元へ帰って出産するという準備をされていた矢先の流産でした。

 この方、夫が単身赴任でなかなかお家に戻ってこれないという事情もありタイミングではなかなか難しいのかなとの思いもありましたが、遠く離れているとやはり不妊治療が全体的に制約されてくるのだと思います。

 その後、鍼灸治療は期間は開くことはありましたが定期的に通院いただけました。タイミングと人工授精を行っていましたが良い結果が得られず。今年から夫が金沢に勤務地が移るということで単身赴任生活にもピリオドがうたれました。ご夫婦としても、そしてお子様を望むにしても良い環境が揃ったなと思いました。
 今年の4月まできっちり通院いただき、その後、まったく来院がありませんでした。「治療はやめられたのかな」「もう少しバックアップできたら」と思っていたところ10月に少しふくよかになられてご来院。髪型を変えたせいもあり、はじめは「どなたかな?」と思いました。
 開口一番、「妊娠5カ月に入りました」と嬉しい報告がありました。転院し、4月の診察の結果、内膜の状態もホルモンの状態も良いので人工授精を一回しましょうということで、その治療でめでたく妊娠そして維持されたとのことでした。

 これから出産までお世話になりますということで、妊娠期の鍼灸治療に移行して出産までケアさせていただく予定です。

 

35歳 女性  専門職  二人目妊娠のため再来院  夫;34歳

  平成25年初夏より当院へ来院されました。出会いは石川県鍼灸マッサージ師会の地域貢献活動である金沢健康づくりフェアの鍼灸マッサージ体験ブースでのことでした。当院へ来院して3周期目でのタイミング療法でのご妊娠でした。

 子供も大きくなってきて少し落ち着いたということで、もう一人欲しいなとお考えになり、7月にご来院。私の高校野球部トレーナー活動での甲子園、北信越大会帯同等による休診もあり、少し治療期間も開いた時期もありましたが、約週1回ペースでご来院。今回も卵胞チェックのみのタイミング療法で、10月の周期でめでたくご妊娠されました。

 お一人目のお子様ができる前は生理不順があったということでしたが、出産後は生理不順もなく順調であったということでしたので、もしかしたら鍼灸治療を行わずとも今回は妊娠できたかもしれません。出産で良い方向に生理のリズムが整ったということでしょうか。
 しかし、仕事にはだいぶ前から復帰されており、治療後、仕事の疲れはとれ楽になるとのことでした。また、育児もやはり疲れます。そんな疲労の除去にも鍼灸治療は有効なのですよ 
 
当院の妊娠のための治療方法は40分ほど必要となります。その間、夢の世界へ入られるかたもおいでになりますそんなことも疲労がとれる一つの要素かもしれません。

 余分な活性酸素を除去しやすいカラダということでしょうか

 

     出産のご報告     

 今月、お二人の出産報告がありました。お二人とも途中までのご来院でしたので、鍼灸治療でどれだけサポート、カラダづくりができたかは分かりませんが、こんなサプライズは大歓迎です

 本当に嬉しく思います

平成24年秋~平成26年春まで当院に通院されていた41歳の女性(当院初診時)が、今年出産を迎えられたという報告がありました。どこまで鍼灸治療がお役にたったかは分かりませんが、長くの不妊治療ご苦労さまでした。

 そして、おめでとうございます

 45歳という高齢出産だったと思いますので、何か不調があればご来院いただきたいなと思っております。

 

平成25年春~平成26年初夏まで当院に通院されていた30歳の女性(当院初診時)が、同じく今年出産を迎えられたという報告がありました。一度流産があったのですが、それを乗り越えての妊娠、出産でした。「鍼灸治療は効果があったと思いますよ」という嬉しい言葉をいただきましたが、客観的にはどうかなという思いはあります。しかし、精神的、心理的にはバックアップできたのではないかという思いを私自身持つことができた会話でした。

 産後の腰痛でご来院されましたが、痛みは1回の治療でほぼ消失しました
 よかったです。

 そして、おめでとうございます

 ちょっと迷信的な話ですが、この上記お二人に共通していたことは何か・・・それはお家を新築されたということでした。

 皆さんに家を新築したり、引っ越しした方がいいというのではなく、環境が変わること、不妊や妊活に関係ないことに意識を向けること、セックスとは違った夫婦のコミュニケーション(家を建てるための話し合いや協力)を持てることなど、そんな精神的なところで身体や脳に変化が起きるのかなとも考えられました

 もう一つ、30代の出産報告された女性は、流産の時も、その後の妊娠時も「コウモリ」が家に訪れたとのこと(コウノトリではなく)。和むお話でした。

 

 しかし、妊娠のために活動されているご夫婦にはいろんな形があります。同じく当院に1年ほど通院されていた40代の女性が先日、足首の痛みのため来院されました。しばらく通院されていなかったわけですが、その際には「妊活はやめました」というお話でした。
 40代でも自然妊娠することもありますし、子どものいない人生もあります。養子縁組もあります。そのような人生が悪いとか、価値がないかというと、そんなことはありません。人には、夫婦には、それぞれの人生があります。そこに子どもという存在があるのか、ないのかというだけであり、子どもいる人生も、いない人生も、人生の価値は皆、同じだけ光り輝いているものです。

 人生は選択、決断の連続です。どのような人生が待ちうけようが、自分が(ご夫婦が)真剣に考え、熟慮し決断した選択、そこで生まれた結果に間違いはないと思っています。

 

 何やら人生論めいたことを書きましたが、天使ちゃんに逢いたい、そして、少しでも妊娠しやすいカラダづくりを行って、不妊治療から卒業したいご夫婦がおられましたら、鍼灸治療も一つの選択肢だと思います。

 私も皆様の要望や期待に応えることができるように日々精進したいと思います。

 

当院のご近所にある児安神社です(石川県神社庁HPより)
 伊邪奈美神を祀り子安観音と呼ばれ、子宝を望む産婦、無事成長を願う親が多く訪れるそうです

長文お読みいただき、ありがとうございます

 

    二葉鍼灸療院 田中良和

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