二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

妊活と鍼灸 ~運動しましょう! 呼吸でエクササイズ 1~

2021年01月31日 | 不妊症

 寒い時期は、なかなかウォーキングも続かなくなりますよね。寒い

 その場に居ながらにして運動できれば、どんな時でも場所や環境を選ばず運動できるのではないでしょうか

 

 その運動は・・・呼吸 を使ったエクササイズです。

 呼吸は、「やりたくな~い」って言ってると生きていくことができません。その呼吸を利用して身体を元気にすることで卵子力をアップする運動「受胎気功」をご紹介いたします。

 不妊専門医で、IVF JAPAN CEOの森本義晴先生の著書『「卵子力」をアップさせるライフスタイルBOOK~赤ちゃんができる。理想的な身体と心になるために~』からご紹介となります。

 少し詳しく加筆し、説明も加えながら二部構成で説明させていただきます。

 では、はじまり~

 

気功の考え方 精・氣・神。

 精=生殖  氣=心  神=脳(全てのバランスが調和し、全身の氣がスムーズに流れる)

 現代人は脳を過剰に使っています。心と身体のバランスが崩れると、ストレスを過剰に受け、心のモチベーションも保てなくなり、ホルモン放出のバランスも悪くなると妊娠しづらい要因になることは理解できると思います。

受胎気功 心身のバランスを保ち、氣、血、ホルモンの巡りをよくすることで、細胞が良い氣(酸素)で満たされ、ミトコンドリアの働きも活性化されます。卵子力アップはもとより、身体自体の働きが良くなり、お肌のツヤが良くなる、疲れにくくなるなどの嬉しい効果もあります。

 慣れないうちは難しく感じますが、「なんだか気持ちいいな~」と楽しみ感覚を大切にしてください 
 頭で考えすぎないでね

 

受胎気功を実践するための大事なポイント

任脈(にんみゃく)

 身体の前面中央で、アゴから肛門付近(会陰)へ向かい流れる氣の流れ(経絡)のことで、陰脈の海(一つにまとめるところ)。

督脈(とくみゃく)

 身体の後面中央で、尾骨下端より頭の頂点にのぼり、上顎部に向かい流れる氣の流れ(経絡)のことで、陽脈の海。

〈身体の中央ライン〉尾骨下端から始まり 背骨をのぼって 頭のてっぺん から上顎にくだり 下顎から お臍へくだり 会陰までくだる この氣の流れをスムーズにし、全身に良い氣が流れるように行います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

丹田

・受胎気功の呼吸を行う際、一番意識して欲しい場所です。
・おへそと恥骨を結んだラインの真ん中くらいの位置です。
・ここは精神=氣が貯蔵される場所です。

・丹=赤き色のこと。血液循環に関係するところと想像できませんか

 ※鍼灸では、この部分に「関元(かんげん)」という大事な経穴(ツボ)があり、泌尿器、婦人科系症状によく使用されます。

 ※「男子は精を蔵し、女子は血を蓄うる」とも言われていますので、生命エネルギーとも密接に関わっています。

 ※丹田には上・中・下があり、上記は下丹田、上丹田は脳、中丹田は心臓とも理解されています。

 

氣が出入りする特に大切な経穴(ツボ)

百会(ひゃくえ) 先ほどの督脈上にあるツボで、頭のてっぺんにある経穴
          その名の通り、多くの経絡(氣)が交わり合うポイント
          脳=神 

労宮(ろうきゅう) 手のひらの真ん中にある経穴。中指と薬指の指先の間
           その名の通り、頑張った後に反応が出やすい経穴
           心臓=氣

湧泉(ゆうせん) 足の裏にある経穴
          精のエネルギーを蓄えている腎の経絡の始まり
          まさしく、上昇するエネルギーが湧き出る泉
          生殖=精

※これらの3点を指圧したり、マッサージしたりして氣を巡りやすくしておくといいです。

 

受胎気功の方法

 立位・座位での方法がありますが、手を上げるか、下げるかだけの差で、方法自体は大きくかわりませんので、どちらでも結構です。

1.ウォーミングアップ

①背筋がスッと伸びる姿勢でリラックスします。座位でも立位でもかまいません。

②リラックスできる体勢が整ったら、目を半眼にします。一度まぶたを閉じて、ほんの少し開きかけた状態です。頭の中を空っぽにしましょう。

③口の中にたまった唾液で口内をすすぎ、その後、ゴックンと飲み込みます。
 この動作は、氣を丹田に送る際のイメージトレーニングにもあります。
 ※唾液は氣から生成される分泌液で「津液(しんえき)」の一つとされています。

④次に首をゆっくり回して氣の循環をよくします。
 ボーリングの玉ほどの重い頭を支えているのですから氣や血の流れが滞りやすくなります。
 ・首を前にゆっくり傾け、息を鼻から吸いながら前から左後ろに向かって回していきます。
 ・回しながら、口から息を吐いて右側を通り正面へ戻します。
 ・左まわり3回、右まわり3回、行います。

 

2.「丹田呼吸法」は受胎気功の基本(準備)

・丹田の場所は確認しましたね。上の図でいうと下丹田です。手で押さえてみると分かりやすいです。

・基本は「腹式呼吸」です。鼻で大きく息を吸って、お腹の奥まで入っていくイメージが出来たら、ゆっくり口から息を吐きましょう。

・次に丹田を意識しながら、腹式呼吸を続けてみましょう。心がゆったりしてきましたか?!

 

では「丹田呼吸法」やってみましょう!

・どんな姿勢でも結構です(今回は立位での方法をご紹介)。

①身体を締め付けているベルト等を外し、足を肩幅くらいに開きます。肩と膝の力は軽く抜いて、そっと目を閉じます。

②鼻からゆっくり息を吸い込みます。お腹の奥まで空気の入っていくのを意識しながら、丹田を通していいエネルギーが身体の中に入り込んでいくイメージを持ちましょう。

③十分に息を吸い込んだら、口をすぼめて少しずつ息を吐き出します。ストレスや老廃物を身体の中から外へ出していくイメージです。

※心の中で「いーち.にー.さ~ん」とカウントしながら息を吸ったら、同じリズムで吐き出しましょう。
※コツをつかむまでは、両手のひらを軽く丹田にあてて、呼吸に合わせて手のひらが動くの感じて行ってください。

3.宇宙の氣を取入れる動作

①座った姿勢で複式呼吸ををしながら、ゆったりとした気分になります。

②両手のひらを合わせて、ゆっくりと擦り合せます。手のひらがポカポカ温かくなってきます。

③次に、両方の手のひらを頭の上にかざします(ウサギさんポーズ)。手のひらは前に向けて、息を吸いながら宇宙の氣を労宮のツボに集めて、身体に取り込むイメージでやってみてください。

④手のひらに氣を感じたまま、口からゆっくり息を吐きます。これを3回繰り返します。

⑤次に、手のひらをお腹の表面から2cmくらい離し、丹田のあたりに当てて、息を吐きながら手のひらに溜まった氣を丹田に送り込みましょう。これも3回繰り返してください。

 

4-1.受胎気功(座位)本番

 リラックスするのが最大の目的ですので、焦らずにやりましょう。慣れるまで難しく思うかもしれませんが、繰り返すうちに全身の氣が流れやすくなり、やがて大きなうねりを生み出せるようになります。徐々に時間を長くしていきましょう。

①目を半眼、丹田を意識して、ゆっくりと丹田呼吸を繰り返します。息を吸いながら丹田に氣を注ぎ、お腹をふくらませます。

②息をゆっくり吸いながら、会陰を通って肛門に向かって氣を移動させます。この時、少し肛門をすぼめます。

③少しずつ息を吸いながら、肛門からは背骨に沿って氣を吸い上げます。腰☞背中☞首の後ろ☞百会と移動させます。身体の後面は長い経路ですので、息苦しかったら息継ぎをしながら無理なく行ってください。

④気をおでこに降ろして鼻まで来た時に、舌先を上顎につけ、氣を舌を通って口へと移動させます。これは、生まれた時に切れた経路を舌で繋ぐという意味があります。

⑤口の中に溜まってきた唾液を飲み込み、唾液とともに一気に食道から胃を通って丹田へ氣を落とします。

⑥丹田☞督脈☞任脈☞丹田と再び戻ってきたら、、ゆっくりと息を吐きながら氣を全身に巡らせます。

この一連の流れを約5分間行いましょう。

 

4-2.受胎気功(立位)本番

 大地に深く広く根を張り、風雨に負けないどっしりと颯爽と構える大きな樹木のイメージで、全身の隅々まで氣を巡らすイメージで行います(屋久杉のイメージか)。とてもダイナミックで効果の高い気功法です。積極的にやりましょう

①背筋を伸ばし、足は両肩幅ほどに開き、両足の外側が肩からの線と一致するように立ちます。足先は身体と平行にしてください。目は半眼、膝は軽くゆるめて曲げます。肩の力は抜いて、手はだらりと下に降ろします
 百会から氣を取り込むことができる立ち方で、緊張と弛緩がバランスよく存在し、いつまでも立っていられれる姿勢。

②丹田を意識して、お腹にゆっくりと息を吸い込みます。吸い込んだ氣を太ももからふくらはぎへと身体の下に通して、足の裏の湧泉から吐き出します。

③次に、息を吸いながら、足の裏から丹田へと氣を上げていきます。この後は座位での受胎気功と同じように全身へ氣を流していきます。

④丹田から会陰を通って吐きながら肛門に氣を送り、次に肛門から背骨に沿って吸い上げていきます。氣が上がっていくのに合わせて、両手をゆっくり広げ、肩の高さまで上げます。腕はそこで止め、さらに氣を百会まで上げていきます。

⑤氣を百会から、おでこを通し、口元まで移動させたら、舌を上あごにつけてその中に氣を下ろし、唾液を飲み込み、唾液とともに氣を丹田に下ろしていきます。丹田に戻ったら、息を吐きながら腕をゆっくり下ろし、全身に氣を巡らせます。

⑥元の呼吸に戻して、肩の力を抜き、身体を緩めてリラックスしましょう。全身に氣を流すことで、氣や血、ホルモンの循環が良くなり、自然治癒力=自然妊娠力が高まります。こちらも5分程度を目安に行いましょう。

 

5.内臓マッサージ

 これは身体を横方向に循環させる気功法です。

 血流量が多い肝臓や脾臓の瘀血(滞った静脈血)を心臓へと返し、さらに骨盤内の瘀血も解消する効果があります。

 受胎気功の仕上げとして行ってもよし、単独で行ってもよしの方法です。

①足の外側を結んだ幅が肩幅に一致するように立ちます。肩の力を抜いて両肩をダラッと下げ、膝を少しゆるめます。

②軽く手を握ります。身体をネジって無心に両手をプランプランと振り回します(ラジオ体操みたいな~)。勢いがついてきたら片方の手は胸に、もう片方の手は腰にポンと当たるようにします。心臓や腎臓にも心地よい刺激が加わります。

③この動作に慣れてきたら、丹田呼吸も一緒に行ってみてください。息を1回吸うたびに4回プランプラン、1回吐くたびに4回プランプラン。

④10分ほど行ったら、身体の動きを徐々に弱めていきます。急に止めずに自然に止まるようにしていきましょう。

 

6.受胎気功の仕上げ「収巧」

 動きのある「動功」を行った最後は、氣を収める「収功」を行います。

 座り姿勢の受胎気功のみ、内臓マッサージのみの場合は「収功」は行わなくてもいいです。

①両足を肩幅に開き、目を半眼にし、背筋をまっすぐにして、丹田を意識して息を吸い、その氣を太ももから膝へと通します。

②全部吐き出したら、元の静かな呼吸に戻して身体をゆっくりとゆるめます。半眼にしていた目をゆっくりと開きます。

 

 1~6を全て行うと30分くらいです。すべてを毎日行うのは難しいし、継続できないかもしれませんが、できるものを継続してやってみてください。
 「丹田呼吸法」と「座り姿勢の受胎呼吸」だけでも行ってください。それでも氣が乗らない、体調がいまいちの方は、「内臓マッサージ」だけでもかまいませんよ。

 人間の細胞は、身体のどこかでいつも新しい細胞に入れ替わっています。心地よい空気を身体の末端にまで取り入れ、老廃物をできる限り排出し、よい細胞をつくっていきましょう。

 身体が良い細胞をつくり、循環をよくしていけば、自ずと生殖の力も高まったくることが想像できるのではないでしょうか。

 

 長くなりましたが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

 少しでも心身が良い環境に整い、ご夫婦が天使ちゃんを受け入れる身体と心づくりにお役に立てば嬉しいと思います。

 第二部では、呼吸は大事なんだよ、自律神経にも影響があるんだよ、ということをお話させていただきます。

 

二葉鍼灸療院(金沢)

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