皆さんも一度はご覧になったことがあると思いますが、ヨーロッパに伝わる美術作品の中には「死神」を
描いたものが少なからずあります。
一神教であるキリスト教の文化圏で、なぜ「死神」というようなキャラクターが生まれたのか私には
よく判りませんが、描かれているキャラクターの特徴として、黒いローブと呼ばれるフード付きの外套を
纏った骸骨の姿で、右手に西洋で使われている大きな草刈り鎌、左手には砂時計といったスタイルが
最もオーソドックスなもののようです。
砂時計は人の寿命を表現したもので、砂が完全に流れ落ちた時、直ちに右手の大鎌で命を絶ち切り
死者を黄泉の国へと連れ去るというお話です。
タイトルからかなり離れた話になりましたが、この大きな鎌を振りかざしたオオカマキリの姿から
ついそんなキャラクターを連想してしまいました。
オオカマキリはカマキリ目カマキリ科に属し、体長は70-95cm、日本では最大のカマキリです。
主に草むらに生息しバッタやコガネムシを捕食しますが、獲物をすばやく追いかけるタイプではなく
草むらに身を潜め、近くに来たらそっと距離をつめ、射程距離に入れば鎌足で素早く相手を捕える
という作戦をとっています。
鎌足のグリップ力は抜群で、昆虫だけではなく、時には小さなカエルやトカゲなどを餌食にする
こともあります。
つまり、バッタであれコガネムシであれ、一旦この鎌足に捕えられれば、決して死を免れることはできない。
優秀なハンターであると同時に、捕食される者には正に恐ろしい死神と言えます。
オオカマキリ <カマキリ目 カマキリ科>
鎌足の付け根は黄色い、近似種のチョウセンカミキリはこの部分がオレンジ色をしています。
後翅が濃い紫褐色をしているのも本種の特徴、チョウセンカマキリは色が薄い
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