最近では見ることの少なくなったシロバナタンポポですが、城陽市内の建築廃材置き場に隣接する
荒地で見つけました。
現在、日本に生えているタンポポの多くは、明治時代に渡来した、ヨーロッパ原産の外来種である
セイヨウタンポポですが、シロバナタンポポは数少ない在来種のタンポポで、元来、日本でタンポポと
言えばこの白い花のタンポポを指していたようです。
明治時代に渡来したセイヨウタンポポは、染色体が3セット(3n)で、正常な減数分裂ができないため
単為生殖で種子を造ります。
このような生殖方法は、遺伝子交換によるは新たな発展、進化は期待でませんが、生殖のために
パートナーを必要としないため、効率的に種子を造り、環境条件さえ合えば爆発的な繁栄をとげることが
できます。セイヨウタンポポが日本の「タンポポ戦争」で圧倒的な勝利を収めたのには、優れた環境順応性と
単為生殖が有利に働いていたと思われます。
これに対して、カンサイタンポポなどの在来種の多くのタンポポは染色体が2セット(2n)で、生殖には
減数分裂で配偶子(花粉)を造り、受粉によって他の株と遺伝子交換を行う必要があります。
つまり、近隣に生殖のパートナーを持つことが必要不可欠なわけです。
因みに、このシロバナタンポポは5セット(5n)の染色体をもち、在来種では珍しく単為生殖によって
種子を造ることができます。ただし、環境への順応性という点ではセイヨウタンポポに劣っているのか
城陽市内でも、ごく限られた場所でしか見られないようです。
シロバナタンポポ <キク科 タンポポ属>
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