山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

クロコノマチョウ(黒木間蝶)を求めて

2009-10-12 07:59:19 | 昆虫
クロコノマチョウ<ジャノメチョウ科>

クロコノマチョウは山の暗い雑木林で時折見かけることがありますが、どうも現れるのが唐突、

突然足元から飛び立って、こちらがカメラを構える間もなく暗い藪の中を何処ともなく

飛び去るパターンがほとんどです。

「それらしい蝶、山吹山の沢筋でよく見るゾ」という友人の怪しげな情報を元に出かけました。


聞いた話では、この石碑の向いあたりに山吹山への道があるはず


情報の通り、林道のガードレールの切れ目に道があります


薄暗い道、前方に作業小屋が見えます。


さらに進むと6体のお地蔵さんがあって・・・


篠竹の藪があって・・・


沢筋に出る・・・ここまで情報通り


足元にエメラルド色に輝いたミドリセンチコガネを見つけました


ちょっと指で触ると死んだふり・・・こんなことして遊んでる場合じゃありません


情報に基づいてさらに奥へ・・・なにか暗くて気味の悪いところに来ました


そして、ふと横の藪の中をみると・・・いました!


紛れもなくクロコノマチョウです。慎重に距離を詰め今度こそ・・・パチリ


これは先月、大正池で見た個体、昆虫は普通3対の足があるはずだが、クロコノマチョウの足は2対?
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ミゾソバ(溝蕎麦)

2009-10-11 19:01:44 | 双子葉離弁花

田圃の用水路や小川の岸でミゾソバの花が開花し始めました。

ミゾソバの名は溝の中に生える、葉が蕎麦に似た草という意味。

また別名をウシノヒタイとも言います。これは葉が牛の額の形をしていることを現した名前ですが、

葉の形は、類似品種のアキノウナギツカミ・ママコノシリヌグイなどと見分ける上での重要なポイントです。

参考までに4・5枚目にアキノウナギツカミの花と葉を掲載しました。

画像はありませんが、同じタデ科で三角形の葉を持つママコノシリヌグイにもよく似た花が咲きます。


ミゾソバ<タデ科 イヌタデ属> 別名ウシノヒタイ


可愛い花弁に見えているのは萼片で、花弁はありません。少しややこしい話ですが
タデ科の多くに共通する特徴です。


別名のウシノヒタイは、この葉の形から名付けられたものです。


こちらはよく似た花のアキノウナギツカミ、開花はミゾソバより少し遅れますが、花の形はほぼ同じです。


アキノウナギツカミの葉、披針形で長さ5~10㌢、基部は矢じり形で茎を抱きます。


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ルリタテハ(瑠璃立羽)はコクリートがお好き?

2009-10-10 22:11:08 | 昆虫
画像は農業用水路の縁に止まっていたルリタテハです。

開帳していると、渋いチョコレートブラックの地色と対照的な淡い瑠璃色のラインが目立つので

すぐそれと分かります。


山では、クヌギやアラカシなどの樹液の出る木の近くで見かけるので、山の蝶というイメージが

強いのですが、人里や都会地の公園でもたまに見ることがあります。


通常は地面で静止していることが多く、腐果や樹液には集まりますが、花に止まって

吸蜜することはありません。

したがって、「花と蝶」という一般的なパターンの蝶写真は狙っても難しく

美しい姿なのに絵になりにくい蝶さんです。



人里の地面などで静止して過ごす場合は、湿った土の上よりもコンクリートや木材の上など

乾燥した人工的構造物の上を好むようです。また縄張りを守る「占有行動」が見られるのも特徴で、

自分の領域に飛来するものを見ると、たとえ相手が鳥であっても緊急発進して、警告の占有飛行を行います。



成虫で越冬するため、春は関西などでは3月末ぐらいから見ることができます。




ルリタテハ<タテハチョウ科 タテハチョウ亜科>



翅裏は樹皮か枯葉に偽装? 




人の気配を感じると、素早く飛び去りますが、同じ場所に戻る習性があるので一度逃げたぐらいで
撮影を諦める必要はありません。
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ツマグロヒョウモン~PART2

2009-10-10 18:27:21 | 昆虫
昨日と同じツマグロヒョウモンですが、こちらは♂さんです。

地色の黄色に黒い豹紋がついている所は他のヒョウモンチョウと同じですが

一つ一つの斑紋は小さく、全体に疎らなので見分けがつきます。

昨日の♀の個体とはちがって、名前の由来となった前翅の先端の黒い部分が♂にはありません。


ツマグロヒョウモン(♂) <タテハチョウ科 ヒョウモンチョウ族>




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ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)

2009-10-09 20:02:39 | 昆虫
♀の前翅の爪(ツマ)先が黒いことからツマグロヒョウモンと呼ばれます。

年一回6~10月に発生し、特に秋型と呼ばれるものはありませんが、発生時期により、初夏には♂が

多く、秋になると♀が多く見られるようになります。

南方系の蝶で、主に西日本を中心に分布しますが、温暖化の影響からか

最近では関東でも普通に見られるようです。成虫は越冬できず、幼虫が越冬します。


ツマグロヒョウモン<タテハチョウ科 ヒョウモンチョウ族>



前翅の爪(ツマ)先が黒くなっている♀の個体です。


こちらは♂の個体、同じ種類の蝶とは思えない模様で、ヒョウモンチョウに似ていますが
黒い斑紋が小さくて疎らなので見分けられます。
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紅葉の焼岳(新中の湯コース)~後編

2009-10-06 21:46:03 | 登山記録
標高2000㍍の森林限界を過ぎると、笹の斜面が左の稜線まで続いています

この付近はナナカマドの赤い葉と、ダケカンバの黄色い葉、それに笹の緑が入り混じり

まるで巨大な花壇を見るような景色を作りだしています




笹藪のあちこちにシラタマノキ<ツツジ科 シラタマノキ属>の可愛い果実が見られます。

実を潰すとサロメチールに似た香りがするそうです。



こちらはアカモノ<ツツジ科 シラタマノキ属> この実は食べられます。



笹に覆われた斜面が終わると、岩がゴロゴロしている斜面をコルを目指してジグザグに登って行きます。



南峰と北峰のコルに到着、噴煙が目の前に迫ります。




南峰と北峰の中間には、小さな火口湖があります



北峰頂上へのルートは、岩壁の基部を右に巻きます。トラバースに慎重さが要求される難所



直下から見上げた北峰頂上部




頂上に出る直前、ルートのすぐ横に硫黄を含んだ水蒸気が噴出しています。

改めて活火山に登っているのが実感できます



焼岳北峰の頂上に着きました。お天気に恵まれた性もあって多くの登山者で賑わっています。

吊尾根をバックにを撮っていただきました。



頂上からの眺めは最高! 目の高さに北アルプスの名峰がズラリと並びます

笠ケ岳、岐阜県の最高峰です。


抜戸岳です


槍ケ岳、北アルプスの盟主と呼ばれる山


左から、西穂高岳・ジャンダルム・奥穂高岳


前穂高岳です


眼下には上高地が見えています

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紅葉の焼岳(新中の湯コース)~前篇

2009-10-05 20:31:26 | 登山記録
今回の山行は、剣豪・塚原卜伝が傷を癒したという中の湯温泉を起点として、紅葉の始まった

北アルプス唯一の現役活火山・焼岳を目指しました。

焼岳の登山コースには、このコース以外に上高地から新中尾峠を経由して登るコースと

釜トンネルの少し上から始まる旧中の湯コースがありますが、前日泊の日帰りという条件から

コースが最短で危険箇所の少ない新中の湯コースを往復することにしました。


中の湯温泉旅館に向かう途中の安房峠付近、ここでは紅葉はまだ色付き始めといった感じでした



前日泊の中の湯温泉旅館、部屋の窓から真近に霞沢岳が見られます。


そしてその左には穂高連峰が夕日に照らされていました。


翌日の出発地点である登山口は、旧158号・10号カーブと11号カーブの中間にありますが、7号カーブにある
旅館のすぐ横から8号カーブと10号カーブを通らずに行ける直登コースが作られています。


登山口の向い側には車10台位の駐車スペースがありますが、朝は相当早く行かないと止められません。


駐車スペースの向いにある登山口です。


白樺やブナそれに珍しい樹木では梓川の名の由来でもあるアズサの木も仲間に加わっている明るい原生林帯


木に絡まるツタウルシが美しく紅葉していました


赤い実を付けたゴゼンタチバナの葉も少し紅葉


登山道は所々急登があるものの、良く整備されていて迷うことはありません


登山道の側で見つけたツルリンドウの実、まだ花冠を残しています。


登るに従って、少しずつ紅葉した葉が多くなります


標高2000㍍付近の紅葉、このあたりからナナカマドが多くなり、様子が一変します。


ナナカマドの紅葉、白樺の黄葉と白い幹、真っ青な秋の空・・・


思わずウットリとさせられる眺め・・・緑色に見えているのはクマザサです。


主役は何といっても、この美しく紅葉したナナカマドです


焼岳の頂上が姿を現し、硫黄臭がし始めます。頂上付近の様子は後編のお楽しみ
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イボクサ(疣草)

2009-10-02 22:09:37 | 単子葉類

近所の水田に咲いているイボクサです。繁殖力が強く農作業では邪魔な害草のひとつ。

しかしこの花、よく見るとグラデーションの利いた薄紫が中々素敵です。

イボクサの名前の由来は、この草を搾ってイボに塗るとイボが治ることから、

体にイボのできた人は、一度チャレンジしてみてはどうでしょうか?

但し、実際に効き目があったいう話は聞いたことがありませんので、念のため・・・



ここでお知らせを一つ、明日から焼岳方面に行ってきますので

ブログは2~3日お休みさせていただきます。



イボクサ<ツユクサ科 イボクサ属>




真ん中の黄色い部分が雌蕊、その周りの短くて色の濃い3本が花粉のない仮雄蕊で、更にその外側に
あって長い葯を持っているのが、完全雄蕊です。

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