今、木村拓哉主演の映画『グランメゾン・パリ』が公開中で、12月30日公開から1月5日までの公開7日間の累計動員は96万人と、好スタートを切っているとのことです。私も12月30日の初公開日に細君共々横須賀の映画館で鑑賞してきました。暮れのテレビで「グランメゾン東京」のスペシャルドラマを見ていましたので、導入部から背景のストーリーも含めて違和感なく楽しめました。
「咲き満る 山茶花」
既にご覧になっている方も多いかと思いますが…、簡潔に触れて見ます。
今回は、フランス・パリでの大規模なロケ撮影も行われた本編で、監督は、映画「ラストマイル」ほか、TVドラマでは「MIU404」「アンナチュラル」など、話題作を手掛ける塚原あゆ子氏がTVドラマに引き続き担当されています。また、韓国のアイドルグループ「2PM」のオク・テギョン、アイドルグループ「Aぇ! group」の正門良規が新キャストとして参加していました。さらに実際に2020年に、アジア人初となるフランスの三つ星を獲得した「Restaurant KEI」の小林圭シェフが、映画の料理監修を務める等本物志向が随所に感じられる作品との印象がありました。
異国の地でシェフが個人店で三つ星を獲ることは奇跡と言っても過言ではなく、2020年から2024年と5年経った今でも、ミシュランガイド・フランスでのアジア人店舗の三つ星は「Restaurant KEI」一店舗のみとの厳しい現実があります。そんな世界最高峰と称されるフランス料理の本場・パリを舞台に、アジア人初となる“三つ星”獲得へと挑むストーリーです。
料理に人生をかけるフランス料理のシェフ・尾花夏樹(木村拓哉)が、女性シェフ・早見倫子(鈴木京香)と出会い、周囲と衝突しながらも日本で三つ星レストラン「グランメゾン東京」を作り上げました。
それから時が経ち、尾花は早見と、フランス料理の本場・パリで、新店舗「グランメゾン・パリ」を立ち上げ、アジア人初となるミシュラン“三つ星”を獲得するために奮闘していました。
名だたる巨匠たちがしのぎを削る本場フランス。そのフランス料理で “三つ星”を獲得することは、尾花にとっての人生をかけた悲願でした。しかし、異国の地のシェフにとっては、満足のいく肉や、野菜などの食材を手に入れることにすら高い壁があり、“三つ星”に選ばれるなど夢のまた夢の結果を出せない日々が続いていました。そしてあるガラディナーでの失態が原因で、かつての師と「次のミシュランで三つ星を獲れなければ、店を辞めフランスから出ていく」という約束を交わさざるを得ない状況に追い込まれます。カリスマシェフと称された尾花夏樹は、挫折や人種、さらには文化の高い壁を乗り越え、仲間と共に世界最高峰の“三つ星”を手に入れる熱き挑戦に挑みました。料理に注ぐ情熱と、あきらめない想いが次々に襲ってくる難関を乗り越え“三つ星”に到達する感動的な物語でもありました。
ネタバレとなりますのでこれ以上の記述は控えますが、前作で「一滴のソースにも料理人は命を削り注ぐ」との尾花の台詞がありました。この想いが食材選びから、料理の隅々にに余すところなく注がれた本物志向の作品との印象をさらに深くしました。
また、木村拓哉の舞台あいさつではありませんが「美味しく味わい深い」作品とも感じました。見終わった細君の感想も、今までの木村拓哉主演の映画の中で最高!と言っていました。