四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

十年なおも

2021年04月10日 15時06分30秒 | 日々の歩み
それはいくつもの偶然の重なりでした。過日、私の免許更新に伴う、高齢者講習が終わり、
「講習修了証」を受け取り、講習を担当された教習所の教官にお礼かたがた挨拶した時でした。
「失礼ですが、奥さんは最近車で事故に遭われませんでしたか」との問いがありました。
「ええ、二年程前に中央線をオーバーランしてきた車に、ぶつけられたことがありましたよ」
と答えたところ、「奥さんは、私のかつての教習生で、事故を起こした女性も私の教習生でした」
との説明がありました。



細君が免許を取ったのは三十五年程前になります。その時の教官の親切で丁寧な指導に感激した
事もあり息子たちも、その教官に指導を受け免許を取得しました。
その教官の名前は、私自身も細君や息子たちからの話で記憶していましたが、目の前の方が、
その方とは知らずにいました。三十年以上の歳月を超えても憶えていて頂いたことと、心配
してくれていたことに、少なからず感動してしまいました。

このところ外出自粛もあり、お互いに行き来は控えていましたが、息子夫婦が、千葉木更津にある
アウトレット(三井アウトレットパーク 木更津)に行きたいとのことで、一緒に行くことにしました。
私の高齢者講習が終った時間に、教習所で合流し息子の運転でアクアライン経由で行くことにしました。
息子は、新年度でもありスーツを新調したいとのことでしたが、気に入ったブランドのスーツが
横浜でも見つからなかったので、木更津アウトレットまで買いに行きたいとのこと。
営業職でもあり、スーツと靴だけは気に入ったものを身に着けたいとの息子の考えは、私自身も
現役時代心掛けたことでもありますので賛同しました。
その道すがら、先ほどの教官の言葉を細君に伝えたところ、その偶然にびっくりするとともに
人のつながり、そして縁の不可思議さに今更ながら驚かされました。息子も教官との思い出を
語り、しばしなつかしさに浸りました。


御殿場、茅ケ崎、ヨコハマベイ等々のアウトレットには、幾たびか足を運びましたが、
木更津のアウトレットは初めてでした。「首都圏最大の本格アウトレットパーク」と
謳うだけあり、広大な大地に大半のブランドのショップが並び、アウトレット価格を
競っていました。





息子はお目当てのブランドショップで、コレクション系と、通常との二着のスーツを
じっくりと選び購入しました。この裾直しの等の時間に私たちは他のお店を見て回り、
日ごろ中々買えない物品等をアウトレット価格で購入しました。
私も、現役をこの三月末に卒業したことから、スーツ系ではなくカジュアル系を
探しましたが、しっくりくるものがなくウインドーショッピングにとどめました。

昼食はフードコートでいただきましたが、ここには浅草今半、中華料理の梅蘭、
松戸富田製麺等々の有名店のテナントが並び、より取り見取りでしたが、私たちは
マグロやイクラのわっぱめしを選びました。マグロもイクラも美味しく、何よりも
丁寧に味付けされた酢飯がおいしかったです。



手直しも終わったスーツを受け取り、それぞれで、必要なものをゲットし岐路に
着きました。なお、アクアラインの海を渡る久し振りのドライブは結構楽しく、
中々遠出の出来なかった私たちにとっては何よりの贈り物となりました。
新型コロナウイルスも第四波の到来が濃厚になる中、私たちも十分な感染症対策を
していくことの必要性を感じます。

なお、遊歩道周辺は既に葉桜となっていますが、つつじ、花水木、ラッパ水仙、
八重桜、チューリップ等々が咲き競っています。こんな日々に即興で詠んだ
短歌を掲載したいと思います。

 ☆マスク越し香り漂うジャスミンの早咲く路地にコロナ居座り
 ☆啄木忌 花買う我に妻は笑み 宵の街角手つなぎ帰る
 ☆列島を北へと急ぐ花の旅 コロナ禍なれど春待つ胸に
 ☆海風は桜吹雪を巻き上げて 滝なすのちは花筏なす
 ☆花みずき空向く花よ 我もまたコロナを超えて上向き歩む
 ☆風も無き森に降り敷く落ち椿 朽ちるを前に艶めく朱色
 ☆帰り行く鳥は群れなし落日に向きて羽ばたき耀き放つ
 ☆漂える花の香りもマスク越し 荒れ野も今は花の園へと
 ☆花吹雪 追伸のごと蕊も舞い 春去り行くもコロナ禍荒び

 ☆タンポポは 絮(わた)を飛ばして黄昏に おのれの旅を今始めんと
 ☆爛漫と咲き継ぐ花の園を抜け 海の蒼さを改めて知る
 ☆げんげ咲く荒れ野の果てに鷺一羽 行く春惜しむ羽ばたき残し
 ☆ウグイスの鳴き交わしいる森深く コロナ禍避けて妻と踏み入る
 ☆灯台をめぐる岬の森深く ハヤブサ一羽眼を凝らしいる
 ☆花吹雪舞いたる日々の記憶をも留め揺れいる新緑の森
 ☆置き去りの町を残して巡る聖火 復興謳いしあの日はいずこ
 ☆未だなお死をも奪われ不明者の 十年なおも昨日のごとく
 ☆三月を十年分も貯めたるか 空の蒼さと 桜吹雪と
コメント (4)
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