四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その139) 

2024年07月03日 05時44分49秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その139) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され依然として避難を余儀なくされている皆様に
     お見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「額紫陽花」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】源氏物語や紫式部日記・紫式部集には和歌(巻名歌等)が沢山
  ありますが、その和歌の返歌を口語短歌で提出します。返歌は源氏
  物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や
  自然・地名からヒントをもらい詠みます。今週は源氏物語巻名歌から
  1首、紫式部集より1首の計2首提出します。
註)源氏物語巻名歌・24若菜(わかな)
  歌の背景
   光源氏四十歳。今は髭黒の北方になっている玉鬘が、源氏の四十賀を
   祝って、若菜を捧げる。
〇小松原 末の齢に 引かれてや 野辺の若菜も 年を摘むべき 光源氏
(返歌)
☆算賀での 客のもてなし 飲食は 心ばかりの 若菜贈られ 
註)紫式部集・24
〇おいつ島 島守(も)る神や いさむらむ 波も騒がぬ わらはべの浦
(返歌)
☆百々(もも)神社 大蛇(おろち)のみたま祀るのは
                    静かなること海をいさめて

                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 一首目、「若菜」の巻は源氏物語中で最も長い巻の一つですが、「歌の背景」
 説明にもありますように、光源氏の40歳の祝いの席で、養女の玉鬘が若菜を
 差し出したことから名付けられています。
 光源氏は、玉鬘に若菜を献上されて詠んだ歌は「小松のように若いあなた達の
 末永い将来にあやかって野辺の若菜(私)も歳をかさねていけるでしょう」
 と意訳できますね。意中では「年齢のことなど考えたくもないと」と言い
 たかったかも知れませんが…。
 年齢のことなどはさておいて、私はもう一花咲かせましょうとの光源氏の
 本音を返歌として見ましたが如何でしょうか。
【ご参考】
 ★年積みて野辺の若菜を賜るも 君にあやかり花咲かすらん
 二首目は、「おいつ島を守る神様が諌めたのだろう。童の浦なのに波も静か
 なのは・・・」と意訳できますね。作者の返歌は「大蛇のみたまを祀る」
 神社なので、その神が海をいさめたのだろうと詠い、紫式部の想いを肯定
 しています。このような返歌も、時空を超えて作歌した紫式部の励ましと
 なると考えますし、密かな楽しみとなりますね。

【詞書】夏の野原は草の香に包まれて気持ちいい、夏の季語です。
  夏野で三首詠みましたので出詠させて頂きます。
☆のんびりと君と寝転ぶ夏野ごと ふはり抱きしめくるる太陽
☆父と子のキャッチボールは弧を描き 夏の野原を幾たび行き来
☆たてがみを靡かせ阿蘇の親子馬 風となるやにカルデラを駆く
                         みっちっちさん
【解説】
 夏の季語「夏野」をテーマに、爽やかで雄大な景観を連想させる三首を
 詠んで頂きました。
 特に三首目の歌は、リズム感があり、朗詠しても気持ち良い歌と感じます。
 阿蘇のカルデラを舞台とすることで、草原に吹き渡る風と共に雄大な景観と
 季節感を感じさせることに成功しています。
 作者は阿蘇で実際に馬が疾走する姿を見たことがあり、その印象詠んだ歌
 なのかもしれません。その感動が歌に込められているからこそ、このような
 力強い作品に仕上がっているとも感じます。
 二首目も、夏の野原で「父と子のキャッチボール」する姿が、明瞭に浮かぶ
 微笑ましい歌と感じます。子にとっても深奥に刻まれた父との鮮明な思い出
 として残ることと思います。

【詞書】雨を見上げながら詠ませて頂きました。
  石上(いそのかみ)は、「降る」の枕詞で、ただ、家の神棚に石上神宮を
  祀らせて頂いていることから、石上神宮のある「布留」の御利益と
  詠ませて頂きました。
☆石上降るとも雨を見上げれば 布留の御利益祈り給わん
【詞書】日頃を詠ませて頂きました。
☆起きもせず眠りもしない日頃かな 君の病が治癒するまでは
                         西BOOさん
【解説】
 一首目で詠まれた、石上神宮は、奈良県天理市布留町にある神社ですが、
 この神社は日本最古の神社の一つで、荘厳な雰囲気が漂っていますね。
 石上神宮の御祭神は「布都御魂大神」で、起死回生や除災招福などの
 ご利益があるとされています。奥様の介護の日々にあたって「回生」
 への切なる祈りも込めて詠まれた歌と感じました。
 二首目も、介護の日々を穏やかに詠まれています。淡々と日々介護に
 対応されている様子にエールを送りたいと思います。
 なお、「連理の枝」と言う言葉がありますが、皆さんもご存知のように
 夫婦仲が睦まじい様子を表す言葉ですが、作者の二首の歌から、そんな
 お二人の様子がほのぼのと浮かんできます。
 ちなみに、「連理の枝」の言葉の由来は中国の唐代の詩人である白居易の
 長恨歌とのことです。

     「金糸梅」

【詞書】竹の葉擦れの音は涼しさを呼び、いつまでも聞いていると
  歌のフレーズが浮かんでいます。
☆さやさやと竹吹く風の心地よさ 言霊きらり光りて降りぬ
☆水たたう棚田の畦に位置占めて 根付きいるらし枝豆の苗
☆雨の日のたったひとりの訪問者 訃報の葉書ポストに沈む
                         夕庵さん
【解説】
 「竹の葉擦れ」「水たたう棚田」「雨の日の」と、今の季節を調べを
 整えつつ詠って頂きました。
 一首目の歌は、風が竹を吹き抜ける音やその心地よさを表現していて、
 「さやさや」という擬音語が風の音を生き生きと伝えています。
 なお、「竹吹く風」は単に涼しいだけでなく、心身ともに癒される
 ような心地良さを感じさせる表現です。
 また、「言霊きらり光りて降りぬ」という部分は、竹の葉擦れの音に
 触発されて歌の言の葉が「降臨」するさまをドラマチックに詠い
 印象的です。
 三首目の「ポストに沈む」の表現が、「訃報の葉書」の内容の重さを暗に
 表現しています。このような表現方法にも学んでいきたいと思います。

【詞書】YouTube短歌:冨田勲 展覧会の絵 プロムナード2
☆やれやれ
  今日も歩いたわい
   もうじき日が暮れる

    さて結ぶ草を探すか
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 本歌 「新古今和歌集」 羇旅歌 鴨長明
  枕とていづれの草に契るらむ行くをかぎりの野べの夕暮
 短歌に、本歌取りをするのは、タブーですが、これをするのも個性と
 御容赦下さい。かの正岡子規も俳句で、
 春や昔十五万石の城下町で、伊勢物語(月やあらぬ春や昔の~)の
 本歌取りをしています。
 鴨長明の歌では、旅の心もとなさを歌ったが、もうそう言う旅も
 慣れて、野宿の場所を探す楽しさを味わうとしました。
 展覧会の絵には、絵と次の絵の間のに、プロムナードと題する曲が
 いくつか挿入されております。
 下記URLに展覧会の絵を貼付しておりますので、御覧戴ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/cc492d37075db0a9ea01955f49a26ed6
                         自閑さん
【解説】
 鴨長明の、羇旅歌からの本歌取りとのこと。「短歌説明」では、野宿の
 場所を探す楽しさも味わっているとの説明で、旅の達人の域に達した
 鴨長明のゆとりと人となりに言及されています。ただ、この歌から旅人
 としての心情や孤独感も、微かに滲んているとも感じてしまいます。
 なお、「本歌取り」について説明して頂いていますが、名高い芭蕉の句
   〇ほととぎす啼(なく)や五尺の菖草(あやめぐさ) 芭蕉
 がありますが…、『古今和歌集』の作者不明の恋の歌
   〇ほととぎすなくや五月のあやめ草あやめもしらぬ恋もするかな
 の歌の上句の「五月」を「五尺」をしただけの、9割以上の本歌取りも
 あります。ちなみに、この古今和歌集の歌で表現したかったのは
 「理屈じゃないよ、恋は」との意味になりますが…。
 また、本歌取りは、元歌を上回るとの作者の意志と、潔さがあれば大いに
 挑戦されることを是としたいと思っています。
 冨田勲氏の「展覧会」については先週も触れましたので、省かせて頂き
 ますが、作者の歌は、鴨長明の歌を彷彿させつつも、孤独感を感じさせず
 旅慣れた人の、ゆとりとユーモアが感じられる歌となっていると考えます。
 旅人が草枕を探す楽しささえ感じさせる歌とも言えます。


     「クチナシの花」

【詞書】2015年4月から始まった、京都アニメーションの作品「響け!
  ユーフォニアム」のテレビアニメシリーズ、NHKのEテレで今年4月から
  始まった「~3」の最終回が放送され、悲しい事件もあったりしましたが、
  足かけ9年の物語が終了しました。作品は主人公黄前久美子の高校の
  吹奏楽部員として過ごした3年間の話ではあるんですが…。私自身、
  宇治川沿いにある観光センターにあるファンノートに事件の直後に
  書きましたが「時間がかかっても第3期が作られるのを信じて」いましたが、
  始まる時は嬉しかったけど、いざ終わってしまうと寂しいものです。
  「~3」は2017年頃なのですがラストにはあちこち風景の変わった現在の
  宇治が出て来て何か感動したりしてました。宇治にもたくさんの人が
  来てくださいました。(リピーターも大勢…)いろいろ楽しかった!
  京アニさん有難うございました。ひとまずお疲れさまでした…!!
☆シリーズの9年に及ぶ集大成
        心に響いた最終回よ
【詞書】ここ何年かずっと花の咲かないアガパンサスの鉢の、はみ出た
  株を取り除いてやった6月のある日、みよ~んと茎が伸びてきて、蕾を
  包んだものが出来て、今はいくつか花が咲いてるんです。…窮屈に
  していてごめん。咲いてくれて有難う…!!って感じです。
☆窮屈な株整理して花芽伸び
        お帰りなさいアガパンサスよ
【詞書】京都ら辺は6月末に“水無月”という三角に切った外郎に
  小豆が乗ったお菓子を食べる…みたいで、だいたいその頃スーパーに
  並ぶんで何か買ってしまって食べてます。(堺に居た頃にはあまり
  見た記憶のないお菓子です)が、「いつに何を食べる」というなら
  7月1日の半夏生(はんげしょう)には蛸を食べんとなあ…と思って
  居たのにすっかり忘れてた…と。ただそれだけの話です。験担ぎの
  食べ物って他の地域はどうなんでしょう?
☆6月の末に「水無月」食べて居り
       蛸食べそびれた7月1日(しちがつついたち)
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回も、「京アニ」「アガパンサス」「半夏生」について、身近な
 題材をテーマに作者の想いを滲ませ三首の歌を詠んで頂きました。
 一首目の歌、京都アニメーションは前代未聞の不幸な事件に遭遇
 しましたが、詠われていますように「響け!ユーフォニアム」の
 テレビアニメシリーズは足かけ9年の物語が終了しました。
 この最終シリーズ完成に向けて払われたアニメーターを始め、
 多くの関係者の筆舌に尽くしがたい奮闘と、尽力に改めて拍手を
 送ると共に、お疲れ様でしたと申しあげたいと思います。日本の
 アニメの現場の底力と技術を超えた心意気を讃えたいと思います。
 何よりも、北宇治高校吹奏楽部のコンクール出場を目指す青春
 ストーリーの爽やかさを感じていきたいと思っています。
 三首目の歌、日本には春秋の七草、土用の丑の日にウナギを等々
 季節ごとに特定の食物を食べる風習があります。詠われている
 ように7月1日の半夏生に蛸を食べる風習は、京都をはじめ関西
 地方を中心に、香川県や奈良県などでも見られますね。
 これは、旬を迎える蛸を食べることで、夏バテ防止になると考え
 られていたようですね。
 このように、歌に詠むことで季節を再確認することも一興ですね。

☆くだけ散る波のしぶきを浴びて咲く 青の紫陽花 藍を深めて
                         ポエット・M
【解説】
 度々紹介している観音崎の、海辺に咲く紫陽花の波飛沫に負けずに
 咲き続ける様子を詠んでみました。
 風向きによっては荒々しい波のしぶきを浴びることもある海辺の
 紫陽花は、それを受け止め枯れることなく、青から藍色へと彩りを
 深めています。そんな花の生命力を改めて見直しながら、花の矜持にも
 似た想いを感じて詠んでみました。
 なお、結句の「深めゆく」という表現で、紫陽花の色の変化が時間と
 ともにゆっくりと進んでいく様子を表現してみました。

 
     「藍深める 紫陽花」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(46)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
27.「短歌の章」 喜寿となる日(2)

   筧の水細々と落ちて昼下り
           この静けさにわがいのちあり
            
   一杯(ひとつき)のにはあれどこの夕べ
           妻と二人のみの ほがひ酒くむ

   われと妻のよわひ重ぬれば151才
           珍しからずとも よろこびとせむ
 
【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は割愛致します。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますのでご容赦願います。詞書は一首200文字以内にまとめて
    頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その139)ネット歌会

2024年07月03日 05時23分05秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その139)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「ガクアジサイ」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆石上降るとも雨を見上げれば 布留のご利益祈り給わん
                         西BOOさん
★石上神社神宮(いそのかみ)の杉の木に鳴く尾長鶏
                  神の使いのひと声聞きたし
                         夕庵さん
★八尾市にて玉祖神社朝詣り 長鳴鶏が鶏舎で合唱
                         西BOOさん
★深碧の色の勾玉 神宿り 常に携え身の護りとす
                         夕庵さん

☆たてがみを靡かせ阿蘇の親子馬 風となるやにカルデラを駆く
                         みっちっちさん
★森鴎外(おうがい)は馬にまたがり社寺巡る「鷗外の門」奈良に残れり
                         夕庵さん

☆父と子のキャッチボールは弧を描き 夏の野原を幾たび行き来
                         みっちっちさん
★誰も居ぬ公園にぽつんとサッカーボール 助走をつけて蹴る恥ずかしさ
                         夕庵さん
★誰もゐぬ夜の園には 砂の城 姫とこびとのダンスパーティー
                         みっちっちさん
★砂丘には「砂の美術館」儚きよ 砂像で楽しむフランス旅行
                         夕庵さん
★はまなすのほのかに香る道ゆけば 砂丘の先に潮騒聞こゆ
                         みっちっちさん
★潮騒を聞きつつ君の詠む歌の ちさき千鳥の足跡たどる
                         夕庵さん
★鳥の声聞きつつ朝の散歩道 君への返歌考えながら
                         みっちっちさん
★リズムよく囀る鳥の声聞いて 鳥語で返事口笛吹いて 
                         夕庵さん
★高原にひとり口笛吹きそめば 歌を興せり卒業旅行
                         みっちっちさん
★懐かしき美ヶ原の白樺よ あの旅こそはわが青春譜
                         夕庵さん
★懐かしき京のやしろや仏閣よ 君と巡りし我が青春譜
                         みっちっちさん
★朱印帳 求めて巡るバス旅行 ガイドに頼み涼とる人ら
                         夕庵さん


     「スカシユリ」

☆雨の日のたったひとりの訪問者 訃報の葉書ポストに沈む
                         夕庵さん
★雨の日のたったひとりの訪問者 どこかの猫と会話楽しむ
                         みっちっちさん
★初対面の人と話すは苦手でも 話せば意外に馬の合う人
                         夕庵さん
★初めての人には笑顔で話しかけ 気の合ふ友となれば幸せ
                         みっちっちさん
★薬より人をやさしくする笑顔 白い歯のぞけばなおさらのこと
                         夕庵さん
★母親に抱かれし嬰(やや)へあやしかけ 笑顔に和むエレベーターなか
                         みっちっちさん
★久しくも聞かぬ赤子の泣き声に にわか若さの戻り来る町
                         夕庵さん
★産声を待ちたる暗き長椅子に 今ぞ一声 誕生の声
                         みっちっちさん
★元気よく産声上げし天使たち 背中の白い羽よ褪せるな
                         夕庵さん
★ステップは軽くこまやか バレリーナ その細き背は羽化するごとく
                         みっちっちさん
★ステップも軽々リードして踊る ホールの帝王 齢(よわい)九十
                         夕庵さん
★ひよいひよいと卓球の球打ち返す 九十歳の女(ひと)の笑顔よ
                         みっちっちさん

☆つがいかも ホタル舞う闇深くして 命をつなぐ営み妖し
                         ポエット・M
★ほうたるよ はかな恋なら怯まずに飛べよ飛べ飛べ燃え尽きるまで
                         夕庵さん
★闇に舞う蛍の恋は哀しくも 水辺の森に尾を引きてゆく
                         夕庵さん
★闇に舞う蛍の恋は艶やかに 燃える想いに我が身焦して
                         ポエット・M
★限られた命と宣告されたなら 何に燃やすか迫り来時間
                         夕庵さん
★告げられし命の期限半年と それでも吾はミモザを植える
                         ポエット・M
★残り世の僅かな命に灯を灯し それでも私は歌詠むだろう
                         夕庵さん
★巡り来るミモザの花の開くとき 風は囁く「あなたに会いに」
                         夕庵さん
【詞書】岸恵子著「わりなき恋」では、ミモザは象徴的な花 
★ミモザ咲く 「わりなき恋」の別れにも「今でもすき」と風にささやく
                         ポエット・M
★くちなしの妖しのかほりに逝きし人 わりなき別れに残る悔恨
                         夕庵さん
【詞書】川田 順の「墓場に近き老いらくの恋は怖るる何もなし」から
★「老いらくの恋は怖るることなし」も エネルギー不足で前へ進まぬ
                         夕庵さん
☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「紫陽花 墨田の花火」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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