四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その145)

2024年08月21日 05時54分20秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その145) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 旧盆につき8月14日(水)のサロンをお休みさせて頂きました。
 ☆☆☆  皆様のご協力に感謝申し上げます。
 ☆☆☆  8月21日(水)から通常通りの掲載と致します。
 ☆☆☆  本件関係各位と相談させて頂きました。ありがとうございました。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き盛る 百日紅 白色」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】源氏物語や紫式部日記・紫式部集には和歌(巻名歌等)が沢山
  ありますが、その和歌の返歌を口語短歌で提出します。返歌は源氏
  物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や
  自然・地名からヒントをもらい詠みます。今週は源氏物語巻名歌から
  1首、紫式部集より1首の計2首提出します。
註)源氏物語巻名歌・30幻
  歌の背景
   光源氏五十二歳。紫の上が亡くなり、春が過ぎ、夏が過ぎ、神無月に
   なった。源氏はこの世にはない亡き人のことを思ってもの思いに
   沈んでいる。出家する決心をすると、御文なども皆焼かせてしまう
   のだった。
〇大空を かよふ幻 夢にだに 見えこぬ魂の 行方たづねよ  光源氏
(返歌)
☆大殿は 愛する人の お別れを 出家する決意 お固めなるも
註)紫式部集・30 
〇よもの海に 塩焼く海人の 心から やくとはかかる なげきをやつむ  
(返歌)
☆あなたさま 恋に身を焼き 重ねては 自ら好む 仕事にもして
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 一首目の光源氏の歌は「大空を自在に通うという幻術士(まぼろし)よ。
 夢にさえ現れて来ぬあの人の魂の行方を捜し出しておくれ」と意訳できます。
 光源氏の生涯を描いた『桐壷』から『幻』までの源氏物語は、最初と最後に
 同じ幻術士歌が置かれています。極論すると最愛の人の死ではじまり、最愛の
 人の死で終わる構成となっています。そして亡くなった妻への想いを、父も
 子も大空を渡る「幻術士」に託していると考えます。しかし、どんな歌を
 詠んだところで詮なきことに変わりはない、との無常観は紫式部の、この物語を
 貫く哲学との想いが致します。これらを踏まえると必然の流れで、作者の
 返歌で詠われたように「出家する決意」に繋がっていくものと考えます。
 二首目の歌は、「あちこちの海で塩を焼く漁師が投げ木を積むように、あなたは
 自分からいろんな人に言い寄っては嘆いてるんじゃないの」と意訳できますね。
 夫となる宣孝が歌絵に、漁師が塩を焼いている絵を描いて贈ってきたので、
 積み上げられた投げ木のそばに歌を書いて返歌したものとのこと。「投げ木」は
 塩を焼くための薪で、「投げ木」と「嘆き」を懸けています。この歌への
 作者の返歌は「恋に身を焼き 重ねては」と、宣孝の浮名を流す様子を皮肉って
 あきれる様子が詠われていて的を射ていると考えます。
 作者の意図をさらに進めて直截に表現してみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★よもの海の乙女に歌を贈りては ふられ嘆くはお止めなされば

【詞書】暑さを詠ませて頂きます。
☆車乗り熱気でエアコン付けるとも 熱風を浴び悲鳴をあげる
【詞書】持病を詠ませて頂きます。
☆持病ゆえ暑さゆえかな疲れかな 外出時起く突発眩暈
【詞書】お盆を詠ませて頂きました。
☆お盆にて御供えをして身にしみる 目犍連の亡母への愛
                         西BOOさん
【解説】
 今回は「車のエアコンの熱風」「突発眩暈」、追加で「お盆」と身近な
 テーマを丁寧に詠って頂きました。
 一首目は、今の季節、皆さんが日々経験されていることですが、詠われると
 「ここにも歌の種」があったと改めて気付かされます。
 最近は車のエアコンも性能が上がり短時間で冷却が始まるようになりましたが
 詠われているように、スイッチを入れた瞬間は「熱風を浴び」る状況となります。
 下の句の「悲鳴をあげる」に実感がこもっています。
 二首目の歌、今の炎暑の季節、健康な方でも外出は「命の危険」を覚悟せざるを
 得ません。まして持病を持っている方には厳しい状況と考えます。しかし、仕事、
 用事等々で外出せざるを得ませんが、詠まれているように「突発性眩暈」が
 おきる状況は要注意ですね。くれぐれもご自愛の程をお祈り致します。
 三首目の歌、目犍連(もくけんれん)は、お釈迦様の十大弟子のひとりで、
 地獄で苦しむ母を神通という超自然的な能力で救い出しました。これらをはじめ、
 神通により多くの方を救い、すぐれ実績を残していたため神通第一の人と
 称されたと言われています。
 この目犍連の母への愛を、お盆のお供えを通して身に沁みたと詠う作者。母への
 想いは目犍連を凌ぐものがあろうかと感じます。このように作者に思われる続ける
 お母様は幸せな方と改めて思います。

     「未だ咲く 鹿の子百合」

【詞書】ちょっと趣きを変えまして、夏の季語である「サングラス」で
  三首詠んでみました。
☆薔薇色の口紅しかと サングラス 無敵の気分で街を闊歩す
☆ゆきづりのややの可愛さ サングラス取りてあやせば笑顔の道中
☆サングラス取りて戦ふ女より 厨の妻へ エプロンを掛く
                         みっちっちさん
【解説】
 一首目の歌は、日常とは少し異なった口紅で決め、サングラスをかけ高揚した
 気分で街を歩く様子を「街を闊歩す」と表現しています。これは、女性たちが
 密かに秘める変身願望を詠んでいるとも感じます。
 薔薇色は女性らしさや華やかさを象徴する色であり、ルージュをぬって
 顔立ちを引き立てることで、幸せ感や自信を深めることができることを
 示唆しているように思います。
 下の句の「無敵の気分」は、変身した自分の高揚感への自信と魅力を感じる
 瞬間を表しているのかも知れません。
 三首目の歌は、情景を対比的に鮮やか描き出すことで、奥深い意味合いを
 孕んでいることを表現していると感じます。
 サングラスは、作者が外界から自分を守るための障壁、あるいは仮面とも
 読めますが、それを外し、「厨の妻へ」話は急転し、舞台は家庭のキッチン
 へと移ります。この展開は自ら選んで自覚的に行うところがポイントとも
 感じます。なお、「サングラス」「エプロン」といった具体的な言葉が、
 情景を鮮やかに描き出していて見事です。

【詞書】開選手はインタビューに「東京大会はチャレンジャーだった。今回は(メダルを)
  狙っていました」と言ったとか…自信と闘志が
パフォーマンスからも感じられました。
  この3年、年若い彼女には
メダリストとしてのプレッシャーやプライドや色んな思いが

  あったかと思いますが、迫力のある軽やかなパフォーマンスは見ていて気持ち
  良かったし、素晴らしかったです。表彰台に
乗った人、乗らなかった人も素敵な
  スケーティングでした。

  それにしても、スノボとかもそうですが実況大変ですよねー…。“540”とか何回転
  なんや?!って一瞬思います。(1回転半でしたか)
解説の人の「行け!行けー!」には
  こちらも思わず「行けー!」と
続きました。(夜中に何を…😅)

  夜中にスケートボードの“パーク”を途中から見ていて、3年前の“東京2020”で実況の
  フジテレビの倉田アナウンサーが
「13歳!真夏の大冒険!!」と叫んだ開 心那(ここな)
  選手が、身長も
20センチ以上高くなって、より迫力のあるスケーティングで五輪の

  会場に戻ってきて、見事に二大会連続のメダルを獲得しました。
  彼女のファッションがグレーのチューブトップに白いシャツを羽織り、長い髪は
  束ねたりせず背中にながした状態でメダル確定、
あとはメダルの色という中で
  圧巻のパフォーマンスをやり遂げ
ました。青空の下パフォーマンス後に、それぞれ
  ライバルだったり
競い合ったりしている相手かも知れないけど、お互いを
  リスペクトし、
笑顔でハイタッチやハグをする選手達の何とも軽やかで楽しげな

  様子は見ていても楽しかったです。で、彼女たちを見ていて一首詠みました。
☆白いシャツはためかせ髪なびかせて 
      “パーク”で少女は軽やかに舞う
【詞書】先日8/17、18にKアリーナ横浜にて「U-NEXT Presents THE ALFEE2024
  Wind of Time50年目の夏祭り」が開催されました。
  私は参加は出来ませんでしたが、ネットでいろいろレポートしている方の
  記事を読んだり、Xで参加されたファンの方々の投稿を読んだり、
  (これは久々にやりましたが)スポーツ紙を手に入る5紙買ったり(東京中日
  スポーツも欲しかった…もしかしたらJR宇治なら有ったのかも)…。いや~、
  やっぱしALFEEさんは良いです。😸
  曲目(今日びはセトリ…セットリストと言うとか)はシングル曲あり、
  デビュー直後の4人時代の曲有り、当然のようにアルバムの中の名曲有り、
  最新のシングル曲有り…とバラエティ豊かで、“LONG WAY TO FREEDOM”と
  いう歌では高見沢さんがフライングをするという、初めてライブに行った
  人やALFEEさんをあまり知らない人が見たら度肝を抜かれそうな演出や、
  コントなど(←ファンは期待していたりします)ただでさえきっと盛り
  だくさんだったでしょうに今回はTHE ALFEEさん初の“音頭”!!それも、
  彼らの歴史に燦然と輝くあの「メリーアン」が“音頭”になったという、
  「メリーアン音頭」も有りました!
  事前にYouTubeでの振り付け動画が出ていたので、恐らく皆さん覚えて
  踊られたようですし(ツアー終盤で披露されていたからある程度ファン
  には馴染んでいたかも…)8月初旬の青森ねぶたに参加した
  “THE ALFEEねぶた”の映像もバックに映されていたというからまさしく
  “祭り”の雰囲気が盛り上がったことと思います。
  高見沢氏はステージで、「まだまだ伝えたい歌がたくさんあります」
  「引退はしません」と力強い言葉をファンに語ったそうです。8月18日の
  ライブで2919本を駆け抜けたTHE ALFEEさん。3000本にも意欲を見せている
  そうで、「あの人らならやりかねん…いや、やりはるやろなあ…きっと
  やりはる!」と思わずには居られません。
  前日まで台風などありましたが、(17日に新千歳空港で足止めされた
  ファンの方も居はったとか…間に合ったならいいんですが)とりあえず
  無事に終わって良かったです。THE ALFEEさん、デビュー50周年
  おめでとうございます!…春か秋のツアーでも、いつか又行きたいなあ…。
☆THE ALFEE 「50年目の夏祭り」
     初の“音頭”で皆♪めり~あ~ん♪
【詞書】8月17日、第106回全国高校野球選手権大会11日目の島根県大社高校
  VS西東京早稲田実業で延長11回タイブレークの末、早実を下し、93年振り
  に大社高校が準々決勝進出を果たした…。実に凄い闘いでしたが、その
  興奮も冷めやらぬ19日の第4試合。鹿児島…いや九州の強豪神村学園との
  対戦でアルプススタンドに集った2800人の大応援団の声援を受け、
  二度も強豪を打ち破った大社高校が熱い闘いを繰り広げました。結果は
  一時同点に並ぶも6回以降に6点入れられ、2-8で敗退しました。が、9回裏で
  満塁にするなどどこまでも粘りと“執念”(記録員の女子部員が小さな
  ホワイトボードに書いていました)を見せて躍動した大社高の球児たちは
  熱く爽やかな感動をもたらしてくれました。話題にもなりましたが、
  大応援団の声援と大社高にとって“魔曲”となった「サウスポー」
  (ピンクレディー)。いや凄い迫力でした。他の曲も、プロのトランペッター
  で吹奏楽部の指導もしているというOBの方も加わって甲子園じゅうに
  響きまくってました。🎵こんなにわくわくどきどき💓高校野球は
  やっぱり面白い!!対戦した神村学園さんも(野球部じゃなかったかも
  ですが宇治にも時々来てくれてました。赤いバスが印象的でした)
  お疲れさまでした。大社高校の皆さんフィールドの人達もスタンドの
  方々もお疲れさまでした。私も母(島根の西部、安来市出身)も
  めちゃくちゃ楽しみました。熱闘ありがとうございました!
☆歴史変え 記憶に残る熱闘よ
       大社高校旋風起こす

                         ちがやねこさん
【解説】
 一首目の歌、詞書で説明頂いたように、パリオリンピックのスケートボード、
 女子パークで決勝が行われ、15歳の開心那選手が2大会連続となる銀メダルを
 獲得しました。
開選手とともに表彰台に立ったのは、ともに日本人の母親を
 持つ
日本にルーツのある2人の選手でした。

 開選手は「自分の出したいものを出し切れた。メダルを取れてうれしい気持ちも
 あるが、また銀メダルであと一歩、届かなかった
ので悔しい気持ちもある」と
 心境を話していましたね。

 上の句の「白いシャツはためかせ髪なびかせて」の表現は爽やかそのものです。
 また、スケートパークで鮮やかに舞う少女たちを
象徴的に優しく表現していると
 感じます。このようなスポーツ詠も
いいものですね。私達も意識的に挑戦したい
 ジャンルと感じます。
 二首目の歌、THE ALFEEデビュー50周年を記念する「50年目の夏祭り」の
 コンサートの様子が、熱烈なフアンならではのハイテンションで詠まれ
 こちらまで感動が伝わって来ました。「スポーツ紙を手に入る5紙を買う」
 のは、その表れでもありますね。
 THE ALFEEの歴史に刻まれた「メリーアン」が“音頭”になったという、
 「メリーアン音頭」も会場で踊られ「祭り」を盛り上げた様子が歌からも
 溢れています。こんな愉快な短歌もいいものですね。
 三首目の歌、第106回全国高校野球選手権大会11日目に、島根県の県立高校
 である大社高校が、93年振りに準々決勝進出を果たしましたね。私達も
 思わず応援してしまいました。いわゆる「野球高校」ばかりが勝ちあがる
 今の甲子園大会の中にあって、大半を県内メンバーでチームを構成する
 大社高校の活躍は、真っ当であり爽やかさを感じました。
 詠われているように「記憶に残る熱闘」であり、「旋風起こす」試合で
 あったと思います。大社高校のナインに捧げるべき最良の一首でもありますね。


     「未だ咲く むくげの花」

【詞書】お盆を迎えて1首
☆うつらつら浅き眠りの見る夢に願い叶えて君よ出でませ
【詞書】8月より早朝散歩を始めています。5時過ぎより30分ほど心地よい汗を
  かいています。

☆早朝の空気は青しあたらしき道を曲がれば露抱く木槿
☆朝一番の風はそよりと身に触れて今日の始まりシューズも軽し
                         夕庵さん
【解説】
 一首目の歌、お盆には亡くなった方が戻ってこられると言われています。
 詠われているように、せめて「夢に…出でませ」は作者の偽らざる想いであり
 願いでもありますね。 亡くなられた方を思う温かい心と、その方
との再会を
 願う切実な気持ちがストレートに表現されて、作者の切ない
想いがしみじみと
 伝わって来ます。

 二首目の歌、上の句の「早朝の空気は青し」で、一日の始まりを告げる
 澄み切った朝の空気が、視覚的に鮮やかに描き出されています。この「青し」
 という言葉は、単に色の情報だけでなく、朝の清々しさや静けさ
なども含意して
 いるように感じられます。

 また、「あたらしき」という句は、心に広がりを持たせ様々な解釈を可能にし
 短い歌の中に、広大な世界が広がっているような、余韻のある歌にしています。
 三首目の「シューズも軽し」に、一日の始まりと、早朝散歩へのワクワク感が
 爽やかに表現されています。今の季節、早朝散歩はいいですね。いうまでも
 ありませんが、水分補給は十分なされますように…。

【詞書】YouTube短歌:高石ともやさん死去
☆豆単を覚えて役に立たない
     √、Σ、半世紀使っていない
【短歌説明】
 高石ともやさんが、お亡くなりになりました。
 1968年の歌だが、毎年冬になると、ラジオで流れていました。
 今も受験生は同じだろうか?
 ちなみに豆単とは、「赤尾の豆単」と言って、英語基本単語熟語集の事です。
 必死になって覚えたが、今は1単語も覚えていません。今も受験生は、使って
 いるのだろうか?
 ちなみに、√3だけは、よくジョークで言っていました。ヒトナミニオゴレヤ。
 ご冥福をお祈りします。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/9f2667d660a1a61640eb51ce18a771f5
                         自閑さん
【解説】
 懐かしい「豆単」の語に久しぶりに触れました。今でもあの手触りを懐かしく
 思い出します。短歌説明にありますように、必死で覚えたはずなのに結構
 忘れ去っている語は多いですね。しかし、その努力は血肉になっている…と、
 信じたいと思っています。また、Σはその後統計等で鍛えられた記憶があります。
 「関西フォークの旗手」として、1960年代後半から日本のフォークソング界を
 けん引してきた歌手高石ともや。「受験生ブルース」は彼の代表曲の一つですが
 あの軽やかな曲と、「サインコサイン何になる」等の辛辣な歌詞との落差に
 妙に惹かれた記憶があります。
 詠われている下の句の「√、Σ、半世紀使っていない」の「√、Σ」は、
 数学の基礎でしょうが文系の方の率直な想いかと思います。思えば今も、昔も
 受験生は理不尽な状況の中で苦闘を強いられていると感じます。そんな彼らの
 胸に「受験生ブルース」は沁み込んでいったのかも知れませんし、その真髄を
 凝縮し、作者は端的に詠いきっていると感じます。歌から高石ともやのもつ
 ユーモアのセンスも光っています。改めてご冥福をお祈り申し上げます。

☆死者たちの無言の叫びか蝉しぐれ 敗戦忌なお戦は止まず
                         ポエット・M
【解説】
 炎暑の中で原爆忌、終戦忌と8月は戦に関わる哀しい記念日が続きます。
 このような日々にも、短い命の日々の絶唱とも言える蝉時雨が響きます。
 蝉しぐれは、夏の到来を告げる生命力あふれる蝉の声ですが、この声が、
 先の大戦で逝った多くの人々の無念の叫び声に重なって感じられます。
 そして、79回目の敗戦忌を迎えてもロシアによる侵略戦争や、ガザの
 殺戮等々未だ理不尽の戦が続いています。そんな日々への想いを詠んで
 見ました。
 なお、上の句は「か」を加えることによって「字余り」となりますが、
 「か」という助詞を用いることで、蝉しぐれが単なる自然の音ではなく、
 死者たちの魂の叫び声と重なり合っているという、想いを表現して
 みました。

     「咲き盛る 夾竹桃 白色」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(52)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
33.「短歌の章」 はん女の舞(2)

   世阿弥作る「松風」を演ずる能舞台     
           須磨の浦わに 僧一人出づ
           
   恋に果てにしおみな うつつに現れて
         まぼろしに舞ひて 消せにけるかも


   須磨の浦 うつせみの世をはかなみて
             僧去りしあとは 松風の音

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】前回に続いて掲載致します。
 fumiel-shimaさんから「水曜サロン」へ頂いたコメントです。

 水曜日の朝、パソコンを開く時に私の心に涼風が流れ、皆さんが詠われる
 日々の事象や小さな物語として語られる様々な思いや想いが、私の瞼に
 浮かぶ画像や光景と共にその涼しい風に乗って拡がって行くような
 気持ちになります。
 それは綺麗な写真や静止画だけではなく、その様々な思いが豊かな感性や
 感情で揺れ動く情景として眼に映るような気持ちになるのです。
 私自身は詠うことはできませんが、皆さんの気持ちに少しでも近づき、
 少しでも理解出来てその思いや想いを共有できれば・・と思うだけで
 その涼風に吹かれる自分を感じることが出来ると心が豊かになったような
 気がするのです。ありがとうございました。

 ポエット・Mの返信コメント

 いつも「水曜サロン」を見守って頂き、心に沁みる温かなコメントを
 お寄せ頂き、ありがとうございます。
 また、的確な歌評と、感想を頂き励みになるとともに、新たな視点を
 示唆され学びにもなります。
 fumiel-shimaさんの紡がれるコメントは、そのまま散文詩となり
 その情景描写や、心象表現の的確さには新鮮な驚きを感じています。
 「涼風に吹かれる自分を感じることが出来る」のは、fumiel-shimaさん
 の鋭敏な感性と、文学的素養故と思います。その、お眼鏡に叶うよう
 私達も表現と感性を磨いて参りたいと思います。
 なお、サロンに集うメンバーはfumiel-shimaさんからアドバイスや、
 エールを頂き、感謝するとともに、励みにしていると感じます。
 これからもよろしくお願い致します。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますのでご容赦願います。詞書は一首200文字以内にまとめて
    頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その145)ネット歌会

2024年08月21日 05時41分27秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その145)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 旧盆につき8月14日(水)のサロンをお休みさせて頂きました。
 ☆☆☆  皆様のご協力に感謝申し上げます。
 ☆☆☆  8月21日(水)から通常通りの掲載と致します。
 ☆☆☆  本件、関係各位と相談させて頂きました。ありがとうございました。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「咲き盛る 百日紅」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆車乗り熱気でエアコン付けるとも熱風を浴び悲鳴をあげる
                         西BOOさん
★快適な車より一歩踏み出せば 街はのたうち熱風襲う 
                         夕庵さん
★怖ろしい異常気象の今夏なり 来年もはや予測不可能
                         西BOOさん
★襲いきしまたも大地震(おおない)日向灘 南海トラフト予想の不安
                         夕庵さん
★政府より注意予報が出されるも トラフ圏外 神奈川揺れる
                         西BOOさん
★もう一度防災グッズを点検す 「ペットがいます」の札も忘れず 
                         夕庵さん

☆朝一番の風はそよりと身に触れて今日の始まりシューズも軽し
                         夕庵さん
【詞書】コロナ禍でジムが休みになった頃、2.3か月、毎日ランニング
  してました。楽しかったなと懐かしく思い出します。
★靴ひもをきりりと締めて ランニング 万緑に息弾ませながら
                         みっちっちさん
★ウオーキング坂道多き我が町は付加価値なりと息も弾みて
                         夕庵さん
★坂の家(や)に見る遠花火 ぱつと散り 刹那の闇に遅れくる音
                         みっちっちさん
★漆黒の夜空に咲きし遠花火 胸に残りし 闇裂く音は
                         夕庵さん
★闇を裂く最終列車のベルの音 涙の横顔 今もまなこに
                         みっちっちさん
★会う友はいかな苦悩を持ちいるや 尖りし顎の寒き横顔
                         夕庵さん
★舵のなき船のごときの苦悩とふ 赤き日没 ムンク叫びぬ
                         みっちっちさん
「参考歌」
◎死に近き母に添い寝のしんしんと遠田のかはづ天にきこゆる 斎藤茂吉
★故郷の山に分け入り母の死を受け止めむとす茂吉の「赤光」
                         夕庵さん
★故郷の山なだらかに眺めども 人の命のはかなきものを
                         みっちっちさん
★生きるのも強運なのか不穏な世 いよよ難しや高齢者には
                         夕庵さん
★のんびりと生きたきやうに生くるのみ 楽観者とぞ呼ばるる我よ
                         みっちっちさん
★山河と過ぎこし日々を懐かしむ いま穏やかに愛しこの身は
                         夕庵さん
★父母のおかげぞ この身 健やかに あるは感謝の先祖の供養
                         みっちっちさん
★信じよう あなたは光 星になり 大空を舞う千の風とう
                         夕庵さん
★あの星に 父母おはす 万緑を渡る風にもしみじみ嬉し
                         みっちっちさん
★早朝の忍びの風にひと心地 極楽風はマンション10階 
                         夕庵さん

☆薔薇色の口紅しかと サングラス 無敵の気分で街を闊歩す
                         みっちっちさん
★サングラス取らねば解ってもらえぬか 薄いヴェールで覆われし街
                         夕庵さん
★ヴェールめく夕闇に肩 触れたるは 昔どこぞで逢ひし人かや
                         みっちっちさん
★夕闇にほんのり開く夕顔は 花の白さに想いを残し
                         夕庵さん
★夕闇に色をあざやぐ合歓の花 雨の雫に甘き香ほのと
                         みっちっちさん

☆あの星に 父母おはす 万緑を渡る風にもしみじみ嬉し
                         みっちっちさん
★亡き人も今宵帰らむ送り火に いづくの星や道案内(あない)せよ
                         夕庵さん
★送り火を揺らしつ帰る父母よ あの輝ける星におはすや
                         みっちっちさん
★送り火の炎は高く揺らめきて 名残惜しむや灰と残れり
                         夕庵さん
★送り火の煙は高く 天空の いづこへ父と母連れ昇る
                         みっちっちさん
★精霊を送る五山の送り火を 心のなかにしかと灯しぬ  
                         夕庵さん
★大の火を四条の橋に見し夜よ 君の肩へと熱き頬寄せ
                         みっちっちさん
★大文字 妙法 船形 鳥居形 炎は照らす冥土への道 
                         夕庵さん
★冥土への道は果てなく 紺碧の 空のいづこへ父母おはす
                         みっちっちさん
★魂はいずこを浮遊しているや 問えば悩みて励ましくるる 
                         夕庵さん
★千の風吹けばそこにぞ たましひの 優しき声がほら耳元に
                         みっちっちさん
★真実の優しさを知るときもあり 言葉の裏にこそ隠されて
                         夕庵さん

     「デュランタに憩うアゲハ蝶」

☆咲きてなお哀しみ秘める月下美人 一夜のいのち悟りしゆえか
                         ポエット・M
★宿命の月下美人の一途さに 時間(とき)を惜しみて花に寄り添う
                         夕庵さん
★月影をまといて咲くや月下美人 星と月とに添いとげるがに
                         ポエット・M
★今宵こそたった一夜の逢瀬とて 月下美人の開く満月
                         夕庵さん
【詞書】月下美人に寄せて、月光の下での物語を紡いでみました。
★望月の一夜逢瀬の哀しさよ 月下美人の花のみ知るや
                         ポエット・M
【詞書】花言葉は「たった一度だけ逢いたい」だそうです。
★人目をも忍びて逢えるよろこびに 月の出るのを身をよじり待つ
                         夕庵さん
★逢える日を指折り数え待つ宵に 匂い切なや月下美人の香
                         ポエット・M
★豊潤な匂いに満ちて月下美人 たゆたう刻のはや朝ぼらけ
                         夕庵さん
【詞書】「物語 その2」を紡いでみました。
★後朝(きぬぎぬ)の香り哀しや月下美人 一夜の夢も霧にまぎるる
                         ポエット・M
★有明の月は幻 白衣(しらぎぬ)を しずかにたたむ月下美人は 
                         夕庵さん
★白衣(しらぎぬ)に 香る余韻も秘めいるや 月下美人の花ふさ揺れて
                         ポエット・M
★酔いしれて夢か現(うつつ)の月下美人 残り香あわれ 明けの三日月
                         夕庵さん
★酔いしれて夢に遊ぶや花の精 月下美人は 香のみを残し
                         ポエット・M
★ふたたびの逢いを夢見る月下美人 心足らいて眠りの深し
                         夕庵さん
★甘き香に包まれながら夢に見る 君はほほ笑み 月影に舞う
                         ポエット・M
★舞姫は白きベールをひるがえし 甘き香零す 月は冴え冴え
                         夕庵さん
★舞姫の忘れしベールの残り香に 疼く想いを 月に呟く
                         ポエット・M
★シャンプーの香りを残す童女にも 女 確かに息づきてをり
                         夕庵さん
★蝉しぐれ 祭りばやしに童うた 今もまぶたに ふる里の夏
                         ポエット・M
★浴衣着て下駄をならして夏祭り 金魚すくいのポイの憎らし
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き盛る ノウゼンカズラ」

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コメント (27)
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