四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その155)

2024年10月30日 05時12分02秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その155) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「秋薔薇 ビバリー」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 源氏物語巻名歌は「源氏物語に登場する個性豊かな15~20人の女性たち」
 を中心に返歌を楽しみたいと思っています。主に光源氏と女性たちの
 贈答短歌が中心です。今週は源氏物語巻名歌から2首提出しますので
 ご指導よろしくお願いします。
 巻名歌は過去分と重複するところもありますが、返歌自体は新規で
 作成しています。私は再度研究しますので、返歌のみのご指導で簡潔に
 願います。
「10.賢木(さかき)」
 六条御息所は源氏への思いを断ち、娘とともに伊勢に向かう決心をした。
 出発間近になって、源氏は野宮に六条御息所を訪ね、ふたりは晩秋の野宮で
 心ゆくまで語り明かした。十月、かねてより病に伏せていた桐壺院が崩御。
 年があらたまり、朧月夜が尚侍として帝に仕えた。朱雀帝は、母、弘徽殿の
 大后の言いなりとなり、源氏は政治的に追いつめられていく。藤壺は桐壺院
 亡き後、東宮の後ろ盾として源氏を頼りにするが、源氏の藤壺への執心は
 ますます強まっていく。思い悩んだ藤壺は、桐壺院の一周忌法要後、髪を
 落とした。失意の源氏だが、朧月夜との関係は続いていた。ふたりは
 ある日、右大臣に逢瀬の現場を目撃される。弘徽殿の大后をはじめとする、
 右大臣家の怒りは凄まじいものだった。
〇暁の 別れはいつも 露けきを こは世に知らぬ 秋の空かな  光源氏
 註)あなたとの明け方の別れではいつも涙に濡れたが今朝の別れは今までに
   ないくらい涙に曇る秋の空です
〇おほかたの 秋の別れも 悲しきに 鳴く音な添えそ 野辺の松虫」
                               六条御息所
 註)ただでさえ秋の別れは悲しいものなのにさらに鳴いて悲しませないで
   野辺の松虫よ 
(返歌)
☆光源氏 冷たい態度 取ったこと 後悔するも 別れを選ぶ
☆年下の 恋に溺れる 六条は 嫉妬に苦しみ 生霊となるも 
                         浅間山明鏡止水
【解説】
 源氏物語で、六条御息所は、当代一の文化人として貴族社会に知られている
 存在と描かれています。高貴でしかも美しく教養があり、しかも執念深さも
 もっている女性。この方と光源氏は結ばれ、その後の物の怪の出現等哀しい
 展開へと繋がっていきます。その中で、愛の儚さ、そして人間の業と運命
 といった
普遍的なテーマが繊細に描かれています。
 これらの背景を踏まえ、作者の返歌を鑑賞したいと思います。
 妻である葵の上の死に六条御息所の生霊が関わっていたことから、光源氏は
 六条御息所への愛情が急速に冷め、別れとなりました。作者はこの経緯へ
 想いを馳せ、六条御息所の哀しみに寄り添い、さらに、光源氏の後悔を
 二首の返歌で表現しています。
 それぞれの返歌を別の視点から詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★暁の別れを越える哀しみを 更にかさねて濡れる涙よ
 ★この命かけて慕いし君ゆえに 冷たきしうちに魂も乱れる

【詞書】「朝寒」(あささむ)は晩秋の季語です。まず朝の寒さに
  気づくのですね、「寒き朝」は冬の季語になります。
  朝寒で三首、出詠いたします。
☆朝寒の卓に紅茶の湯気細く 絹のごとくに立ち上ぼりゆく
☆石窯の火色の妣(はは)のセーターを箪笥より出す 窓は朝寒
☆朝寒の透き通るごと静寂(しじま)なる狭庭に鳥の集まれる声
                         みっちっちさん
【解説】
 今回も、俳句の季語「朝寒」を用いて晩秋の情景を、味わい深く三首の
 歌に詠んで頂きました。なお、短歌では季語を必須とはしていませんが
 短歌と季語のコラボレーションは意欲的な挑戦として是としたいと
 思っています。
 三首目に触れたいと思います。晩秋の朝、空気中の塵埃を沈ませ、
 庭を澄み切った静けさが包みます。「透き通るごと」という言葉が、
 この静けさと澄明さの度合いを際立たせています。
 また、下の句の「鳥の集まれる声」が、この静寂の中に鳥のさえずりが
 響き渡り、この対比が冬の朝の静寂をより際立たせるとともに、
 生命の息吹さえもを感じさせます。
 この歌は、短い言葉の中に晩秋の朝の爽やかな情景と、そこに生きる
 生命の息吹が凝縮し表現されて印象深い歌になっています。
 一首目の「絹のごとくに」の比喩も素敵です。

【詞書】大谷翔平選手を詠ませて頂きました。
☆ナ・リーグの優勝祝し乾杯す 次は翔平ワールド・チャンプ
【詞書】衆議院選挙を詠ませて頂きました。
☆衆議院選挙の期日前投票 裏・裏・裏にて野党へ一票
【詞書】霜降に入ったことを詠ませて頂きました。
☆霜降といえど夏日が続きける 「時」の歯車戻してくれよ
                         西BOOさん
【解説】
 今回も「ワールド・チャンプ」「衆議院選挙」「霜降」と、追加分も含めて
 新鮮な
テーマで三首詠んで頂きました。
 一首目、今まさにワールド・チャンピオンに向けて対戦し、3勝しましたが,
 大谷選手の怪我が心配ですね。肩の亜脱臼との診断ですが、怪我にも関わらず
 
戦線復帰しました。大事に至らないことを願うばかりです。
 二首目、今回は政権党の「裏・裏・裏」が明らかになり、政権への失望と
 怒りが増大し、与党の過半数割れという厳しい国民の審判が下されましたね。
 これは、作者の詠まれたように判断された方が多かったからと考えます。
 疑義の
根幹を明らかにし、是正し解消することなく、約束すら反故にする
 誠実さに欠ける姿勢が
随所に目立った結果と考えます。

 三首目、暦の上で「霜降」となるものの、霜ではなく夏日が続くという
 まさに、「時」の歯車の回転の異常さが目立ちますね。CO2排出の削減等
 原点に還っての、取り組みが喫緊の課題となりつつあると考えます。
 世情の問題点に切り込む、鋭い視点に今回も学ばせて頂きました。


     「風に揺れる コスモス」

【詞書】コスモスの便りを聞くとすぐに行きたい衝動に駆られます。
  今年こそいい写真をと思うのですが、上手く撮れませんでした。
☆コスモスは揺れやまず咲き石仏の 変わらぬ笑みに安らぎ覚ゆ
☆コスモスの花びらキューブに閉じ込めて 階(きざはし)飾る花の寺なり
【詞書】亡くなった友人の庭に今年も好きだったノボタンがひっそりと
  咲いていました。 
☆ノボタンはあなたの居ない庭に咲く 雨には傘を差し掛けましょう
                         夕庵さん
【解説】
 秋風に揺れるコスモスは、それだけで絵になりますが、その花とノボタン
 をテーマに三首詠んで頂きました。
 一首目の歌について触れたいと思います。上の句では、コスモスが風に
 揺られながらも咲き続け、生命力にあふれ、常に変化している様子が
 巧みに表現されています。
 一方、下の句では、石仏が時の流れに動ずることもなく、静かに微笑み
 続け、永遠不変の様子が象徴的に詠まれています。
 総じて、コスモスのもつ生命力と爽やかさ、さらに石仏の笑みと永遠不変の
 静けさ。この対比の中で、作者は深い安らぎを感じていることが情趣豊かに
 詠われています。癒しと共感を誘う余情に満ちた歌と感じます。
 三首目の歌、かつて友人と共に眺めたノボタン。今は亡きその友の庭に
 ヒッソリと咲く濃い紫のノボタン。「雨には傘を差し掛けましょう」の
 下の句に、友人と、ノボタンへの作者の想いが溢れ涙をも誘います。

【詞書】10月23日(水)付 朝日新聞朝刊社会面の写真を見て。
  22日に甲子園球場での秋季練習が始まったという記事の写真でしたが、
  コーチと選手の間でにこやかな表情の阪神タイガース新監督、
  藤川球児氏を見て、監督が若くなり、雰囲気も明るくなったかな?
  という感じがしました。ついこの間まで現役だった藤川監督ですから、
  溌剌とチームを引っ張ってくれることでしょう。残念ながら
  “アレンパ”は逃し、セ・リーグ2位で臨んだクライマックス
  シリーズも敗退してしまいましたが、優勝を狙える位置に居るのが
  常になっている昨今のタイガースを維持し、なお上を目指していく
  シーズンでありますように…。監督、ほんま頼んまっせ!!!🐯
☆そのまんま ピッチャーマウンドに上がりそう
             「“球児監督”阪神頼むで!!」
【詞書】10月26日(土)新聞の朝刊の記事より。
  漫画家のちばてつやさん(「あしたのジョー」原作:高森朝雄氏や、
  「ハリスの旋風(かぜ)」「のたり松太郎」、テレビアニメ「あかねちゃん」の
  原作、「みそっかす」など)が、漫画家では初となる文化勲章を受章された
  そうです。(紫綬褒章は現在までに30名ほど受章しています。ちばさん
  自身も2002年に受章。2014年には文化功労者になられているんだとか)
  ちばさんのコメントの「~現在に至る全ての漫画家が、子供の読み物と
  思われていた漫画を『文化』と認識してもらえるまでに育て上げて
  きました」「今回は、その全ての漫画家たちの創作活動に対しての評価を
  いただけたのだと、とても嬉しく誇らしく思います」…長々と引用
  しまして済みません。確かに、連綿と続いてきた日本における漫画の
  歴史は、長らく「子供の読むもの」だったかと私も思います。が、近年は
  漫画も様々なジャンルが生まれ、高い評価を受ける作品も多々あり、
  海外の方々も日本の(COMICでもCARTOONでもない)“MANGA”の熱心な
  読者になっています。そしてつい最近「漫画は“日本の文化”だ!」と
  誇れるようになったのかなと思います。その歴史のただ中にあった
  漫画家さん方、携わった方々の代表として、そして個人の長年の作品を
  創って来られた努力に報いる形としての受章であろうと思いますし、
  本当に喜ばしいことです。ちば先生の原点は、戦後、中国から出国する
  途中に、お父さんの知り合いだった中国の方が匿ってくれた先で
  弟さん達(亡くなられたちばあきお先生は「キャプテン」などの人気
  作品がある漫画家さんですし、もう一人の弟さんも「4P田中くん」と
  いう野球漫画の原作者で漫画に関わる仕事をなさっているそうです)を
  楽しませようとして、絵本を描いたことだと聞いたことがあります。
  平和な中で好きな漫画を描けることは何物にも代え難い事だと思い
  ます。戦中戦後の体験がある漫画家さんも年々少なくなってくる中、
  そういった体験を漫画で伝えて下さるのは有難いことだという思いは
  あります。そういう功績も含めての受章なんじゃないかな…と。
  ともあれ、受章おめでとうございます!
☆漫画界 あしたはどっちも明るいか
           ちばさん文化勲章受章で
【詞書】…実はリアルタイムで見ていません。💦
  姉の所に行ってて(姉は裏番組の「やすとものどこいこ!?」という番組を
  いつも見てるんで…)、CMの隙にちらっとチャンネルを変えてパドック
  だけは少し見られたんですが、レースはダメでした。😭後から母に
  「武さん勝ったらしいよ」と聞いたので、是非とも見たい!(文字を
  大きくしたいぐらいです)と思い、スマホの動画で見ました。何と凄い!
  何て鮮やかな勝ち方や!!4コーナーを曲がるまで後ろから数える方が
  早い位置に居たのに、直線で何や何や何や!?って感じに、ぶわあ~っ!!と
  上がってきて、あれよあれよと1着入線!何じゃこりゃー?!さすが武さん!
  さすがダービー馬(’22年)!あんなに鮮やかな勝ち方久しぶりに見ました。
  いや~、良いもの見せていただきました。武騎手は秋天7勝タイだ
  そうです。やっぱ凄いわ。因みに2着はタスティエーラ。’23年の
  ダービー馬(スキルヴィングがゴール後に斃れたレース…😢)です。
  余談ですが5、6、7着に、お父さん、長男、三男の順で横山ファミリーが
  入っていたことが、ちょっと面白かったです。(本人達や陣営は悔しい
  でしょうが…)いやあ、ドウデュースと武騎手の爽快なレース、元気を
  もらいました!武さん、ドウデュース、陣営の皆様、おめでとうございます!
☆ドウデュース・武騎手コンビが鮮やかに
         直線一気で「秋天」制す
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回も、「“球児監督”」「ちばさん文化勲章受章」「天皇賞(秋)」という
 ホットなテーマを、作者の独自の切り口で、三首詠んで頂きました。
 一首目の歌、新監督藤川球児氏の下で、再び“アレンパ”を目指す球団への
 エールの篭もった渾身の一首と感じます。現役そのままの監督への、期待が
 溢れた歌とも感じます。フアンとはいいものと、しみじみ感じます。
 二首目の歌、ちばてつやさんの文化勲章受章は、ちばさんも言われる通り
 「全ての漫画家たちの創作活動に対しての評価をいただけた」ものと
 考えます。作者も言われるように「海外の方々も日本の“MANGA”の熱心な
 読者」になり、「日本の文化」として誇れる存在になったことも事実と
 考えます。詠われているように「あしたはどっちも明るいか」に、作者の
 熱い想いの籠った良い歌と思います。弟のちばあきお氏の「キャプテン」は
 私も子供たちと共に何度も読み返しました。野球の「心」が溢れていたと
 思って
います。懐かしい“MANGA”でもあります。
 三首目の歌、ドウデュース、武騎手コンビによる、天皇賞(秋)を制覇した
 走りはまさに「芸術的」ですらありましたね。ドウデュースの脚力を信じ
 最初は抑え気味に奔り体力を温存しつつ、第四コーナーを曲がり、最後の
 直線で一気に勝負をかけるのは、並みの騎士には出来ない芸当ですね。
 そんなワクワク感が詠みこまれた、臨場感すら感じる歌と感じます。
 「直線一気で」の表現が生きています。競馬フアンでなくとも感じます。

【詞書】YouTube短歌:都会の孤独 古風なメヌエット 
  ラヴェルピアノ曲を聴いて
☆点滅する信号機
 騒音の中の孤独

   私はどこへ
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 古風なメヌエット(Menuet Antique)は、モーリス・ラヴェルの最初の
 出版作品であるピアノ独奏曲。1895年の作品。当時作曲者はまだ20歳で
 あったそうです。
 どこが、アンティークなのか?とは思うが、ラヴェルらしい意味不明と
 言う難曲。当然出来た短歌も意味不明です😓
 下記に、ラヴェルの曲を貼付しておりますので、御覧戴ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/277522afb94fd9f56754edcee89f915d
                         自閑さん
【解説】
 YouTubeは「鈴木萌子ピアノリサイタル(2021年3月13日)」の曲を視聴
 させて頂きました。
 作者の説明にもありますが「古風なメヌエット」は、若きラヴェルの
 才能と、彼独自の音楽観が凝縮された作品とのことですね。視聴させて
 頂いた限りでは、クラシック音楽でありながら、十分現代的な曲との印象
 でした。メヌエットとは、18世紀の宮廷舞曲の形式を踏襲しているとの
 ことです。クラシック音楽には詳しくない私の感想ですので必ずしも

 的を射てないことを承知して申しますと、この曲は豊かな和声や、形式を
 超えた斬新なリズム感が散りばめられている優美な曲と感じました。
 特に、密集した和音による導入部と、短2度(半音)による不協和音は
 印象的な響きとなって伝わってきました。
 これらの曲を踏まえて作者の作品を鑑賞させて頂くと「騒音の中の孤独」
 が象徴的な句として印象に残ります。これは喧騒渦巻く現代の状況に
 おかれた私達の、大方が感じる想いでもあると感じます。その中で自らの
 居場所を確認し、「どこへ」向かうのかも不明な状況は同様であろうと
 思ってしまいます。しかし、混沌とした状況の中で「私はどこへ」と、
 真摯に進むべき方向を模索する、そんな前向きな姿勢を感じさせる歌と
 解釈させて
頂きました。

☆振り向けば相模の灘の夕凪よ 落暉を映し燃え立つがごと
                         ポエット・M
【解説】
 三浦半島に「湘南国際村」という小高い丘があります。そこから逗子湾や
 相模湾の眺望がよく、ドライブついでに時々立ち寄ることがあります。
 10月下旬にはようやく秋らしい気候となり、海の眺望も良く景観もスッキリと
 見え始めました。訪れた時は、ちょうど夕凪時で落日を映した海面が、燃え
 立つように赤く染まり始めました。
 静止画のように静まる夕凪の海が、落日を映して燃えたつように変化する様を
 詠んでみましたが・・・、少し高揚感に欠ける歌となりました。

 
     「秋薔薇 チャールストン」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(61)

 「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
 短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
 その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。

42.「短歌の章」 香港中文大学(1)

   冬に入り風冷ゆるなり 双思樹の
         花もそこばく今朝は散り敷く  ※

   冬の間を籠るとすらむ山ほどの 
         陽だまり暖かく群れ飛ぶ胡蝶

   九龍の山ふところのひなたなか
          冬を籠ると蝶美くしき

   注) そこばく:たくさん。数量の多いさま。

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 チョウキチさんのコメント
 〇はかりなき千尋の底の海松(みる)ぶさの 生ひゆくすゑは我のみぞ見む 光源氏
 〇千尋とも いかでか知らむ 定めなく 満ち干る潮の のどけからぬに  紫の上
  ある時は自分自身の願望、ある時は現実、どんな時でも独占欲が強く
  口上手な男性、しっかりと男性を見抜く女性という人生観、紫式部の
  人生観そのもののようです。
  華々しい平安貴族の裏側が空けるような気がします。

 ポエット・Mの返答コメント
  いつも「水曜サロン」を見守って頂き、また示唆に富んだコメントを
  お寄せ頂きありがとうございます。
  おっしゃる通りですね。「源氏物語」は平安貴族の華やかな世界を
  描きながら、その舞台で雅に舞うかに見える女性達の哀しみや、

  苦悩に寄り添いつつ、光源氏を始めとする男性たちの身勝手さや、
  権謀術数を
駆使する様を、冷徹に描き切っていると感じます。
  貫かれている人間観や人生観は作者の紫式部そのものの思想を反映して
  いますし、物語の執筆の過程で、その進化や深まりも感じられます。
  これは作者が、宮廷女房として宮使いしながら様々な経験を積み、
  成長しつつ、
世界観も鍛えられていった結果とも考えます。
 
【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                             了

コメント (14)
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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その155 ネット歌会)

2024年10月30日 04時35分01秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その155 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「秋薔薇 コケットロマンチカ」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆霜降といえど夏日が続きける 「時」の歯車戻してくれよ
                         西BOOさん
★柿の実もたわわに実り大き葉も 「八入の雨」に色濃く染まり 
                         夕庵さん
★待ちに待ち色付いた柿食するも 甘味少なし夏日のせいか
                         西BOOさん
★晩秋の山里に見る柿すだれ 爺は元気で腰に手をあて
                         夕庵さん

☆朝寒の卓に紅茶の湯気細く 絹のごとくに立ち上りゆく
                         みっちっちさん
★日曜はアップルパイを焼きましょう 芳し香りのキリマンジャロと
                         夕庵さん
★日曜の朝はコーヒー君と飲み いざ秋空の植物園へ
                         みっちっちさん

☆石窯の火色の妣(はは)のセーターを箪笥より出す 窓は朝寒
                         みっちっちさん
★石窯の熱々ピッツァをシェアして 馴染みの店に友と寛ぐ
                         夕庵さん
★その庭に石窯ありて友の家 ピザ焼きくれし友はもう亡き
                         みっちっちさん
★丹精に白いセーター編みくれし友も今では泉下の客に
                         夕庵さん
★瑠璃色のセーター似合ひし妣(はは)なりき あざみのドライフラワーを吊る
                         みっちっちさん
★瑠璃色の地球も今や戦火(ひ)を浴びて 色褪せ痩せて廃墟の多し
                         夕庵さん
★瑠璃色の都市をあるけど 廃墟めく 都市計画は未来見据へて
                         みっちっちさん
★「死の海」の汚名返上した魚庭(なにわ)いまや牡蠣の養殖もあり
                         夕庵さん
★養殖の牡蠣のうまさよ 紺碧の 播州灘の浜食堂に 
                         みっちっちさん
★播州の手延べ素麺これしかり 季節を問わず備蓄品なり 
                         夕庵さん

     「咲き競う コスモス」

☆秋の海 虚空映して藍深く 世情無縁と凪いで静もる 
                         ポエット・M
★秋の海 凪ぐも牙むく恐ろしさ 大漁旗を涙で降ろす 
                         夕庵さん
★大漁旗 掲げて海へ繰り出せば 波間に見ゆる富士に冠雪 
                         ポエット・M
★近江の海 はるか見上げる比良山に 初冠雪のニュース流れる
                         夕庵さん
★比良山の初冠雪を仰ぎ見る 近江の海にも夕映えのして 
                         ポエット・M
★大空と淡海を朱色に染めあげて 夕日は比良の山の端に入る  
                         夕庵さん
★山の端を朱く染めゆく落日に 淡海のみなも さらに燃えたつ 
                         ポエット・M
★夕暮れの湖(うみ)に水脈ひく水鳥の まろき体も黒く陰りぬ 
                         夕庵さん
★水脈ひきて ねぐら目指すか水鳥の 羽根も染めいる湖(うみ)の夕映え 
                         ポエット・M
★風立ちて ひとり葦原刈る人の 背に冠雪の比良の山脈   
                         夕庵さん
★湖(うみ)見つめ一人たたずむ君の背に 比良の山脈 いま暮れかかる
                         ポエット・M
★潜水の得意な番のカイツブリ 湖(うみ)に小さな波を立たせて 
                         夕庵さん
★カイツブリ 湖(うみ)にさざ波 立ているも 静もるみなも 夕もや包む
                         ポエット・M
★ひこにゃんとホテルの庭で握手して 旅の終わりは湖(うみ)と眠らむ 
                         夕庵さん
★満ち足るも 旅の終わりの寂しさに 湖(うみ)のみなもに小石をほうる
                         ポエット・M
★投げられた小石は波紋を描きゆき 消えゆくまでを心遊ばす 
                         夕庵さん
★遠き日に水に字を書き遊びたる 君は書家とし 王義之しるす 
                         ポエット・M
★遠き日に子と机(き)を並べ墨を擦る 硯は亡父の端渓硯 
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「秋薔薇 シャルルドゴール」

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コメント (16)
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