四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その153)

2024年10月16日 05時11分08秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その153) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「秋薔薇 楽園」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 源氏物語巻名歌は「源氏物語に登場する個性豊かな15~20人の女性たち」
 を中心に返歌を楽しみたいと思っています。主に光源氏と女性たちの
 贈答短歌が中心です。今週は源氏物語巻名歌から2首提出しますので
 ご指導よろしくお願いします。
 巻名歌は過去分と重複するところもありますが、返歌自体は新規で
 作成しています。私は再度研究しますので、返歌のみのご指導で簡潔に
 願います。
「8.花宴(はなのえん)」
 源氏二十歳の春、南殿で桜の宴が催された。源氏は帝に所望され、詩や舞を
 披露し賞賛される。そんな源氏に対して、弘徽殿の女御は憎しみを募らせる。
 宴が終わり、酔い心地で源氏が弘徽殿に忍び込むと、「朧月夜に似るものは
 なき」と口ずさみながら来る女(朧月夜)がいた。源氏が袖をとらえると
 女は最初おびえるが、源氏と知って心を許す。翌朝ふたりは名前も交わさぬ
 まま扇だけを取り交わして別れた。その後、源氏は女が政敵である右大臣の娘、
 弘徽殿の女御の妹と知り、再会の困難を思う。朧月夜は東宮に輿入れする
 予定だったが、源氏との逢瀬に思いふけていた。そんな折、右大臣家の宴に
 招かれた源氏は酔いすぎた風を装い、姫君たちの居室に向かった。当て
 推量で先日の扇の持ち主を問いかけると、返した声はまさにその人自身の
 ものであった。
〇梓弓 いるさの山に 惑ふかな ほの見し月の 影や見ゆると  光源氏
註)梓弓を射るという、その「いる」ではなく、いるさの山に私は迷い込んで
  しまったことです。あの夜かすかに見た有明の月の姿が見えるかと思って
  なぜでしょうか 
〇心いる 方ならませば 弓張の 月なき空に 迷はましやは   朧月夜
註)もし本当に心惹かれている方なら、弓張り月のない闇夜の空でも迷ったり
  するはずはありません
(返歌)
☆弓の集い扇片手に酔ったふり ほのかに逢った人探し当て
☆弘徽殿の月夜に聞いた同じ声 源氏の心動悸止まらず
                         浅間山明鏡止水
【解説】
 王朝の雅を、いかんなく表現した「花宴」の巻。このヒロインは、作者の
 説明にもありますように「朧月夜」で、朱雀天皇の婚約者でもありました。
 光源氏とはロミオとジュリエットの関係ながら愛し合う中となり、やがて、
 光源氏の須磨流謫への引き金にもなっていきます。
 この二人が歌のやり取りをした場面では、光源氏のみならず、朧月夜も
 かなりお酒に酔っていたと描かれています。源氏物語は、このシーンにより、
 奔放でコケティッシュな朧月夜の危険な魅力を最大限に表現されていたと
 考えます。こんな背景も踏まえて作者の返歌を鑑賞させて頂きました。
 二首とも、光源氏の立場からの冷静な詠歌になっていますが、二首目は
 月夜の下で聞いた忘れ得ぬ声の主を前に、高鳴る胸のときめきを詠った
 想いの滲む良い歌と思います。さらに光源氏になり切って詠ってみましたが
 いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★おぼろ夜に 契りて扇交わあい 秘むるに難き君のおもかげ

【詞書】秋の風景、
  秋の雲、秋の風、稲雀で三首詠みました。
☆秋の雲ふはり夢とも現(うつつ)とも いつしかゆらりロッキングチェア
☆馴染みなる書肆(しょし)の閉店 秋風に貼り紙揺れて 暮れゆく家路
☆遥かなる千枚田へと 稲雀 夕日の光撒き散らすごと
                         みっちっちさん
【解説】
 深まり行く秋を「雲」「風」「稲雀」に焦点を当て、情趣豊かに三首
 詠んで頂きました。
 特に、三首目の歌は、視覚的な美しさと想いの深さを兼ね備えています。
 広がる千枚田の風景と、そこに飛び交う
稲雀の姿を夕陽が美しく照らし
 出す様子を描いています。

 「夕日の光撒き散らすごと」の下の句は、 稲雀によって夕日の光が
 まるで撒き散らされるように広がる情景が、巧みに表現されており、
 視覚的な
イメージが鮮明に浮かびます。
 総じて、自然の美しさと、夕陽が煌めくその瞬間の儚さが表現され
 作者の
感受性の豊かさも伝わってきます。
 一首目の歌、「雲ふはり」が「ロッキングチェア」に帰結していく詠い
 ぶりが
いいですね。

【詞書】赤い羽根募金で詠ませて頂きました。
☆回覧板開くと中に赤い羽根 僅かながらも一つを胸に
【詞書】秋ナスを詠ませて頂きました。
☆秋ナスをご近所さんよりおすそわけ オリーブオイルでサッと炒める
                         西BOOさん
【解説】
 一首目の歌、10月1日から「赤い羽根共同募金運動」が始まりましたが、
 この「運動」は今年で78回目を迎えているとのことです。
 私達の自治会でも少なからぬ議論がありましたが、担当役員を中心に
 例年通り各家庭へ募金のお願いに回っています。周辺の町内会等から、
 作者のように温かな想いと共に協力して頂ける方は、年々少なく
 なっているとの声も聞こえてきます。歌から「赤い羽根」を胸に挿し、
 さっそうと歩く作者の姿が浮かんできます。「一つを胸に」の表現が
 効いていていいですね。
 二首目の歌、おすそ分けで頂いた秋ナスを「サッと炒める」作者の
 姿に微笑ましさを感じます。写真がプロ級なのは理解していましたが、
 お料理も中々なものと感じます。私は、大量に油を吸ってしまうナス
 料理は苦手な料理の一つです。

     「未だ咲く 彼岸花」

【詞書】彼岸花三首です。
☆地を這いて雑草を引く媼見ゆ 畦に秋告ぐ彼岸花さく
☆恩讐の彼方に咲くや彼岸花 哀れ色褪せ地に伏せてをり
☆厭われし曼珠沙華とてわが町に 朱の焔たち賑やかなりし
                         夕庵さん
【解説】
 彼岸花にまつわる「物語」も含めて三首詠んで頂きました。
 三首目の歌に触れたいと思います。この歌は、曼珠沙華を題材に、
 作者の「わが町」への愛着と、その中に咲く曼珠沙華に対する
 複雑な想いが表現されていると感じます。この花は、彼岸花とも
 呼ばれ、その妖艶な美しさから、不吉な花と捉えられることも
 あります。しかし、作者はあえて「厭われし」という言葉を用いる
 ことで、曼珠沙華に対する「負のイメージ」も意識していることを
 示しています。
 曼珠沙華は、負のイメージを持つ一方で、作者にとっては「わが町」
 の「賑やかな」風景の一部であり、愛着を感じる対象でもあることを
 強調しています。この相反する感情を詠むことで歌の深みが増して
 いると感じます。
 なお、曼珠沙華の別名・地方名・方言は数百から1000種以上あると
 言われています。前回のサロンでも触れましたが「相思花」との
 ちっびり素敵な名称もあります。

☆ハナミズキ
   赤き蕾に 光さし
  頬に優しい
     風心地よし
☆まだ緑
  モミジの葉にも
    紅にじむ
  クロのつま先
    絡む枯れ葉よ
                         クロママさん
【解説】
 花水木と、紅の滲むもみじを対象に、季節の移ろいを色濃く感じさせる
 二首の歌を詠んで頂きました。
 一首目の「赤き蕾に」の「蕾」は今の季節ですので、たぶん花水木の
 「実」だと思います。
 今の季節、その実は他の木々に先駆けて葉と共に赤く染まり素敵な
 景観を見せています。そんな内容も踏まえて少し手直しも含めて、
 詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】 
 ★先駆けてもみじに染まる花水木
         葉も実もともに 夕陽に燃えて
 二首目の歌、未だ緑の葉を残すもみじですが、微かに紅を滲ませて
 いる繊細な景観を味わい深く詠まれています。そんな季節にも
 枯れ葉は散り愛犬クロちゃんのつま先に絡み付いてくる。その仕草すら
 可愛らしいと見つめる作者の、ほのぼのとした姿が歌から浮かんできます。


     「未だ咲く コスモス」

【詞書】連休挟んだしなあ…。初七日済むまでバタバタでしたし、
  疲れてもいたし…。でも、頑張ってクリアせんとあきませんね…。
☆父の死後 手続きの嵐の中に居て
       14日以内が多くてしんどい…
                         ちがやねこさん
【解説】
 お父様のご冥福を静かに祈るいとまさえない、手続等怒涛の日々にある
 作者に、想いだけでも寄り添いたいと思います。
 今の作者の想いが、そのまま表現された「手続きの嵐の中に居て」と
 「しんどい…」状態を受止めつつ、なお、「お心を強く」と祈らずには
 いられません。全ての手続きが終わったら思い切り、ご自分の想いを
 解放されたらと思います。何もお手伝い出来ない私達ですが、作者の
 大変さには寄り添いたいと思います。合掌。

【詞書】YouTube短歌:十三夜と彗星三首 冨田勲 ドビッシー 
  月の光(タモリ倶楽部付)
☆十三夜は静かすぎる
   誰も観てないのだろうか?

      ・・・透き通る
☆彗星はその涙のカケラを振り蒔き輝き
               又遠くへ旅 
☆今、私は虚空の何処を旅しているの?
    輝きを増すまで
                         自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 10月15日は、十三夜、後の月。十五夜に比べ、社会の認知度は低いです。
 あまりに低いので、昔、京都の神泉と言う所へ行って月を眺めました。
 もちろん誰も居なかった。
 YouTubeを見ていたら、タモリ倶楽部に、冨田勲氏と松武秀樹氏が出演し、
 初期のシンセサイザー「MOOGⅢーC」、別名「箪笥」を演奏する様子が
 出ていました。アナログ・シンセサイザーらしく、毎回セッティングが
 同じでも、出る音が違っていたとのこと。
 このシンセサイザーを運ぶと、あちらこちら痛むとの事で、箪笥の
 補強器具を付けたので、愛称として「箪笥」としたそうです。
 当時の最新鋭も、音も、扱いもアナログだった。
 十五日は、彗星も見られるかも?私が彗星を見たのは、約50年前。
 明日以降晴れる日を望んでいます。次、50年後は、墓の中だから。
 今、太陽の活動も活発なので、オーロラが日本でも見られるとか。
 まあ見られる場所も、いつ起こるかも不明なので、映像ニュースで
 見ようと思っています。
 「振り蒔き輝き」と~き~きは、無理筋かな?
 下記URLに、冨田勲氏の月の光と、タモリ倶楽部出演時のYouTubeを
 貼付しているので、御覧下さい。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/4bbf8fc643400cc12aaeb437e38e8895

【解説】
 今、十三夜の月を眺めてきました。十五夜には少し及びませんが神々しい
 までの輝きを夜空に放っていました。なお、残念ながら流星は確認でき
 ませんでした。その後、作者の紹介により「冨田勲 ドビッシー 月の光」
 の
YouTubeを視聴させて頂きました。
 「月の光」の楽曲は、皆さんご存知のようにフランスの印象派の作曲家
 クロード・ドビュッシーが作曲したピアノ曲です。静かで神秘的な旋律が
 特徴で、世界中で愛されている名曲の一つです。
 冨田勲氏は、この「月の光」を自身のアルバム『月の光~ドビュッシーに
 よるメルヘンの世界』で取り上げ、シンセサイザーを用いて独自の解釈を
 加えたことで大きな話題となりました。
 冨田勲氏は、オリジナルのピアノの音色を忠実に再現するのではなく、
 シンセサイザーならではの広がりや深みのある音色を用いて、「月の光」
 の世界を新たな視点から表現し、オリジナルの静謐な雰囲気を残しつつ、
 宇宙的な広がりを感じさせる壮大なスケール感を持った作品に仕上げて
 います。
 この曲と、流星をテーマに、作者には三首の歌を詠んで頂きました。
 一首目の歌は、十三夜の月の認知度の低さを「静かすぎる」と詠い、
 同時に見えると言われる流星を「涙のカケラを振り蒔き輝き」と
 二首目で詠っています。「~き~き」は私は無理筋と思っていませんし、
 宏大な宇宙空間の広がりと、韻律を感じさせてくれます。
 三首目は「十三夜の月」と「流星」の狭間に揺れる自らを「虚空の何処を
 旅しているの」と詠い、居場所を確認していると解釈させて頂きました。
 なお、幾度も楽曲を聴きイメージを形づくる作者の、修行僧にも似た
 営みの結果紡ぎ出された短歌を、衿を正して鑑賞させて頂きました。

☆花と葉の互いを想う曼殊沙華 とき隔てたる さだめも超えて 
                         ポエット・M
【解説】
 曼殊沙華の開花が遅れていることは前回も触れましたが、未だ咲き残り
 紅の蕊を伸ばしています。無駄な装飾を削ぎ落し、すっきりとした蕊を
 空に向け開くこの花の潔さを見事と感じてしまいます。
 この花は、咲いている時期には葉がなく、葉が出ている時期には花が
 ないため「葉は花を想い、花は葉を想う」ことから「相思花」と呼ばれる
 ことを前回も記させて頂きました。

 こんな葉と花の宿命を、少し大げさですが、改めて詠ってみました。

 
     「未だ咲く 曼殊沙華」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(59)

 「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
 短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
 その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。

40.「短歌の章」 ソウルにおける国際会議(1)

   百九ヶ国より学者来りておのもおのも 
         腹ふくるることなきまでに言あぐ

   日本経済の基調報告成し終へて 
         会場を出づればすでに日暮れぬ

   古に栄えし新羅の跡止む
          佛国寺に秋の陽は静かなり

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は割愛させて頂きます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                             了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その153 ネット歌会)

2024年10月16日 04時33分04秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その153 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「薔薇 デンティべス」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆秋ナスをご近所さんよりおすそ分け オリーブオイルでサッと炒める
                         西BOOさん
★秋ナスは遠慮しますと冷え性に 悪さするから怖い腰痛 
                         夕庵さん
★腰痛に身体(からだ)全体悪さする 妻が罹りし繊維筋痛症 
                         西BOOさん
★痛みとは気の萎えること甚だし 寄り添い祈る絶対完治を 
                         夕庵さん

☆回覧板開くと中に赤い羽根 僅かながらも一つを胸に
                         西BOOさん
★隣組とは名ばかりの回覧板 お別れできずに旅立ちし人
                         夕庵さん

☆馴染みなる書肆の閉店 秋風に貼り紙揺れて 暮れゆく家路
                         みっちっちさん
★立ち読みも見て見ぬふりの小父さんの 眼鏡の横顔もう見られない
                         夕庵さん
★立ち読みの後ろから来る足音は 秋去る音ぞ背筋ぞくりと
                         みっちっちさん
★後ろから呼ばれた声で振りむけど 萩の花揺る風 通り過ぐ 
                         夕庵さん
★後ろから呼ぶ君の声掠れしは 息切れるほど我の元へと
                         みっちっちさん

☆秋の雲ふはり夢とも現(うつつ)とも いつしかゆらりロッキングチェア
                         みっちっちさん
★夢でいい ロッキングチェアでふわふわの 子犬を膝にまどろみたいね
                         夕庵さん
★ふはふはの綿菓子君と食べたるは 祭太鼓の響きし夜長
                         みっちっちさん
★テレビ消し秋の夜長に反歌詠む 明日は活字に披露されむや 
                         夕庵さん

     「咲き初める 秋明菊」

☆遙かなる千枚田へと 稲雀 夕日の光撒き散らすごと 
                         みっちっちさん
★能登の海千枚田をも飲み込んで 今日は遙かな白山見ゆる
                         夕庵さん
★能登の海ちさき少女を呑み込みて 家族の元へ返さむと波
                         みっちっちさん
★列島に 母なる海の恩恵も 突然牙むき試練を与う
                         夕庵さん
★悲しきは水害犠牲の少女着し ジャージの名にて身元判明
                         みっちっちさん
★目に刺さる制服の娘(こ)のお下げ髪 父の無念は海より深し
                         夕庵さん
★紺碧の海よ 無垢なるたましひの悲しき果てを慰め給へ
                         みっちっちさん
★秋の陽を受けてたゆたうさざ波も 奪いし命恐れつつ見る
                         夕庵さん

☆暑き秋 蘂燃やすがに曼珠沙華 「相思花」の名を深く思えり
                         ポエット・M
★変わらない想いを告げる曼珠沙華 天界に居る君のもとまで
                         夕庵さん
★極楽の浄土彩る曼珠沙華 その花苑に君も憩うや 
                         ポエット・M
★天上に咲くとう白き曼珠沙華 色褪せるなく護り給えよ
                         夕庵さん
★天上を白く清める曼珠沙華 眺めて吾を偲びくれるや
                         ポエット・M
★曼珠沙華 彼岸と此岸を結ぶやに 朝露のなか両手ひろげて
                         夕庵さん
★朝露を まといてなおも曼珠沙華 天界さして蕊伸ばしいる
                         ポエット・M
★赤き蘂 崩れるほどに恋しくて この命さえ狂おしくなる
                         夕庵さん
★この命かけて悔いなき恋もなく 夕凪に聴く最終楽章
                         ポエット・M
★いま少し命永らえ彼岸花 巡りの季節(とき)に会いたきものよ
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「風に揺れる コスモス」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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