先週に続き、この日もぐるっとパスを持って美術館巡りをした。行き先は4月下旬に訪れた、白金台にある東京都庭園美術館、国立科学博物館附属自然教育園、松岡美術館の3箇所。
東京都庭園美術館では、旧朝香宮家の邸宅だった美術館の建物自体を特別公開していた。この期間は、普段は禁止されている写真撮影が一部の部屋で許可されていたので、写真を取りまくった。
建物は、アール・デコ様式の鉄筋コンクリート造二階建てで、昭和8年(1933)に完成した。設計は、宮内省所管の建築、庭園、土木などを担当した宮内省内匠寮(たくみりょう)工務課が、主な内装は、当時パリで活躍していたアンリ・ラパンが行った。室内空間全体はもちろんのこと、シャンデリアや扉などのデザインも非常にすばらしい。邸内を歩きながら誰よりも邸宅建築に情熱を傾けた朝香宮ご夫妻の思いを強く感じた。建物が戦災から免れ、内装・外装共にほぼオリジナルの状態で今なお残っているのは幸運なことだ。今後も残って欲しいと心から思う。
モダンな外観。玄関側から撮影。
庭園側から見た外観。この写真からは分かりにくいが、一階の列柱や二階ベランダ周りに装飾が施されている。
ルネ・ラリックによる玄関扉のガラス・レリーフ。扉には同じデザインのレリーフが4枚はめ込まれている。繊細な美しさに見とれてしまう。現在、扉は締め切られた状態なので、隣の出入口から出入りをする。
玄関のモザイクの床。
玄関隣の応接室。
大広間。装飾を抑えた重厚な空間で、天井には40の半円形の照明が整然と並ぶ。
大広間のレリーフ。彫刻家イヴァン=レオン・ブランショによるもので戯れる子供達を表現。
大広間と大客室をつなぐ次の間。落ち着いた雰囲気の大広間とは対照的に華やかな空間。中央は「香水塔」と呼ばれるオブジェ。アンリ・ラパンがデザイン、国立セーヴル製陶所が製作、フランス海軍から朝香宮家に寄贈された。名前は、朝香宮家で、客を迎える際に、上部の照明内部に香水を入れ照明の熱で香りを漂わせたことから由来。
次の間の奥にある小客室。ここで重要な客をもてなした。部屋の四方に描かれた壁画はアンリ・ラパンが製作。これまでは非公開だったが、修復工事が完了したので公開された。
壁画。淡い緑色を基調に、森の情景が描かれている。
大客室。次の大食堂とならび邸内で最もアール・デコ的な空間。室内装飾はアール・デコ特有の幾何学的にデザインされた花がモチーフになっている。
ルネ・ラリックによるシャンデリア。
エッチング・ガラスのパネルをはめこんだ扉。
おしゃれな暖房装置。
大食堂。窓側は庭園に向かって半円形に張り出している。
大食堂。暖炉の上の壁画はアンリ・ラパンが製作。壁画には泉とパーゴラ、果物などが描かれている。
ルネ・ラリックのシャンデリア。食堂ということで果物がデザインされている。
暖房カバー。こちらも食堂ということで魚や貝がデザインされている。
ブランショによる大食堂の壁面のレリーフ。
大広間から二階広間に続く階段の手すり。幾何学的花模様があしらわれている。
二階広間。当時の朝香宮邸では、一階はパブリック・スペース、二階はプライベート・スペースと分けられていた。広間には作り付けのソファーがあり、ピアノが置かれ、ご家族がくつろいだ。二階のほとんどの部屋では残念ながら写真撮影禁止だった。
幾何学的花模様があしらわれた二階広間の照明柱。
庭園に面した二階ベランダ。
姫宮寝室前の階段の手すり。
その階段の近くにある照明器具。
3階の「ウインターガーデン」という名の温室として使用されていた部屋。市松模様の床がモダン。
(後編に続く)
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東京都庭園美術館では、旧朝香宮家の邸宅だった美術館の建物自体を特別公開していた。この期間は、普段は禁止されている写真撮影が一部の部屋で許可されていたので、写真を取りまくった。
建物は、アール・デコ様式の鉄筋コンクリート造二階建てで、昭和8年(1933)に完成した。設計は、宮内省所管の建築、庭園、土木などを担当した宮内省内匠寮(たくみりょう)工務課が、主な内装は、当時パリで活躍していたアンリ・ラパンが行った。室内空間全体はもちろんのこと、シャンデリアや扉などのデザインも非常にすばらしい。邸内を歩きながら誰よりも邸宅建築に情熱を傾けた朝香宮ご夫妻の思いを強く感じた。建物が戦災から免れ、内装・外装共にほぼオリジナルの状態で今なお残っているのは幸運なことだ。今後も残って欲しいと心から思う。
モダンな外観。玄関側から撮影。
庭園側から見た外観。この写真からは分かりにくいが、一階の列柱や二階ベランダ周りに装飾が施されている。
ルネ・ラリックによる玄関扉のガラス・レリーフ。扉には同じデザインのレリーフが4枚はめ込まれている。繊細な美しさに見とれてしまう。現在、扉は締め切られた状態なので、隣の出入口から出入りをする。
玄関のモザイクの床。
玄関隣の応接室。
大広間。装飾を抑えた重厚な空間で、天井には40の半円形の照明が整然と並ぶ。
大広間のレリーフ。彫刻家イヴァン=レオン・ブランショによるもので戯れる子供達を表現。
大広間と大客室をつなぐ次の間。落ち着いた雰囲気の大広間とは対照的に華やかな空間。中央は「香水塔」と呼ばれるオブジェ。アンリ・ラパンがデザイン、国立セーヴル製陶所が製作、フランス海軍から朝香宮家に寄贈された。名前は、朝香宮家で、客を迎える際に、上部の照明内部に香水を入れ照明の熱で香りを漂わせたことから由来。
次の間の奥にある小客室。ここで重要な客をもてなした。部屋の四方に描かれた壁画はアンリ・ラパンが製作。これまでは非公開だったが、修復工事が完了したので公開された。
壁画。淡い緑色を基調に、森の情景が描かれている。
大客室。次の大食堂とならび邸内で最もアール・デコ的な空間。室内装飾はアール・デコ特有の幾何学的にデザインされた花がモチーフになっている。
ルネ・ラリックによるシャンデリア。
エッチング・ガラスのパネルをはめこんだ扉。
おしゃれな暖房装置。
大食堂。窓側は庭園に向かって半円形に張り出している。
大食堂。暖炉の上の壁画はアンリ・ラパンが製作。壁画には泉とパーゴラ、果物などが描かれている。
ルネ・ラリックのシャンデリア。食堂ということで果物がデザインされている。
暖房カバー。こちらも食堂ということで魚や貝がデザインされている。
ブランショによる大食堂の壁面のレリーフ。
大広間から二階広間に続く階段の手すり。幾何学的花模様があしらわれている。
二階広間。当時の朝香宮邸では、一階はパブリック・スペース、二階はプライベート・スペースと分けられていた。広間には作り付けのソファーがあり、ピアノが置かれ、ご家族がくつろいだ。二階のほとんどの部屋では残念ながら写真撮影禁止だった。
幾何学的花模様があしらわれた二階広間の照明柱。
庭園に面した二階ベランダ。
姫宮寝室前の階段の手すり。
その階段の近くにある照明器具。
3階の「ウインターガーデン」という名の温室として使用されていた部屋。市松模様の床がモダン。
(後編に続く)
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朝香宮ご夫妻は皇族で庶民とは違いますし、3年間パリに滞在され西洋式生活に慣れてらっしゃいますから問題なかったのでしょう。