朝起きると、樹木葬『おおたかの森庭苑』の金木犀がいい香りです。パチパチ!
まだ世の中が動き出す前の時間に、境内で花の香りをかいでいると、私のような鈍感な人間でも「いのち」の喜びを感じます。
以前、私のテレビ出演の際の発言が元で、
「増〇さんは、お寺の住職だもんね。人がたくさん死んで儲かるから、戦争が起きた方がいいと思っているんでしょう?」
と言われていることを知り、びっくりしたことがあります。
戦争が起きようが平和な世の中だろうが、人は一人につき一回しか死にません。戦争が起きた方がお寺が儲かると思っている人は、平和な世の中だと人が死なないと思っているのでしょうか?
また先日、「お寺から手紙が来ると『早く死ね』と言われているような気がして嫌だ」と言う方にも出会い、驚きました(どのお寺もそんな手紙を送っているつもりは露ほども無いはずです)。
人は一回しか死なないのですから、「すべての人に満足のいく人生を送ってもらいたい」、これは僧侶なら誰もが願うことでしょう。早死にして欲しいなんてどうして思えるのでしょうか。
かように、「死」に対する考えが鈍くなっている昨今です。
自分は死なないと思いたいのは分かりますが、生まれた以上、いつか必ず死にます。
ですから、死に怯えるより、今日や明日を一人の人間としてどう生きるか、それが大切なのは自明だと私は考えています。
生きている間は、他人の悪口を言わず、家族や友人と平和に、季節の花の香りをかいで心穏やかに過ごして欲しい、私のようなクソ坊主でもそんな願いは常に持っています。
そのための仏教であり、そのためのお寺です。
ぜひお近くのお寺の境内で、時の花の香りをかいでお過ごしください。
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