カムイモシリ(神の国)からアイヌモシリ(人の国)にカムイ(クマ神)が来ます。カムイは人に毛皮や肉を与え、人はカムイにケナウ(木幣)やトノト(酒)などの供物を捧げます。イヨマンテ(熊の霊送りの祭り)で多くの土産(供物)を持たせたクマ神の御霊をカムイモシリへ送り返します。
アットゥシ(オヒョウと呼ばれる木)の内皮の繊維で織られたアミプ(着物)です。単に樹皮衣と言ってしまうには惜しいほど手が込んだ織物です。普段着は紋様は付けず、晴れ着に使う場合にアイヌ独特の紋様をつけます。
「北海道 アイヌの家」修復記念特別展を観覧しました。最初の展示は「ヌササン」と呼ばれる祭壇です。カムイや先祖と人間との間を取り持つ神器「イナウ」(神道の御幣にあたる)が並んでいます。紙のように見えるのはヤナギ等の一本棒を手先の器用な男性が一枚一枚削り出したものです。