お泊りの場合足袋がついていますが、館内は基本素足で移動します。その時暖かい畳表の廊下は気持ちよく歩けて気に入っています。よく通る廊下では豊富な源泉がパイピングされていて、足裏に暖かさが伝わってきます。
雪深い山地独特の作りのこの建物はもともとは武田信玄の重臣のものでした。後に奥飛騨の庄屋が引き継ぎ保存されていました。平成17年にこの地に移築して温泉宿の目玉的建物としました。梁と柱がしっかり組み合って強い風にも深い雪にも耐えられる作りになっています。
普通「さるぼぼ」は胴体や手足が赤いものが普通ですが、こちらは白です。その昔、戦に疲れた武田軍の将兵が、そこに現れた白猿に温泉に導かれて英気を取り戻しました。その白猿にあやかり、白い胴体や手足のさるぼぼを平湯温泉の守り主として大事にしているとのことです。
厳しいお山の天気に散々な目にあって来ましたので、温泉につかって疲れを取ります。秋に泊ったたひらゆの森にまたお邪魔しました。飛騨地方でよく見られる猿の赤ちゃんの人形を「さるぼぼ」と言います。玄関の「さるぼぼ」君が「またござらっしゃったな」とのご挨拶です。