ヤークー様をお守りするように二千体の吊るし雛たちが周りを取り囲んでいるのです。由緒ある旅館が自信を持って吊るしている雛は一つ一つしっかり作られていて見ごたえがあります。
今年は蛇年なのでヤークー様は蛇が化身されていて、後ろには尻尾がちゃんとついています。ヤークー様は昨年12月から昼神の温泉宿のすべてで昼神の地をお守りになっています。そして３月の御焚き上げ神事により天にお帰り頂きます。
舞台の中心のヤークー様には見学に来た人たちが自分の体の気になるところ、つまり「厄病」部分を備え付けの紙に書いて貼り付けます。ヤークー様はその厄を喰ってくれるのです。名前の由来がここで判明しました。
紅いジュータンが敷かれた能舞台に上がってみます。舞台の中心に、こちらにもヤークー様が安置されています。床には所狭しとばかりに雛飾りが置かれ、天井からたくさんの雛が吊るされています。
「石苔亭いしだ」の玄関を入ると、真正面に能舞台があり、そこに二千体と言われる吊るしびなが飾られています。泊り客でなくても無料で見ることができ、展示されている能舞台に上がって飾り付けをつぶさに見ることもできます。
