教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

佐藤先生記念

2006年03月18日 23時55分55秒 | Weblog
 今日は佐藤尚子先生退職記念拡大特別研究会でした。
 佐藤尚子先生と私の関係は、学部時代から始まりました。佐藤先生は私の学年のチューターでして、公私問わず相談に親身になっていただきました。学部3年になると広島大学教育学講座では所属する研究室を決めるのですが、私は教育方法学・教育社会学・社会教育学の研究室に行きたいと思っていました。佐藤先生は研究室選択の進路相談の際、私の行きたい研究室を聞いて、まったく聞いていなかったかのように(笑)、「白石君は歴史好きかな?」とおっしゃいました。私は「へ?なんでそんな質問が?」と思いましたが、歴史は好きだったので「はい」と答えました。すると、佐藤先生は「じゃあ日東(日本東洋教育史研究室のこと)に来なさい」と言われました。私はそれに対してなぜか「え?ぇ、はい」と言ってしまいまして、今の研究室とのおつきあいが始まったわけです。実は学部当時、私はほとんど学校へ行っておらず、引きこもり状態にありました。さらに感情的で聞き分けのないところが多分にありました(今でもそんなに変わりませんが…(笑))。佐藤先生の真意はよくわかりませんが、おそらくチューターとして私を心配してくださったのかなあと、思います。何だかひょんなことから始まった日東研究室との縁ですが、今ではいろんな意味でよかったなあと思います。学部三年のときの佐藤先生の強引な(笑)勧誘がなくては、今の自分はありませんでした。
 佐藤先生退職記念拡大特別研究会は、佐藤先生が直接お世話をされたOB・OGを加えて特研(ゼミ)をしようという催しでした。普通、教授の退職記念行事は最終講義という形をとりますが、佐藤先生のたってのご希望によりこういう形になりました。OB・OGたちとは学会等で会うこともありますが、なかなか研究に対する率直な御意見はいただけませんので、われわれ院生にとってもたいへんうれしい機会となりました。発表者は私白石とOB一人、それから佐藤先生の3人でした。私は博士論文の構想を発表させてもらい、有益なご意見をたくさんいただくことができました。研究の歴史的意義の目算が見えにくいことに対するN先生のご指摘や、用語に対する慎重な態度をとらなくてはいけないとするK先生のご指摘は、肝に銘じました。とくに論文構成に出ていた迷いに対するT先生のご指摘は、迷いがはれた心地がしました。佐藤先生、OB・OGの先生方々、そしてこの会を準備してくださった先輩・後輩たちに感謝の意を表したいと思います。
 一時間ほど予定時間をオーバーし、18時から懇親会がありました。先輩・後輩たちとざっくばらんに話ができ、また思い出話なども聞くことができて、とても楽しい会でした。
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