教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

発達状況に応じた保育について【2歳児】

2011年06月13日 23時55分55秒 | 幼児教育・保育

 情緒不安定の様子。自然に涙が出そうになる。叫びたくなる。
 …疲れてるみたいなので休みたいが、今週もノンストップ。仕事は増えるばかりだが、一つずつ、つぶしていくしかあるまい。


【2歳児ならではの経験の例】
 2歳児の一般的な発達状況は、次のようなものがある。例えば、歩く、走る、両足で跳ぶ、よじのぼるなどの行動が巧みになり、足のみで階段の上り下りができるようになる。手指の器用さもさらに発達し、両手で食器を使ったり、ボタンを自分ではめたりするようになる。三・四語の発話や、閉じた丸を描くようになり、表現力の発達が進む。
 要求が明確化するが、「できない」や「手伝って」と要求するだけでなく、「見てて」と要求して親しい大人に見守ってもらって自分の気持ちを後押しし、要求を調節するようにもなる。友だちといっしょに行動したがり、共通性を見つけて共感したり、拒否・否定されると悲しみ・怒りを感じるようになったりして、友だち関係が深まっていく。
 物事の区別能力が見られるようになり、「大-小」の区別だけでなく、次第に「長-短」の区別もつくようになる。また、物事からイメージを喚起したり、環境への興味関心が進んで「これ何?」をくり返し、次第に「だれ」「なに」「どこ」「どっち」などの言葉も使ったりするようになる。思い出したことを話したり、目の前にないことを話題するなど、記憶を維持しつつ自分なりに再現するようになる。2歳半頃になると、「~してから~する」や「~だから~する」を因果関係を徐々に理解するようになり、目的のある行為や単純なまとまりのある動作につながっていく。このため、少し待ったり、物を貸したりすることができるようになる。
 保育者は、これらの経験をより充実させるために、例えばどのようなことをすべきか。例えば、使いたいおもちゃを少し待ったら貸してもらえる経験や、貸したら戻ってくる経験をねらって、他の子どもと一緒の場所にいさせたり、おもちゃを共有したりする。また、おもちゃを貸す時や返ってきた時に、貸したらいずれ戻ってくることがわかるような声かけや、我慢して待ったことを認めたりするなどが考えられる。

<主要参考文献>
心理科学研究会編『育ちあう乳幼児心理学―21世紀に保育実践とともに歩む』有斐閣コンパクト、有斐閣、2000年。

(以上は、白石崇人『保育者の専門性とは何か』幼児教育の理論とその応用2、社会評論社、2013年に所収しております)

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