教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

教育史学会一日目

2006年09月16日 23時55分55秒 | Weblog
 今日は6時半起きです。8時半すぎごろに大東文化大学に到着しました。すぐに受付をすませて、何人かの先生にご挨拶をして発表の準備。すぐに個人研究発表が始まりました。同じ部会での発表者は5名。私は2人目の発表者。1人目のY会員の発表は私の研究対象に近く、一度別の視点から学会発表したこともある対象だったので何とか質問したかったのですが、適切な質問が思いつかず無理でした。残念。自分の興味の狭さと知識の貧困さを情けなく思います。
 自分の発表はそつなく終わりました。ただ、質問者がおらず残念。教育史学会ではあまり見ない大きな枠組みの話だったので、場違いだったかもしれません。ただ、教育会研究として(日本教育史研究として、とは言わない)、大日本教育会・帝国教育会研究の大まかな意図は認めてもらったもの、と思います。司会のC会員のはからいで、教育会研究では大先輩であるK会員から意見をいただきました。その意見は、私の発表時の枠組みでは曖昧になっていた部分でしたので、非常に有益な意見をいただきました。発表後の返答では正確でない返答をしてしまったので、後の総括討論の際にもう少し詳しく述べました。
 私以外の発表は、私の発表とは違って詳しく丁寧な研究でした。正直言ってうらやましい。そういう研究ができるのは、研究の問題意識や視点・方法がしっかりしていて、なにより資料があるから。大日本教育会・帝国教育会は肝心の本部が震災等でやられているので、雑誌以外の資料はなかなかない(雑誌がそろっているだけでもすごいのだけど)。研究の切り口によっては使える資料はあるのだろうけど、私の研究は純粋に組織論なので雑誌記事の大半を占める論説は使いづらいし、肝心の会報は詳しい時もあればぼんやりした内容の時もある。そういうぼんやりした時、いろいろ周辺資料が必要になるのだけど、広島にいる身ではなかなか東京の団体の資料は集めにくいし、資料情報も手に入れにくい。研究室にノウハウが残されているわけでもなし、独力ではどうにも限界がある。でも、似たような状況でもしっかりやっている人はいるわけだろうから、単なる言い訳にしかなりませんけどね。
 シンポジウムは、「戦後教育史の可能性」。あまり教育史学会関係の研究者が取り上げない戦後の教育史について、教育史研究の課題や通史的枠組み・時期区分論について報告や議論が交わされました。先日H先生の授業を聞いていたので、かなり内容を理解できました。ちなみに、たまたま隣に座った方が、超有名学者で密かに尊敬しているT会員でして、めちゃくちゃ緊張しました。緊張で潰瘍になりそうなくらい。イテテ…。先日の『往来』の試論的論文で同会員の論文を引用したので、ご挨拶すると、とてもほがらかに対応してくださいました。『往来』の文章も読んでくださったとのことで、引用された論文を書いた時に私の主要参考文献で挙げていたものと同じ本を読んで感銘を受けて書いたんだ、と聞き、何だかつながりを持てた気がしてうれしくなりました。教育学史は年を重ねてからすべきテーマだけど、方法によっては可能だから、かんばってね、と激励の言葉をいただきました。うれしい!
 懇親会では、あちこちでお世話になっているたくさんの会員(先生)方にご挨拶。来られている方だけには感謝の意を伝えたくて、うろうろしていると、ほとんど料理は食べられませんでした(苦笑)。資料調査へ行く予定の大学の会員に、資料所蔵保存の状態を聞き資料情報も入手できて大満足。ホントにありがとうございました。

 帰りの電車では、TM会員がおられたのでご挨拶をすると、なんと同郷であることが判明。親しく様々なお話をしてくださり、研究会の案内までもいただきました。ありがたいことです。
 その後、I先輩とS先輩と昨年まで同じ研究室で勉強したT君とで一杯飲む。T君が今晩の夜行バスで帰るとのことで、出発時間にあわせてお開き。
 今日はいろんなことがあった日でした。
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2 コメント

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Unknown (白石)
2006-09-18 10:41:32
 ご心配をおかけしたようですみません(苦笑)。とりあえず一段落しました。詳細は17日の本文の方で。
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緊張 (kissmint)
2006-09-17 21:08:28
 お疲れ様でした。読んでいる間中、私まで緊張しましたよ。

 取り敢えずこれで、一段落したのでしょうか?諸先生、先輩方から沢山の有益なお言葉も頂戴できて、本当によかったですね。言葉使いの件は、いくつになっても難しいものですよね。余り気にせず、伸び伸びとやられたらいいと思います。白石さんの誠実なお人柄は、きっと伝わっていると思いますから。

 では、ゆっくり休んでください。
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