12月14日(金) 晴れのち曇り。
NHK大阪ホールに「さとがえるコンサート2007 矢野顕子 + yanokami ジョイント公演」を聴きに行った。
ステージ左にキーボード、右にレイ・ハラカミの機材。セットはスクリーンだけ。最初にレイ・ハラカミがひとりで出てきてオープニングとなる曲の音を出した。その音はアナログの音のように温かかった。それはイントロダクションで1分ほどで終わると、ステージに矢野顕子が現れた。
矢野顕子がrei harakamiを知ったのはくるりのマキシシングル「ワールズエンド・スーパーノヴァ」を聴いたときだったという。その中に収録されている「ばらの花」のリミックス・ヴァージョンをrei harakamiが作った。それを聴いたあっこちゃんはrei harakamiを見初めてコラボレーションすることになった。最初から共演を希望していたのだがrei harakamiとスケジュールが合わず、それでまず「さとがえるコンサート」のためにトラックを作ってもらうことになった。それが披露されたのは2003年の「さとがえるコンサート」だった。そして翌2004年に大阪のシンフォニー・ホールで初共演。
http://homepage3.nifty.com/sitedoi/yano.htm#soundrenaissance
その後、ふたりでイベントに出演したりしてコラボレーションを本格化させ、今年の夏に「yanokami(矢野顕子 × レイ・ハラカミ)」でアルバム・デビューした。来年の3月12日には英語版の『yanokami』がリリースされる。
実を言うと僕はアルバム『yanokami』、それからiTunesでシングルとアップルストア銀座でのライヴを聴いたのだが、あまりよい感じを持ってなかった。1回か2回聴いて、それで終わりだった。決して嫌いではないのだが.....
ライヴでも途中から足が冷えてきて(僕は冷え性なのだ)、集中できなくなり、なんだか急に息苦しく感じて落ち着かなくなった。なんとか乗り切ろうと我慢していたら緊張してきて、手のひらが汗ばんだ。動悸がはげしくなったりもした。
僕は昨年、こういったエレクトロニカを導入したライヴを2本見ている。坂本龍一と高橋幸宏だ。そのときは普通に聴いて楽しんだのに、なぜ今回はこんなに具合が悪くなるのか。体調は悪くなかったし、ガムを噛んでリラックスしていたはずなのに。もしかしたらyanokamiが僕には合わないのかもしれないと思った。それは少なからずショックであった。
そんな中で「ばらの花」を聴いた。正直に言うと僕は「あっこちゃんのピアノ弾き語りヴァージョンのほうが心の襞に届くのにな」と思った。9曲目の「Sayonara」が終わったときステージの両側から赤い幕が降ろされた。そこで20分間の休憩がアナウンスされた。ほっと胸を撫で下ろした瞬間だった。テンションは落ちて最悪だったが。
今回の矢野顕子 + yanokami ジョイント公演は二部構成となっていて、セット・チェンジのあいだ20分のインターバルがあった。yanokamiのステージが終わったときは顔面蒼白状態だったので、このインターバルのあいだにドリンク・カウンター(NHK大阪ホールのフロアにあります)でグレープフルーツ・ジュースを飲んだりして気分転換をした。
まぁ、それでもテンションはすぐに上がってこなかったわけだが、矢野顕子のソロを見ているうちに回復した。アドリブのピアノ・ソロが長く素晴らしい演奏だった。結論を言えば僕はyanokamiが全く駄目で(それはけっこうショックではあった)、矢野顕子のピアノ弾き語りしか反応できなかったということだ。
ピアノの調べにのって第二部の幕が開いたとき、ステージにはグランドピアノを弾くあっこちゃんの姿があった。「横顔」に続いて披露されたのが「Girlfriends Forever」。2ヶ月半前に同世代の友人竹内まりやさんとニューヨークでカプチーノを飲んだという。
まりやさんはタツローさんとニューヨーク旅行中で、タツローさんはその日レコード店巡りをしていて会えなかったとか(苦笑)。ネタにしたからなのか「Paper Doll」を歌ってくれた。2000年のアルバム『Home Girl Journey』のヴァージョンとは全く違うジャズの即興演奏で素晴らしかった。
ステージはグランドピアノだけのシンプル なセットだったが照明の明暗が織りなすコントラストが美しかった。ELLEGARDENの「Alternative Plans」は英語詩の曲。初めて聴いたがいい曲だと思った。
「クリームシチュー」は久しぶりに聴いたような気がする。冬のコンサートにはぴったりの選曲。"ぼくの傷を見るなよ/ぼくにあやまるなよ"という歌詞。僕はこの言葉傾向の強い歌が好きだ。
「相合傘」には本当にびっくりした。ライヴで初めて聴いたような気がする。今年の夏に清水ミチコさんのライヴで聴いたが(笑)、今のあっこちゃんはあのモノマネより更に進化している。歌うたびに違う曲になるのだというが、それを目の当たりにした。
「Rose Garden」は昨年も本編のラストに歌った曲。ずっと買いそびれていたアルバム『ただいま。』収録曲。まだ持ってない(苦笑)。それで日曜日、タワレコに買いに行ったのだが、置いてなかったのでアマゾンで注文した。
ところで、絵本「せかいでいちばんあたまのいいいぬ -ピートがっこうへいく-」の翻訳を美雨ちゃんとやったことも話題に出たが、突然「うっ...」と言葉に詰まった。どうしたのかと思っていると、
「ごめんなさいね。ゲップ出ちゃった(笑)」とあっこちゃん。
MCでゲップする人を僕ははじめて見た(笑)。
■矢野顕子さとがえるコンサート2007「矢野顕子 + yanokami ジョイント公演」
2007年12月14日(金) NHK大阪ホール
1階C6列023番
矢野顕子(Vocal/Piano/Keyboard)
http://www.akikoyano.com/
rei harakami
http://www.myspace.com/reiharakami
yanokami
http://www.yanokami.com/index.html
http://myspace.com/yanokami
Setlist
Part.1 yanokami
01 yanokamintro
02 Big Love(English Version)
03 To Good To Be True
04 Montouk
05 Night Train Home
06 Full Bloom
07 You Showed Me
08 ばらの花
09 Sayonara(English Version)
Pause(20 minutes)
Part.2 矢野顕子
10 横顔(大貫妙子)
11 Girlfriends Forever
12 Paper Doll(山下達郎)
13 てぃんさぐぬ花(沖縄民謡)
14 Alternative Plans(ELLEGARDEN)
15 クリームシチュー
16 相合傘(はっぴいえんど)
17 すばらしい日々(ユニコーン)
18 Rose Garden
Encore
19 ごはんができたよ
20 ひとつだけ