2011/07/05 OnAir - 1st. Week
Wings:Silly Love Songs
Tedeschi Trucks Band:Midnight in Harlem
The Beatles:Come and Get It
Peggy Lee:Let's Love
Paul McCartney:Here Today
佐野元春 and The Hobo King Band:君をさがしている(朝が来るまで)~ H.K.B. Version
佐野元春:ロックンロール・ナイト ('99 mix version)
佐野元春 and The Hobo King Band:ヤング・フォーエバー
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■内容の一部を抜粋
・Silly Love Songs
前回に引き続いてポール・マッカートニーの特集。
1976年にウイングス名義で出したレコード「Silly Love Songs」。一説によると「ポールはバラードしか書けない」という評論家のコメントを受けて「馬鹿げたラヴ・ソングの何が悪い」と切り返した曲だという。
・ツイッター
「さて、Motoharu Radio Showでは今番組を聴いてくれている全国リスナーのみなさんがインターネット上で楽しくコミュニケーションできるツイッターという仕組みを採用しています。ここに参加したいという方は今からURLをお知らせするので是非書き取ってください。番組からツイッターのお知らせでした」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/
・3PICKS!
「Motoharu Radio Show」では毎月番組推薦盤3枚のCDをピックアップしている。今月7月の「3PICKS!」はテディスキ・トラックス・バンド『Revelator』、エミルー・ハリス『Hard Bargain』、そしてルシンダ・ウィリアムス『Blessed』。どのレコードも心に響くよいソングライティングと素晴らしいサウンドがあると元春。この中から今週はテディスキ・トラックス・バンド『Revelator』。
・テディスキ・トラックス・バンド
デレク・トラックスと奥さんのスーザン・テディスキの新しいバンドがテディスキ・トラックス・バンド。デレク・トラックスといえばローリング・ストーンズ・マガジンで現代の三大ギタリストのひとりに抜擢されるくらいのギタリスト。エリック・クラプトンのバックバンドに抜擢されて一躍有名になった。特にフィンガー・ピッキングで弾くスライド・ギターは素晴らしい技術。今年で32歳になったばかりということで、これからも素晴らしいキャリアを積んでいくことだろう。奥さんのスーザン・テディスキ、彼女も素晴らしいシンガーでありギタリスト。2002年度のグラミー賞では最優秀女性ロック・ヴォーカリスト部門にノミネートされた。この二人が結婚してちょうど10年目に結成したバンドがテディスキ・トラックス・バンド。そのデビュー・アルバム『Revelator』を取り上げる。
「さっそく僕も聴いてみました。夫婦としてはもちろん、ミュージシャンとしてもお互いの信頼関係が感じられる、とても素晴らしいレコードでした。ブルース、ソウル、ジャズ、ゴスペルなどいろいろなジャンルの音楽が自由自在に織り重なってる。とても音楽的なアルバムといっていいと思います。ここで耳が釘付けになるのはバンド演奏の素晴らしさですね。テクノとかエレクトロニカとは対極にあるヒューマンな音楽表現です。よいバンド演奏というのは、それだけで聴くものを幸せにしてくれる、大げさに言えば音に愛が満ちてるという、このアルバムを聴いてそんなことを思いました」と元春。
このアルバム『Revelator』からリスナーのリクエストに応えて「Midnight in Harlem」。
・Come and Get It
ポール・マッカートニー、メロディメーカーという言葉は彼のためにあると言っていい。これまでに歴史に残る多くのヒット曲を書いてきた。バッドフィンガーはビートルズのメンバーがプロデュースしたバンド。ビートルズが作ったアップル・レコードからデビューしている。バッドフィンガーにポールが書き下ろしたのが「Come and Get It」。今回はポールによるデモ・トラック・ヴァージョンを聴く。
・Let's Love
ペギー・リーは'40年代、'50年代に活躍した米国の女性シンガー。ポールはペギー・リーの大ファンだったということから曲を提供することになった。「Let's Love」はポールらしいラヴ・ソング。
・Here Today
特集最後の曲は今は亡きビートルズのメンバー、ジョン・レノンを思って書いた曲「Here Today」。
「僕らはお互い心に隠しごとなんか一切なかった 口喧嘩したこともあったけれど 君はいつも笑顔で僕のそばにいてくれた 君が今ここにいてくれたらなぁ」とそんなふうに歌ってる。
・GreenPeople
環境問題に取り組むユースたちを紹介するレポート「GreenPeople」。毎週このコーナーでは環境を巡る社会活動を通じて様々なアクションを起こしている人たちを紹介。このコーナーの協力はNHKの環境特集番組「エコチャンネル」。
http://www.nhk.or.jp/eco-channel/
今週はNPO法人「トージバ」。現代社会が抱える食や農、環境についての問題を少しでもいい方向に変えようと農村と都市との交流を促すように場を提供している団体。
・特集「佐野元春30周年総括」
元春の30周年を伊藤銀次さんをゲストに迎えて総括。聞き手は番組アシスタントの後藤さん。
銀次さんは招待してもらったライヴはできるだけ聴きに行くことにしているそうだ。2010年3月21日の「アンジェリーナの日」を観たときは若返ったなという感じがしたとか。このあいだの「ALL FLOWERS IN TIME 'TOKYO」のファイナル公演は30年という年月の中で成長を実感できたライヴで、また新たなディケイドがはじまったなというような気持ちになったとか。
・君をさがしている(朝が来るまで)~ H.K.B. Version
「ALL FLOWERS IN TIME 'TOKYO」ではHKBのインストに続いて2曲目に演奏された曲。
・'80年代の佐野元春
基本的には変わってないと銀次さん。
銀次 : 佐野元春というシステム、それから伊藤銀次というシステムは変わらないんです。部品は取り替えてますけれど(笑)。新しいエンジンとか部品があったら取り替えますよ。だけどもともとのコントロール・システムみたいなものは変わらないんだと思うんですよ。部品を取り替えなければとっくにおシャカになってると思います。ははは。どちらもね。そこだと思うんですね。新しいものということに常に佐野元春もですね、いつも目を配ってると。但し、なんでもかんでも受け入れるというのではなくてですね、その奥にはひじょうに頑固なですね、何でもかんでも受け入れない頑固さがあるんですよ(笑)。このね、一見矛盾しているかもしれませんよね、新しいものを素直に受け入れていながら、絶対譲らないものは譲らないという、一見矛盾しているような寛容性と頑固さっていうのが佐野元春だと思うんですよ。それは僕も同じですね。全く違う質感を持っているけれどもそれはすごく理解できるところです。
・ロックンロール・ナイト ('99 mix version)
シングル「SOMEDAY」以降は一緒にアレンジを考えることがなくなったとか。ハートランドが揃ったとき、元春が自分の手足のように自由に音楽がやれるようになったという実感があったそうだ。曲ができたらハートランドとリハーサルスタジオに入って、いろいろなアイディアを試すようになり、アルバム『SOMEDAY』のときは銀次さんが譜面を書いたりするようなディレクションの役で関わるようになってたという。
銀次 : 「ロックンロール・ナイト」はレコーディングのときから、すでにスタンダード・ナンバーのような風格があったんだよね。だけども魂が吹き込まれたばかりでしょ。それから1年2年経ち、10年20年経ち、そして30周年記念で聴いたときに凄いなと思った。つまり『SOMEDAY』のレコーディングのときに何年経っても朽ち果てないフレーム、曲のかたちというのが、どんな健康状態で演奏しても(笑)、ハイな気分なときでも、ローな気分なときでも、この曲のかたちはハートランドであれホーボーイングバンドであれ、演奏するとある一定のフィーリングに、いつも誰もが聴いてる人が感じることができる。しかもどんな育ちをしても、どういう生活をしてきても、この曲に出合うとなにか心の中が動く、そのかたちを30年前に作ってたんだなと思うと、やっぱり凄いなと。いま果たしてJ-POPと言われるシーンの中でそういう曲作り、人間の未来なんてわからないんで、明日のことを考えてやってらんないよというふうに言うのかもしれない、確かに。売れないことにはしょうがないんだよとかね、いまそういう風潮があることはあるんだけれども、でもそれを言う前に作り手がすごく音楽を信じること、音楽なんて信じないことにはこういうものは作れないと思うんだよね。そしてある意味では、そうだね、何そんなに一生懸命やってるんだろうと言う人がいるかもしれないけれど、ここまで入れ込んで作られてる音楽っていうのはね、改めてライヴを見ていて、感動しながら、素晴しいシーンに僕も関われたなっていう、いい気持ちになれたっていう感じですね。
・総合的なエンタテイメント
リスナーから「ALL FLOWERS IN TIME 'TOKYO」は夫婦で一緒にダンスしながら観たというコメントを後藤さんが読んで。
ダンサブルなコンサートというのは佐野元春が最初だと銀次さん。日本のロックはもう少し体育会的なノリ、なんとか道的な、ちょっとそういうところがあるけれど、涙も笑いもいろんなモノが混ざってて、よく元春は「プロレスと同じだよね」と言ってたけれど、元春がそういうアスレチックな楽しみやいろんなものが混ざった総合的なエンタテイメントにしたような気がするそうだ。
・ヤング・フォーエバー
銀次 : ロック版『男はつらいよ』ですね。男はつらいんですよ。でもその辛さに耐えて生きてゆくというのが男の美学じゃないかと思うんですよ。このみっともなかったりするところがね。でもそれでも生きてるってところが。それがおしゃれな曲なのに佐野元春の根底に流れてるのは僕はすごく面白いと思う。ストーリとして順を追って納得していく曲じゃないんですね。ひとつひとつの言葉が感覚的に捉えられる、でも考えてくださいよ。身体を動かして踊ってるときに、いろんなこと言われたってわかるわけないじゃないですか。としたら言葉の端切れがパーンと感覚の中に引っかかってくる、それが効いてくるっていうか、まさにそれがポップスの詩の使い方だなぁと思うんですよ。
・番組ウェブサイト
「番組ではウェブサイトを用意しています。是非ご覧になって曲のリクエスト、番組へのメッセージを送ってください。待ってます」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/
・次回放送
次週も引き続いて伊藤銀次さんをゲストに迎えて特集「佐野元春30周年総括」パート2。