2014年10月19日プレイリスト
「ボブ・クルー追悼で棚からひとつかみ」
1. JUNGLE SWING / 山下達郎 "オーパス" '93('12)
2. FUNNY FACE / THE 4 SEASONS "RAG DOLL" '64
3. JERRY (I'M YOUR SHERRY) / TRACEY DEY '62
4. SILENCE IS GOLDEN / THE TREMELOES '67
5. THE SUN AIN'T GONNA SHINE ANYMORE / THE WALKER BROTHERS '66
6. LADY MARMALADE / THE ELEVENTH HOUR "GREATEST HITS"'74
7. SWEARIN' TO GOD / FRANKIE VALLI "CLOSE UP" '75
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・近況
番組は直近に収録しているとか。マニアック・ツアーが終わって十日が過ぎ、この一週間は曲書きのためスタジオでウンウンやってるそうだ。ツアーの最中は声が嗄れて低音が響いていたが、ようやく低音がローカット気味になって、普通のいつもの声に戻ってきたという。
「千秋楽終わった、すぐの番組がですね、前倒しで録っておりますので全然リアリティがございませんでしたが。今年はマニアック・ツアーというシングル・ヒットを一曲もやらないという変なツアーでございましたけれども、たくさんのお客さんにお出でいただきまして、お陰さまでいつもに増して(笑)、ご好評いただきましてですね、ホッと胸を撫で下ろしております。お越しいただきましたみなさま、心より御礼申し上げます。また来年、来年はライヴでも申し上げましたが、デビュー40周年を迎えますので、ライヴは楽しく明るくやってみたいと思っております。引き続き竹内まりやさんのツアーがはじまりますので、それのリハーサルがもうすぐはじまります。曲書きの仕事が終わりましたら、今度は譜面書きで、竹内まりやさんのリハーサル用の譜面書きのアレがはじまりますので、今年はもう忙しい、忙しいで、どこにも行けません。スタジオと家の往復でございます。でもまたスタジオに入りましたのでウォーキングをはじめております。また汗かいてがんばってやりたいと思っております」と達郎さん。
・JUNGLE SWING
秋口なので1993年のシングル「JUNGLE SWING」。
・ボブ・クルー追悼で棚からひとつかみ
先週に引き続いて「ボブ・クルー追悼で棚からひとつかみ」。ボブ・クルーは作品集が多くて作家として関わった作品は900曲を越える。一週や二週ではとても間に合わない。ツアーが終わったので凝ったものにしようとしたが、注文したお皿(レコード)がまだ届いてない。なので今週は目論んでたものとちょっと違うが、ボブ・クルーの追悼で日本ではこういうプログラムはないなぐらいなものにはなっている。特集をするには詰めが甘く緻密にできなかったので、今週も先週に引き続いて「ボブ・クルー追悼で棚からひとつかみ」。
・FUNNY FACE
ボブ・クルーはアメリカの1950年代、'60年代、'70年代、'80年代と長い間活躍した大プロデューサー。今週は達郎さんの好きなボブ・クルーの作品の中から、ボブ・クルーがプロデュースして作曲にも関わっている楽曲を集めて。
フォー・シーズンズの1964年のヒット・シングル「SAVE IT FOR ME」のカップリング「FUNNY FACE」。1964年のアルバム『RAG DOLL』に収録している。フォー・シーズンズは1964年にフィリップスに移籍してたくさんのアルバムを出すが、フォー・シーズンズはあくまでシングル主体のグループなので、アルバムのチャート・アクションはそれほどいいものではない。アルバム『RAG DOLL』は珍しく全曲ボブ・クルー/ボブ・ゴーディオもしくはボブ・クルーとサンディ・リンツァーのオリジナルで占められていて、内容がとっても優れた作品なのでフォー・シーズンズの全アルバムの中でも最高傑作と思われる。
・JERRY (I'M YOUR SHERRY)
ボブ・クルーが手掛けたガール・シンガー、ガール・グループの中からニューヨーク出身のガール・シンガーでトレイシー・デイのデビュー作1962年の「JERRY (I'M YOUR SHERRY)」。フォー・シーズンズの「SHERRY」のアンサー・ソング。
・SILENCE IS GOLDEN
ボブ・クルーの作品を取り上げてカヴァーした大ヒット作品の中から、中でもとりわけ'60年代の有名な曲を2曲。どちらもイギリスの作品。
トレメローズはフォー・シーズンズの1967年の「RAG DOLL」のB面「SILENCE IS GOLDEN」をカヴァーして全英NO.1、全米11位。日本でも大変ヒットして達郎さんもアマチュア・バンドでやっていた。
・THE SUN AIN'T GONNA SHINE ANYMORE
ウォーカー・ブラザーズの1966年のシングル「THE SUN AIN'T GONNA SHINE ANYMORE」は全英NO.1、全米13位。日本でも大変ヒットして達郎さんもシングルを買ったそうだ。邦題は「太陽はもう輝かない」。オリジナルはフランキー・ヴァリのソロ・アルバムに入っていた。
・カヴァー作品
他にカヴァーで有名なのは1965年のハーマンズ・ハーミッツの「SILHOUETTES」、1967年のレターメンの「GOING OUT OF MY HEAD」と「CAN'T TAKE MY EYES OFF YOU」のメドレー、1991年のペットショップ・ボーイズのU2の曲と「CAN'T TAKE MY EYES OFF YOU」のメドレー、1999年のローリン・ヒルの「CAN'T TAKE MY EYES OFF YOU」のカヴァーと枚挙に暇がない。
・LADY MARMALADE
ラヴェルの1975年の「LADY MARMALADE」は全米NO.1。「LADY MARMALADE」はもともとはラヴェルの1974年のアルバム『NIGHTBIRDS』からシングル・カットされた。同じ年にイレブンス・アワーというバンド、チャーリー・カレロによるとニューヨークのスタジオ・ミュージシャンをかき集めて作ったでっち上げバンドが、ボブ・クルーのプロデュースで全曲ボブ・クルーとケニー・ノーランの作品でアルバムをレコーディングした。このアルバムの中に「LADY MARMALADE」も入っていてシングル・カットされたが、こちらは全然当たらなかった。今日は捻ってこちらのヴァージョンをオンエア。ヴォーカルはケニー・ノーランといわれている。アレンジはチャーリー・カレロ。ニューヨーク然としたサウンド。実は翌1975年にL.A.制作でイレブンス・アワーのアルバムが出る。このアルバムにも「LADY MARMALADE」が入っていて、こちらはなんとディスコ・ヴァージョン。
・山下達郎ライブで棚からひとつかみ
ボブ・クルーはシンガーとしても、あとはボブ・クルー・プロダクションというじぶんのブロダクションがあって、じぶんで歌っているものもなかなかいい。それから達郎さんが持ってるレアものを含めて、もう一週やろうかなと思ってるそうだが、来週10月26日は聴取率週間で「何かやってくれ」と言われてるので、ライヴが終わったから「山下達郎ライブで棚からひとつかみ」。「今年のライヴのミックスはまだ全然やれる時間がありませんので、今までやったやつからピックアップして。まぁ、P.A. OUTでよろしかったら、なんかやってみたいと思いますが」と達郎さん。11月入ってからもう一度「ボブ・クルーで棚からひとつかみ」パート3。
・ジャージー・ボーイズ
ようやく達郎さんもクリント・イーストウッド監督作品の映画『ジャージー・ボーイズ』を観たそうだ。「オリジナル・キャストの人がフランキー・ヴァリ役をやっておりますのでミュージカルと近いものがありますが、でも、ああいう音楽映画というのは完全に歴史を忠実になぞってるものではないので、若干のフィクションがあります。それはあらかじめお含みおきいただいてご覧になるのがよろしいかと思います。でもいい映画でした」と達郎さん。
・ニュー・アルバム『TRAD』アナログ盤とアルバム『VARIETY』30th Anniversary Edition
まりやさんのニュー・アルバム『TRAD』のアナログ盤が11月19日に発売されることになった。二枚組仕様の重量盤。まりやさんの1984年のアルバム『VARIETY』30th Anniversary Editionも11月19日に発売。最新デジタル・リマスタリングを施して、ボーナス・トラックは当時12インチでクラブミックスというエディットしたロング・ヴァージョンの「プラスティック・ラブ」 (12" Extended Club Mix)、そのB面のオリジナルをリミックスしてシンプルにした「プラスティック・ラブ」 (12" Original Length ReMix)、中森明菜さんに提供した「赤のエナメル」の竹内まりやヴォーカル・ヴァージョン。リズム・トラックを取り除いて歌が入ってるだけのいちばん初期の未発表のデモ・ヴァージョン。今まで発表されてないカラオケ、「アンフィシアターの夜」、「マージー・ビートで唄わせて」、それに「プラスティック・ラブ」と「本気でオンリー・ユー(Let's Get Married)」のカラオケという7トラックを収録。アナログ盤は二枚組仕様の重量盤でボーナス・トラックの収録はない。こちらはCDとアナログ盤を同日に発売する予定だったが、アナログ盤は少し発売が遅れることになった。また追って番組で告知する予定だとか。
竹内まりや情報についてはスペシャル・サイトにて。
http://wmg.jp/mariya/
・souvenir 2014 LIVE
まりやさんの33年ぶりとなる全国ツアーが11月22日からスタート。全国6都市9公演のアリーナ・ツアー。詳しい情報は竹内まりやスペシャル・サイトにて。
http://wmg.jp/mariya/
11月22日(土)、23日(日) 広島県 広島グリーンアリーナ
11月29日(土) 宮城県 ゼビオアリーナ仙台
12月4日(木) 北海道 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
12月9日(火) 福岡県 マリンメッセ福岡
12月13日(土)、14日(日) 大阪府 大阪城ホール
12月20日(土)、21日(日) 東京都 日本武道館
・「クリスマス・イブ」2014 VERSION
今年も「クリスマス・イブ」が発売されることになった。11月19日発売。11月22日から全国公開がはじまる映画『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』の音楽監修を達郎さんが担当しているが、原作の中村航さんの小説「デビクロくんの恋と魔法」は「クリスマス・イブ」をモチーフにしているので、「クリスマス・イブ」のシングルが2014年期間限定ヴァージョンとして発売することになったそうだ。映画の中でまりやさんの「CHRISTMAS SONG」と達郎さんの「HAVE YOURSELF A MERRY LITTLE CHRISTMAS」のメドレーがエンディング・テーマに使われることから、今年だけ「クリスマス・イブ」のシングルにメドレーを足したかたちで発売される。詳しくはワーナーの山下達郎スペシュル・サイトにて。
http://wmg.jp/tatsuro/
・SWEARIN' TO GOD
フランキー・ヴァリの1975年のアルバム『CLOSE UP』からシングル・カットされた「SWEARIN' TO GOD」は全米6位。アルバム・ヴァージョンのアレンジはチャーリー・カレロ。当時のニューヨークのスタジオ・ミュージシャンの素晴らしい演奏とソロ回しが堪能できる。このアルバムを夢中になって聴いて達郎さんは翌1976年にチャーリー・カレロにアレンジを頼もうと思ったという。アルバム『CIRCUS TOWN』に繋がってゆく思い出の「SWEARIN' TO GOD」のロング・ヴァージョン。
■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
10月26日は、「山下達郎ライブで棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp