2015/10/20 OnAir - 3rd. Week - 元春が選ぶ1976年国内ベストポップ&ロック
01.伊藤銀次:日射病
02.鈴木慶一とムーンライダーズ:あの娘のラブレター
03.吉田美奈子:ラムはお好き?
04.憂歌団:お政治オバチャン
05.高田渡:魚つりブルース
06.矢野顕子:電話線
07.佐野元春 & ザ・コヨーテバンド:本当の彼女
08.佐野元春 & ザ・コヨーテバンド:誰かの神
09.CERO:Orphans
10.山下達郎:CIRCUS TOWN
11.細野晴臣:北京ダック
12.佐野元春:私の人生
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■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは佐野元春です。Motoharu Radio Show、この番組は東京赤坂TBSのスタジオからお届けしています。季節はもうすっかり秋ということで、みなさんはいかがお過ごしでしょうか? 僕は8月から続いたツアーがようやく終わってホッとしているところです。今夜も秋の夜長にグッとくるレコードをたくさん用意してきました。そして僕の新しい曲もラジオ初オンエアします。一時間最後までゆっくりお楽しみください。火曜の夜はMotoharu Radio Show。DJ、佐野元春でお送りします。
佐野元春 : 今夜の一曲目は僕の友人のレコードですね。1976年、大瀧詠一、山下達郎、伊藤銀次の3人で作った『Niagara Triangle Vol.1』からの曲、伊藤銀次、曲は「日射病」。
・日射病
佐野元春 : 伊藤銀次、曲は「日射病」。銀次らしいチャンキーなギターが楽しい曲ですね。1976年、大瀧詠一、山下達郎、伊藤銀次の3人で作った『Niagara Triangle Vol.1』からの曲でした。このあとは鈴木慶一とムーンライダーズ。ファースト・アルバム『火の玉ボーイ』。このアルバムから一曲聴いてみます。
・あの娘のラブレター
佐野元春 : 鈴木慶一とムーンライダーズ。曲は「あの娘のラブレター」。1976年に出た彼らのファースト・アルバム『火の玉ボーイ』からの曲。バンドはムーンライダーズの前ははちみつぱいと名乗ってました。はっぴいえんどと並んで日本のロックの先駆者です。さて、ここまで聴いて気づいた方もいると思います。今夜のMotoharu Radio Showは'70年代の日本のミュージシャンを特集してみます。'70年代の中でも特に1976年。この年は日本のロック & ポップスにとって貴重な年となりました。この年には今聴いてもいいなと思える素晴らしいレコードが続々とリリースされました。今夜のMotoharu Radio Showは1976年、国内でリリースされたクリエイティブなロック &・ポップスを特集します。
・ラムはお好き?
佐野元春 : 今聴いてもらってる曲は吉田美奈子。曲は「ラムはお好き?」ですね。1976年に出た『FLAPPER』からの曲です。今でこそ国内のR&Bの女性ヴォーカリスト、歌の上手なディーバはたくさんいます。その先駆的な存在といっていいのが吉田美奈子さんですね。もちろん今でも活躍なさっています。先日もあるコンサート(風街レジェンド2015)の楽屋で久しぶりにお会いしましたけれども、とても元気、そして相変わらず素晴らしいパフォーマンスをやられていました。
佐野元春 : さて、Motoharu Radio Show。今夜は1976年、国内でリリースされたロック & ポップスを特集しています。'70年代に入ると日本ではシンガー・ソングライターの時代になります。自分で作った歌を欧米のロック音楽のスタイルで表現するという新しい音楽が出てきました。ジャンルでいうとブルース、フォーク、ロック、そしてR&B。特に米国のルーツ音楽を研究するミュージシャンたちが多くいました。では1976年のレコードから米国のブルースやフォーク音楽に影響を受けたミュージシャンのレコードを聴いてみます。憂歌団「お政治オバチャン」、そして高田渡「魚つりブルース」。2曲続きます。
・お政治オバチャン
・魚つりブルース
佐野元春 : 憂歌団「お政治オバチャン」、そして今聴いたのは高田渡。曲は「魚つりブルース」。憂歌団、そして高田渡さん。ギター演奏の技術がとても素晴らしい尊敬できるミュージシャンです。またリリックがおもしろいですよね。憂歌団で今聴いた「お政治オバチャン」。実は彼らのレパートリーに「お掃除オバチャン」という曲があるんですが、これが職業差別だということで放送禁止になります。そこで面白く切り返したのがこの「お政治オバチャン」。これには誰も文句を言えなかったんじゃないかと思います。ユーモアのセンスも抜群ですよね。1976年のレコード。続いてこの年デビューした矢野顕子のアルバム『JAPANESE GIRL』から曲は「電話線」。
・電話線
火曜の夜はMotoharu Radio Show。番組ではみなさんからリクエストをお待ちしています。聴きたい曲があれば是非リクエストをお寄せください。宛先はメール・アドレス mrs@tbs.co.jp 。
佐野元春 : 今夜はみなさんに聴いてもらいたいレコードを持ってきました。つい先日になるんですけれども僕の新しいアルバムが出ました。タイトルは『Blood Moon』。先週に続いてこのアルバムから何曲か聴いていただきたいと思います。『Blood Moon』。レコーディングは結局、約一年ぐらいかかりましたね。ツアーの合間を縫ってスタジオでレコーディングしました。大体前もって、プリプロダクションっていうんですけれども、デモテープを作ってバンドのメンバーに渡します。それを聴いてもらってみんなスタジオに集まります。ですのでスタジオで音を出すときには大体もう曲の構成とかテンポとかわかってるんですね。僕とバンドはこれまで何回もコンサート・ツアーをやってるので、とにかくレコーディングでいちばん大事にしていることはバンドの生なライヴ感を活かすということですね。みなさんがレコードを聴いていただいてバンドのメンバーの演奏の表情がきちんと見えるような、そんなレコーディングを心掛けています。では新しいアルバム『Blood Moon』から2曲、アルバムはアナログ盤も出しているので今夜はアナログ・レコードの音で聴いてみてください。「本当の彼女」そして「誰かの神」2曲続きます。
・本当の彼女
・誰かの神
リスナーからのリクエストでCEROの「Orphans」。
・Orphans
・CIRCUS TOWN
佐野元春 : 1976年に出たアルバムからアルバム・タイトル・ナンバーですね「CIRCUS TOWN」。山下達郎、聴いてもらいました。
火曜の夜はMotoharu Radio Show。番組ではみなさんからリクエストをお待ちしています。聴きたい曲があれば是非リクエストをお寄せください。宛先はメール・アドレス mrs@tbs.co.jp 。
・北京ダック
佐野元春 : 細野晴臣、曲は「北京ダック」聴いてみました。この曲は1975年、アルバム『TROPICAL DANDY』からの曲。1976年、シングルで出てましたね。Motoharu Radio Show、今夜は1976年、国内でリリースされたロック & ポップスを特集してきましたけれどもどうでしたか? 今夜特集して思ったんですけれども、音楽がとてもいい感じでゆるいですよね。当時、レイドバックなんていう言葉もありました。今聴いた細野さんの音楽もそうですが、例えばニューオリンズやカリブの音楽、そしてハワイ、ポリネシア、沖縄といった非欧米のリズムを取り入れてユニークなサウンドになってました。1976年の日本のロック & ポップス。今夜紹介しきれなかった音楽もたくさんあります。久保田麻琴と夕焼け楽団、そしてセンチメンタル・シティ・ロマンス、めんたんぴん。こうした素晴らしいシンガー・ソングライター、バンド。1976年にみんなデビューしています。今に続くロック & ポップスのいろいろなアイディアの元がこの時代にあったんじゃないかなと、そんなふうに思います。みなさんも是非、これを機会に日本の'70年代の音楽を聴いてみてください。そこに何か新しい発見があるかもしれません。
火曜の夜はMotoharu Radio Show。番組ではみなさんからリクエストをお待ちしています。聴きたい曲があれば是非リクエストをお寄せください。宛先はメール・アドレス mrs@tbs.co.jp 。
佐野元春 : 番組ここまで聴いてくれてありがとう。そろそろお別れの時間です。前回の放送で予告しました、僕の新しい曲を持ってきました。この曲はあるカメラのメーカーの宣伝で使われたんですが、残念ながらまだパッケージになってません。今夜がラジオでの初公開となりますが、Motoharu Radio Show、リスナーのみなさんに是非聴いていただきたいと思います。正式に発表するときには、またちょっと楽器の構成とか変えるかもしれません。今夜限りのヴァージョンということで聴いてください。佐野元春、曲は「私の人生」。
・私の人生
佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show、楽しんでいただけましたか? 番組では専用のアプリケーションも用意しています。今日のオンエア曲、番組で紹介したプレイリストがチェックできるので是非、活用してください。ダウンロードは専用ウェブサイトでご案内しています。http://www.moto.co.jp/MRS/ こちらのほうからダウンロードしてみてください。DJ、佐野元春、ではまた次回に。
来週10月28日のMotoharu Radio Showはプロ野球日本シリーズ中継のためお休みです。ただ試合が中止になった場合は放送があります。その日の状況は番組ホームページやツイッターでお知らせします。