Sunday Song Book #1449

2020年07月19日 | Sunday Song Book

2020年07月19日プレイリスト「ストリングスで棚からひとつかみ」
1. THE WAR SONG (LIVE) / 山下達郎 "17/07/09 中野サンプラザ"
2. [ ARIF MARDIN ] I'M EVERY WOMAN / CHAKA KHAN '78
3. [ NICK DE CARO ] CHANCES ARE / BEN SIDRAN "I LEAD A LIFE" '72
4. [ CLAUS OGERMAN ] VIVALDI'S SONG / MARK-ALMOND "OTHER PEOPLES ROOMS" '78
5. [ ENNIO MORRICONE ] ONCE UPON A TIME IN AMERICA / ORIGINAL SOUNDTRACK '84
6. [ JOHNNY MANDEL ] UNFORGETTABLE / NATALIE COLE '91
7. [ 山下達郎 ] プラスティック・ラヴ / 竹内まりや "ヴァラエティ" '84
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■内容の一部を抜粋
・近況
今年は長梅雨の気配。週間予報を見ても雨がちの日が続いてるそうだ。東京はじとじと蒸し暑いとか。
「相変わらずウイルス、水害、それに伴うご商売の不安、会社経営の不安、いろいろな不安をみなさん抱えてらっしゃることだと思います。私の業界もなかなか大変な状態であります。えぇ〜本当に、大変なんですけれども、こういうとき、毎週毎週おんなじこと申し上げておりますけれども、自分の身は自分で守るしかありません。いつの時代でもころころ変わる政治や行政のそういうあたふたが、いつの時代にもありますので、情報の氾濫に戸惑わされないで、落ち着いて仲間内で助け合って、こういうグッと踏ん張って、がんばってまいりましょう」と達郎さん。

・ストリングスで棚からひとつかみ
「本日は先日、服部克久先生が、追悼のときに申し上げましたけれども、ストリングスの特集をしてみようかと思います。こういうわさわさした時代ですので、少しでも心の癒しになればという感じで、甘く優しく、そうしたたゆたうようなストリングスの編曲をお聴きいただこうと思いまして、ストリングスで棚からひとつかみ。で、はじめてみたのはいいんですけれども、あんまり、ぬぁあああっばっかりですと眠くなりますので(笑)、ちょっと景気のいいやつも入れまして、緩急取り混ぜてお届けしたいと思います」と達郎さん。

・THE WAR SONG
「私もひとりの人間としていろいろ考えておりますが、私は音楽家なので口はばったいアジテーションとかそういうのよりも、自分の作品で意思表示をしてきましたし、これからもそのつもりでおります。今日の頭はもうすぐリマスター発売になります私の1986年のアルバム『POCKET MUSIC』からTHE WAR SONG。とか言って今日はライヴ・ヴァージョンでどうぞ」と達郎さん。

・I'M EVERY WOMAN
最初は甘く優しくメロウな選曲を考えていたそうだが、景気がいいのもいいなと思いだして、そういう感じのからはじめることにしたとか。達郎さんが十代の頃いちばん好きなグループはヤング・ラスカルズで、彼らのオーケストレーションをやっていたのがアリフ・マーディン。「アリフ・マーディンの弦の音で育ったと言っても過言ではございません」と達郎さん。1978年、チャカ・カーンの全米ソウル・チャートNO.1で、アシュフォード&シンプソンの名曲「I'M EVERY WOMAN」。この曲はアリフ・マーディンのオーケストレーション。ドラムがスティーヴ・フェロン、ギターがフィル・アップチャーチとヘイミッシュ・スチュアート(アベレージ・ホワイト・バンド)、ベースがウィル・リー、キーボードがリチャード・ティーという5人のリズム・セクションにストリングス。

・CHANCES ARE
ジャズ・ピアニスト兼シンガー・ソングライターのベン・シドラン。枠にはまらないクロスオーバーなスタイルで、日本ではとても人気がある人。1972年のセカンド・アルバム『I LEAD A LIFE』の1曲め「CHANCES ARE」。ストリングスはニック・デ・カロ。達郎さんは久しぶりにアルバムを開いてクレジットを見て驚いたという。ドラムがジェームズ・ブラウンのクライド・スタブルフィールド、ベースはフィル・アップチャーチ、コーラスにはギャビン・クリストファーが、マーク=アーモンドのジョン・アーモンドも入ってるという。
曲をかけ終えて。「ベン・シドラン。1972年のアルバム『I LEAD A LIFE』からCHANCES ARE。不思議ぃーなミュージシャンでありまして。スタイルがなかなか特定できない、スティーブ・ミラーあたりからはじまって、いろんな人とやっておりますけれども。でもベン・シドランのインタビューというのを見ましたら、モーズ・アリスンに影響を受けたという。あっ、なるほどなという(笑)、そういう感じであります。モーズ・アリスン最近ハマってるので、今度機会がありましたら」と達郎さん。

・子どもの運転
千葉県のリスナーから「達郎さんのお子さんは運転免許取られましたか? 取っていらっしゃったらお子さんの運転で初めて隣に乗ったときの思い出で何かありますか?」という質問。
「取り立てのときすごい怖い思いをして(笑)。みんなそうですよね。初心者で、あの私の父がですね、私が取り立てのときにもう乗らないつって怖がって。みんなそうです。そうやってだんだん経験積んで上手くなってゆくというものでございます」と達郎さん。

・VIVALDI'S SONG
次はストリングスのオーケストレーションといえば筆頭に上がる大御所、クラウス・オガーマン。イギリス人のジョン・マークとジョニー・アーモンドの二人組のグループ、マーク=アーモンド。アメリカに渡りトミー・リピューマのプロデュースで作品を作り、日本では大変な人気があるけれど、アメリカでは全くヒットしなかった。「でもヒットしなかったのが信じられないくらいメロウで、素晴らしい作品なんですけれども。そんなもんなんですね。時代がディスコ全盛の時代なので仕方がありません」と達郎さん。1978年の名盤『OTHER PEOPLES ROOMS』からマイケル・フランクスの作品で「VIVALDI'S SONG」。
曲をかけ終えて。「これはまたニューヨークのリズム・セクションでございますが。ジョン・トロペイのギターで、リオン・ペンダーヴィスのキーボード、ウィル・リーのベースにスティーヴ・ガッドのドラムという。ですけど、ひじょうに抑制的な演奏でございますが、素晴らしいトラックでございます」と達郎さん。

・今後の予定
ストリングスの名曲は数限りなくあるので、とても一週間では間に合わないので、来週もやることにしたとのこと。ボビー・マーティンとかトム・ベルとかジーン・ペイジを予定しているそうだ。「ようやくサンデー・ソングブックが普通のノリになってきたと思ったのに、またいつテレワークになるかもわからないというような状態でございます。なんとかしてくれという」と達郎さん。
7月はもう一週あるが、そんなわけで引き続き「ストリングスで棚からひとつかみ」。珍盤奇盤は8月の予定。

・リクエスト
ハガキが復活したけれど、メールでも引き続き受付をしている。TFMのウェブサイトに番組のリクエスト・フォームを開設。
「年齢とかありますけれどご無理なさらずに。秘密にしたい方はご遠慮なく」と達郎さん。
https://www.tfm.co.jp/ssb/

・TATSURO YAMASHITA SUPER STREAMING
今月末7月30日午後8時から予定している達郎さんの初めての配信ライヴ「TATSURO YAMASHITA SUPER STREAMING」。チケットの購入、最終受付は7月24日(金)午後6時まで。
「こういう時代で配信プラットフォームいろいろとできましたけれども、様々な配信プラットフォームございますけれど、私が今回一緒にやっておりますMUSIC/SLASH。ここではチケットの販売数に合わせて、配信環境を最適に構築準備するために、前売りのみの販売で、受付期間も短く設定されております。当日券の発売等ございませんのでご注意ください。いろいろなお問い合わせはいただいておりますけれども、何しろこちらも初めてのことですので、いろいろと不都合ございますけれども、未来に向けて少しずつ改善していきたいと思っております。視聴方法など詳しくは山下達郎オフィシャルサイト、ここでMUSIC/SLASHのリンク貼ってございますので、そちらでご確認ください。お申し込みお忘れなく、奮ってご参加、何卒よろしくお願い申し上げます」と達郎さん。
https://www.tatsuro.co.jp
https://musicslash.jp

・好きな交響楽団や指揮者
中野区の質問魔のリスナーから「達郎さんはオーケストラのコンサートは観に行かれたりするのでしょうか? 好きな交響楽団や指揮者はいらっしゃいますか?」という質問。
割とコンサートには行くそうだ。どちらかというと室内楽の方が好きなんだとか。セルゲイ・チェリビダッケのミューヘン・フィル、ロリン・マゼール、指揮者だとアシュケナージ。こういうのは話し出すと長いので、また次の機会に。

・ONCE UPON A TIME IN AMERICA
エンニオ・モリコーネの作品は好きなものがたくさんあると達郎さん。1980年代の映画でいちばん好きなのが『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』だという達郎さん。その中の「デボラのテーマ」は番組で何度もかけているので、今日は短めのやつで「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」というメイン・テーマ。1984年の『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』のオリジナル・サウンドトラックからエンニオ・モリコーネのオーケストラ。

・人情紙風船
愛知県岡崎市のリスナーから「生涯ベストの映画は?」という質問。
1937年、昭和12年の山中貞雄という監督が作った『人情紙風船』。何十回観たかわからないがフィルムで映画館にかかると必ず観に行くそうだ。

・UNFORGETTABLE
エンニオ・モリコーネの訃報に続いてジョニー・マンデルが逝去したというニュースが入ってきた。享年94歳。エンニオ・モリコーネは享年91歳。ジョニー・マンデルといえば「THE SHADOW OF YOUR SMILE」だけどサントラのCDがどこかに入っちゃって出てこないとか。今日はジョニー・マンデルといえば、比較的近いところではナタリー・コールのアルバム『UNFORGETTABLE』。ナタリー・コールとナット・キング・コールがデュエットした「UNFORGETTABLE」のオーケストレーションがジョニー・マンデル。オリジナルのナット・キング・コールのヴァージョンは1951年、チャート12位。ネルソン・リドルのアレンジだった。ジョニー・マンデルはネルソン・リドルのアレンジを踏襲しつつも、ジョニー・マンデルの雰囲気を醸し出している。1991年のナタリー・コールのアルバムはメガヒットでグラミーも獲った。
曲をかけ終えて。「ナタリー・コールも2015年に亡くなってしまいました。だんだんだんだん、時代が移ってゆくという感じでございます」と達郎さん。

・プラスティック・ラヴ
今日の最後は達郎さんのストリングス・アレンジ。独学でストリングス・アレンジをしていたし、時間がかかることもって、また年なので、最近はやらなくなったという。若い頃は一所懸命やっていて、いちばん自分で気に入ってる一曲が、まりやさんの1984年の「プラスティック・ラヴ」だとか。

■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
メール
https://www.tfm.co.jp/ssb/
2020年07月26日は、引き続き「ストリングスで棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp
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