THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show #10

2020年09月04日 | Motoharu Radio Show

第10回:サイケデリック・ポップソング ~ ちょっと奇妙で不思議な世界
01.The Beatles:I Am the Walrus
02.The Rolling Stones:She's a Rainbow
03.The Beach Boys:You Still Believe In Me
04.Kula Shaker:Tattva
05.Oasis:Who Feels Love?
06.Tomorrow:My White Bicycle (1999 Remastered Version)
07.The Zombies:Care of Cell 44
08.The Lemon Pipers:Green Tambourine
09.佐野元春 & The Coyote Band:現実は見た目とは違う
10.The Temples:The Beam
11.Tame Impala:Instant Destiny
12.The Flaming Lips:Lucy In the Sky With Diamonds (feat. Miley Cyrus & Moby)
13. Jefferson Airplane - Volunteers
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■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは。佐野元春です。今夜はちょっと奇妙で不思議なんだけれども、その魅力には逆らえない。そんなサイケデリックなポップ・ソングを特集してみたいと思います。THE MUSIC OF NOTE、Motoharu Radio Show。DJ、佐野元春でお送りします。

・I Am the Walrus

佐野元春 : 今流れてるのはザ・ビートルズ「I Am the Walrus」。今夜はちょっと奇妙で不思議な世界。サイケデリックなポップ・ソングを集めてみます。続いて聴いてみたいのはこの曲、ストリングス編曲はのちにレッド・ツェッペリンのベーシストになるジョン・ポール・ジョーンズがクレジットされています。ザ・ローリング・ストーンズの曲は「She's a Rainbow」。

・She's a Rainbow
・You Still Believe In Me

佐野元春 : ザ・ビーチボーイズ「You Still Believe In Me」。アルバム『Pet Sounds』からの一曲。ザ・ビーチボーイズ名義のアルバムですが実際はブライアン・ウィルソンのソロ作品といってもいいアルバムですね。『Pet Sounds』、このアルバムはのちにビートルズの『SGT. Pepper's Lonely Heart Club Band』、このアルバムに影響を与えたと言われています。いずれも'60年代の最もクリエイティブな名盤といってもいいと思います。THE MUSIC OF NOTE。DJ、佐野元春、続いてます。
サイケデリックなポップ・ソングということでみなさんはどんなイメージを持っているでしょうか? ロックンロールの歴史を振り返ってみると1960年代の半ば頃ですね。ビーチボーイズ、ビートルズ、ザ・バーズ、そしてピンク・フロイド。そうしたバンドが一斉に奇妙な音を奏ではじめます。それまでの音楽とは違う、なにか不思議な感じの曲ですね。それは曲の歌詞にも出てました。どこか現実離れしたシュールレアリスティックな歌詞、そして不思議なサウンド。曲を聴いてると、なにか脳の変なところを刺激されているようなサウンドですね。そんなサイケデリックなポップ音楽。形を変えて現代のバンドにも受け継がれています。この後はクーラ・シェイカー、そしてオアシスのレコードに続きます。

・Tattva
・Who Feels Love?

佐野元春 : クーラ・シェイカー、曲は「Tattva」(タトワ)、サンスクリット語で「真実」という意味だそうです。そして今聴いてるのはオエシス、曲は「Who Feels Love?」。DJ、佐野元春、続いてます。

佐野元春 : サイケデリックな音楽、はじまりは1960年代の半ば頃ですね。アルバムでいうとビーチボーイズの『Pet Sounds』、そしてビートルズの『Revolver』。そうしたレコードがヒットして、その後、世界中でこのサイケデリックのブームがやってきます。それは音楽だけではなく、生活のスタイル、ファッションにも影響を及ぼしました。フラワー・ムーブメントですね。フラワー・ムーブメント、この言葉どこかで聞いたことがあるという方もいると思います。「愛と平和の世界を」ということで当時、若い世代が団結してかなり大きな規模の社会運動がありました。ヒッピー・レボリューションですね。サイケデリックな音楽はそんな時代に流行っていました。ではその'60年代のサイケデリック・ポップ聴いてみたいと思います。トゥモロウ、「My White Bicycle」、ザ・ゾンビーズ、「Care of Cell 44」、そしてザ・レモン・パンパーズ、「Green Tambourine」。3曲聴いてみます。

・My White Bicycle
・Care of Cell 44
・Green Tambourine

佐野元春 : Motoharu Radio Show、サイケデリック・ポップ特集。トゥモロウ、「My White Bicycle」、ザ・ゾンビーズ、「Care of Cell 44」、そして今聴いたのはザ・レモン・パンパーズ、「Green Tambourine」。'60年代のレコードからサイケデリック・ポップ、3曲聴いてみました

佐野元春 : 僕の友人であるロック音楽の雑誌を出してる編集長がいて、彼がこのサイケデリック音楽にとても詳しんですね。その彼がサイケデリック音楽の条件として挙げていたのが、まず逆回転。ギターやキーボードのサウンドを逆にひっくり返した音ですね。そして楽器でいうと12弦ギターとかシタール。リズムは同じことを繰り返す、いわゆるループ・サウンド。そこにオリエンタルな音階のメロディを乗せる。確かにサイケデリックなポップというとそんな要素で出できてるようです。実をいうと僕のレパートリーにもこのサイケデリックな曲というのはよくあって、これまでにも何曲かレコードにしてきました。そうですね、ここで一曲僕の曲をみなさんにも聴いていただきたいと思います。最近のアルバム『Maniju』からの曲、聴いてください。佐野元春 & ザ・コヨーテバンド、曲は「現実は見た目とは違う」。

・現実は見た目とは違う

佐野元春 : 佐野元春 & ザ・コヨーテバンド、「現実は見た目とは違う」。聴いていただきました。Motoharu Radio Show、今夜はサイケデリック・ポップを特集しています。うん、この英国のバンド、いいですね。ザ・テンプルズ。僕も気にいってます。UK、ミッドランド出身の4人組のバンド。去年、3枚目のアルバムが出ました。アルバム・タイトルは『Hot Motion』。英国でもかなり注目されていて聞くところによるとノエル・ギャラガーとかジョニー・マーが絶賛しているということ。ではここでUKサイケデリック・ポップの最前線からザ・テンプルズ。彼らの最新レコードを聴いてみます。曲は「The Beam」。

・The Beam

佐野元春 : ザ・テンプルズ、曲は「The Beam」。いいですね。現代のサイケデリック・ポップ、ザ・テンプルズに続いて聴いてみたいのはテーム・インパラ、そしてフレーミング・リップス。テーム・インパラはオーストラリア出身のバンド。これまでに4枚のスタジオ・アルバムを出して、いずれも高い評価を受けています。今夜は新しいアルバム『The Slow Rush』から一曲聴いてみます。そしてフレーミング・リップス。ビートルズの『SGT. Pepper's Lonely Heart Club Band』、このアルバムをまるごとカヴァーしたアルバムからサイケデリック・ポップのクラシックといってもいいと思います。「Lucy In the Sky With Diamonds」のカヴァー。ビートルズへの愛情が溢れ過ぎちゃって爆発しちゃった、そんな感じのカヴァー、聴いてみてください。

・Instant Destiny
・Lucy In the Sky With Diamonds

佐野元春 : テーム・インパラ、「Instant Destiny」。そして今聴いたのはフレーミング・リップス、「Lucy In the Sky With Diamonds」。サイケデリック・ポップ、魅力的なふたつのバンドのレコードを聴いてみました。
僕も曲を作っているので、いろいろなことを感じるんですけれども、表現というのはおもしろいもので、あまり現実的になり過ぎると、なにか物事をちゃんと捉えていないんじゃないかと不安になるんですね。そんなときにこのサイケデリックな表現というのは物事の心理を見抜くにあたって、ちょっとしたカンフル剤になるような気がします。今日特集して、個人的に改めてサイケデリックなポップ音楽の魅力を再発見しました。番組をお聴きのみなさんも楽しんでいただいてるとうれしいです。ロックンロールの歴史を振り返ってみると1960年代の半ば頃ですね。ビーチボーイズ、ビートルズをはじめ、いろいろなバンドがこのサイケデリックな表現に夢中になりました。歌詞もそれまでの音楽とは違うどこか現実離れしたシュールレアリスティックな歌詞が多かったようです。当時、米国ではサンフランシスコ、ヘイト・アシュベリーを中心にヒッピー・ムーブメントが起こっていました。ヴェトナム戦争に対しての反戦運動が激しくなった頃ですね。「武器を捨てて、もっと平和にいこうよ」というラヴ&ピースの世代です。フラワー・ジェネレーションなんて呼ばれていました。そうした彼らが聴いていたのがこのサイケデリックな音楽ですね。当時のドラッグ・カルチャーとも深く結びついていました。よく知られた話としては、先ほど聴きましたビートルズの曲「Lucy In the Sky With Diamonds」。頭文字を取るとLSDということで、この曲の幻想的な感じはLSDをキメて書いた曲なんじゃないか、そんな話もありました。では米国サンフランシスコを代表するサイケデリック・バンド、ジェファーソン・エアプレイン、彼らのレコードを聴いてみます。「Volunteers」、ジェファーソン・エアプレイン。今夜はこの曲を聴きながらお別れです。

・Volunteers

佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show、楽しんでいただけましたか? 「THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show」。次回の放送は来週9月11日、よる9時から。同じステーション、同じ時間でみなさんとお会いしたいと思います。DJ、佐野元春。ではまた来週。
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