Sunday Song Book #1495

2021年06月06日 | Sunday Song Book

2021年06月06日プレイリスト「B.J.THOMAS 追悼で棚からひとつかみ」
1. アトムの子 (LIVE) / 山下達郎 "18/11/02 カルッツかわさき"
2. I JUST CAN'T HELP BELIEVING / B.J.THOMAS '70
3. MIGHTY CLOUDS OF JOY / B.J.THOMAS '71
4. ROCK AND ROLL LULLABY / B.J.THOMAS '72
5. SWEET CHERRY WINE / B.J.THOMAS "BILLY JOE THOMAS" '72
6. (HEY WON'T YOU PLAY) ANOTHER SOMEBODY DONE SOMEBODY WRONG SONG / B.J.THOMAS '75
7. DON'T YOU LOVE ME ANYMORE / B.J.THOMAS "AS WE KNOW HIM" '82
8. DRIP DROP (おうちアカペラ) / 山下達郎 "ON THE STREET CORNER 1" '80
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■内容の一部を抜粋
・近況
達郎さんはずっとスタジオに篭ってあまり行動しないので割と平穏に過ごせているとのこと。

・B.J.THOMAS 追悼で棚からひとつかみ
6月に入り緊急事態宣言が延長され、昨年の今頃のように、また達郎さん自身のライヴ音源、おうちカラオケ、おうちアカペラのプログラムを計画していたが、B.J.トーマスの訃報が届いた。5月29日に亡くなったそうだ。

「B.J.トーマス、私本当に好きなシンガーで、70年前後に聴いて聴いて聴きまくった時代があります。でも日本ではB.J.トーマス、よくいえば渋い、で、ちょっと地味な人なので、日本ではなかなかヒットも、あのRAINDROPS KEEP FALLIN' ON MY HEAD、雨に濡れても、ぐらいしかありませんが。私本当に好きなので、今日はじゃあ前半は何曲かですね、B.J.トーマスの作品をかけようかなと思って、昨日選曲をはじめましたけれども。とんでもない。2曲3曲じゃとても間に合わない(笑)。ですので今日は全部B.J.トーマスでございます。B.J.トーマス追悼で棚からひとつかみ。特集ではありません。特集だったら雨に濡れてもかけないといけません。かかりません。私の好きな、いつも申し上げておりますように、私的なプログラムでございます。ですのでB.J.トーマス追悼で棚からひとつかみ。今日は頭から終わりまでB.J.トーマスでお楽しみいただきたいと思います。至極の名曲、私の大好きな名曲が満載でございます。日曜日の午後のひととき、今日はいわゆるカントリー・ポップといいましょうかサザン・ポップといいましょうか、でもB.J.トーマスはホワイト・ゴスペルから出てきた人なので、そうしたソウルフルなテイストも十分に持っている方であります。ご堪能いただければと思います」と達郎さん。

・アトムの子 (LIVE)
『ARTISAN』30th Anniversary Editionの発売が決定したそうだ。「なんだよ、山下達郎のライヴかかんないのかよ」という人もいるので、忖度のサンソン、よくわからないが、今日は「アトムの子」のライヴ・ヴァージョンを。本邦初出だが先週に引き続いて2018年11月2日のカルッツかわさきのP.A.OUT。
*番組中、川崎公演「アトムの子」を初出音源とコメントしていますが、昨年5月にオンエアしておりました。

B.J.トーマスはオクラホマ生まれでテキサス育ちの南部人。十代のときに教会音楽をやっており、そこからプロになり、1966年にハンク・ウィリアムスの「I'M SO LONESOME I COULD CRY」がヒットしてデビューした。

・I JUST CAN'T HELP BELIEVING
「なぜB.J.トーマスにそんなに思い入れたのか?」
達郎さんは十代の頃、ソングライターに興味があり、中でもアメリカを代表する作曲家、バリー・マン / シンシア・ワイルのバリー・マンに影響を受けて、バリー・マンの作品をいろいろと調べる中で出会ったのが、1970年のベストテン・ヒット「I JUST CAN'T HELP BELIEVING」。プロデュースはチップス・モーマンでメンフィスのレコーディング。この時代、1970年代のバリー・マンの曲を聴きたいときは常にB.J.トーマスという時代だったが、如何せんB.J.トーマスは割と内省的な歌い方をするし、悲しい声をしていたので、日本ではイマイチ受けないという。それに加えてディストリヴュートがセプター・レーベルで、当時のセプターはテイチクがディストリヴュートしていて、イマイチ洋楽のプロモーション力が弱かった。いろいろと重なって日本ではなかなか人気が出なかった。

・MIGHTY CLOUDS OF JOY
達郎さんがいちばん好きなB.J.トーマスの曲は「MIGHTY CLOUDS OF JOY」。1971年、全米34位のいわゆるゴスペル・ロック。アトランタでのレコーディングで、プロデューサーはバディ・ビューイとロバート・ニックス。アトランタ・リズム・セクションの作品。邦題は「歓びのハレルヤ」。

・ROCK AND ROLL LULLABY
B.J.トーマスはこの時代、バリー・マンの曲をたくさん取り上げていて、特に1972年、1973年のアルバムにたくさん入っている。その中からヒットが生まれた。日本でも大変お馴染みの「ROCK AND ROLL LULLABY」。16歳で子どもを産んだシングル・マザーに対しての愛の歌。ママチャイルドと僕は一緒に育った、時代は厳しかったけれど、僕が泣きそうになったら、ママがロックンロール・ララバイで、僕の心を癒してくれたという歌。セプター・レコードが経営難でプロモーションが思うようにできず全米15位に終わった。いずれにしても曲は残り、今では傑作と言われている。1972年のアルバム『BILLY JOE THOMAS』もチャート100位にも入らなかったが、日本では達郎さんの仲間が言い続けてきたので、日本盤のCDが出ている。

・アラン・シュワルツバーグ
この時代のB.J.トーマスのアルバムとか、先週かけたバリー・マンのアルバム『LAY IT ALL OUT』はニューヨークでレコーディングしていて、ドラムはアラン・シュワルツバーグが叩いている。「この人はうまいなと思って『CIRCUSTOWN』で指名をしてアラン・シュワルツバーグにドラムを叩いてもらいました」と達郎さん。

・SWEET CHERRY WINE
1972年のアルバム『BILLY JOE THOMAS』からもう一曲。「SWEET CHERRY WINE」もバリー・マン / シンシア・ワイルの作品。1986年2月13日にNHKのサウンドストリートでB.J.トーマスの特集をしていて、今日はそのときと全く同じ曲順で、頭の3曲がなくてお終いにそれ以降の1曲がくっついてるという。「何にも趣味が変わってないという情けなさ(笑)」と達郎さん。

・ライブ映像配信「LIVE Turntable Plus」
5月29日(土)のよる21時から竹内まりやさんのライブ映像配信「LIVE Turntable Plus」が配信された。配信プラットフォームのMUSIC/SLASHには、どうしても都合がつかず見られなかったリスナーから、見逃し配信の問い合わせがたくさん届いているとのこと。MUSIC/SLASHの方針で見逃し配信、アーカイヴは行わないけれど、竹内まりやさん本人からも要望に応えたいという意思があり、アンコール配信が決定した。6月11日(金)、12日(土)、13日(日)の三日間から都合の良い日程を選ぶ形式になっている。先日の配信と同じで21時本編の前の20時40分頃から、スペシャル音声コンテンツというかたちで、達郎さんとまりやさんの夫婦放談を、出張パターンというかたちで対談を行う。チケット料金は4,500円。すでに販売を開始しており、配信日によって受付終了日が違って、6月11日(金)の締め切りは本日6月6日の23時59分。詳しくは竹内まりやオフィシャルサイトにて。
https://www.mariyat.co.jp/

・『ARTISAN』30th Anniversary Edition
1991年のアルバム『ARTISAN』の2021年の最新リマスタリング、30th Anniversary Editionが8月18日に発売が決定した。ボーナス・トラック複数曲収録予定。同時にアナログ・レコードも発売。2枚組の180グラム重量盤。音質重視のいつもの仕様。1991年のアルバム『ARTISAN』はCDとアナログ盤の端境期で、当時アナログ盤を発売しなかった。達郎さんの作品でアナログが出なかった初の作品で、今回のアナログはなかなか趣の深いものになってるとのこと。詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
https://www.tatsuro.co.jp

・(HEY WON'T YOU PLAY) ANOTHER SOMEBODY DONE SOMEBODY WRONG SONG
1975年にレーベルを移籍して、プロデューサーのチップス・モーマンと再度コンビを組んで出した作品が全米NO.1のミリオンセラーになった。アメリカでは代表作の一作「(HEY WON'T YOU PLAY) ANOTHER SOMEBODY DONE SOMEBODY WRONG SONG」。邦題は「心にひびく愛の歌」。

・DON'T YOU LOVE ME ANYMORE
1982年のアルバム『AS WE KNOW HIM』に入ってるブルース・ロバーツとキャロル・ベイヤー・セイガーの作品で、アレンジはニック・デカロの「DON'T YOU LOVE ME ANYMORE」。

達郎さんにとってサザン・ロックはオールマンでもレーナード・スキナードでもなくて、クラシックスIVとかB.J.トーマスとかそういうものだった。「心よりご冥福をお祈り申し上げます」と達郎さん。

・聞かれて困る質問
岡山県総社市のリスナーから「達郎さんは聞かれて困る質問はありますか?」というお便り。
「あの〜私、聞かれて困る質問は、今のお気持ちは?というやつですね。えぇ。そんなもん知るかっていう。あとは特にラジオですが、アルバムなんかのプロモーションで行きますとですね、必ず今のDJの人たちは、最後にリスナーの方達にメッセージをお願いします。僕はあれを断固拒否します、常に。今までに言ったでしょって。それをなぜリスナーの方にメッセージって。あれ、ああいうフォーミュラー、僕大嫌いなので。絶対にプロモーションに行くときは、それ言わないでくださいって、聞かないでくださいって、お願いして、やってます。あんまり答えになってませんね、すいません(笑)」と達郎さん。

・DRIP DROP (おうちアカペラ)
今日の最後は昨年のおうちアカペラで『ON THE STREET CORNER 1』から雨の歌、「DRIP DROP」。

■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
メール
https://www.tfm.co.jp/ssb/

2021年06月13日は「山下達郎で棚からひとつかみ(予定)」
http://www.tatsuro.co.jp
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