<06月21日プレイリスト>
[モータウン特集アーカイヴス Part 1]
I HAVE A DREAM/MARTIN LUTHER KING '68
LONELY TEARDROPS/JACKIE WILSON '59
I LOVE THE WAY YOU LOVE/MARV JOHNSON '60
BAD GIRL/THE MIRACLES '59
MONEY/BARRETT STRONG '60
SHOP AROUND/THE MIRACLES '60
BYE BYE BABY/MARY WELLS '61
PLEASE MR. POSTMAN/THE MARVELETTES '61
DO YOU LOVE ME/THE CONTOURS '62
HEAT WAVE/MARTHA & THE VANDELLAS '63
FINGERTIPS-PT 2/LITTLE STEVIE WONDER '63
MY GUY/MARY WELLS '64
PRIDE AND JOY/MARVIN GAYE '63
THE WAY YOU DO THE THINGS YOU DO/THE TEMPTATIONS '64
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■内容の一部を抜粋
・近況
スポーツ新聞等ですでに報道されている通り、新しい仕事(曲書きとそのレコーディング)はアニメの主題歌。アニメ版『時をかける少女』で知られる細田守監督の劇場版アニメ最新作『サマーウォーズ』の主題歌でタイトルは「僕らの夏の夢」。先週末にようやく劇場用の5.1サラウンド・ミックスが完成したそうだ。今週はシングル用の2ミックスに取りかかるとか。8月の中旬にシングルとしてリリース予定。映画は8月1日全国ロードショウ公開。
・サマーウォーズ
http://s-wars.jp/index.html
・モータウン特集アーカイヴス
モータウンが今年50周年なので、今から13年前の1996年7月にオンエアした「モータウン特集」を再現して4週間の予定でアーカイヴ放送する。1960年代のアメリカを代表するブラック・ミュージック・レーベル「タムラ・モータウン」。創設者のベリー・ゴーディーの人生の軌跡に沿って年代順に、星の数ほどあるモータウンのヒット曲の中からほんの上辺だけ。本当の基礎知識としての「モータウン特集」。
・I HAVE A DREAM
公民権運動の指導者マーティン・ルーサー・キング牧師が1963年6月23日にデトロイトで行った演説。1968年4月にマーティン・ルーサー・キング牧師が暗殺されたその翌月にモータウン・レコードのゴーディー・レーベルからシングルとして発売された。
・ベリー・ゴーディー
ベリー・ゴーディーはデトロイト生まれで、中流の環境の中で育った黒人。少年時代はボクサーを目指していたが諦めて、その後、音楽が好きで1950年代の末期にデトロイトでレコード制作に関わるようになった。
・LONELY TEARDROPS
ジャッキー・ウィルソンは1950年代末期から1960年代頭にかけてシカゴやデトロイトで一世を風靡した黒人シンガー。ベリー・ゴーディーはフォードの自動車工場で働きながらソングライターとして仕事のチャンスを窺ってゆく中で、ジャッキー・ウィルソンと出会い何曲か手掛けたが、その何曲かがミリオンセラーとなった。「LONELY TEARDROPS」は1959年、全米7位。
・I LOVE THE WAY YOU LOVE
マーブ・ジョンソンはデトロイト出身の黒人シンガー。「I LOVE THE WAY YOU LOVE」はベリー・ゴーディーが作詞作曲を手掛け1960年のベスト10ヒットとなった。
・BAD GIRL
後にベリー・ゴーディーと切っても切れないパートナーとなるスモーキー・ロビンソン。「BAD GIRL」は彼のグループのミラクルズの最初期のレコードでベリー・ゴーディーが制作に加わっている。1959年、ミラクルズとしてチャートに入った最初の曲。
・タムラ・レーベル
ジャッキー・ウィルソンのヒット曲をきっかけに他の人にも曲を書いていって、それなりのヒットが出るようになったが、印税が全然入ってこない。それじゃあ自分で権利を管理しようとしてレコード会社を立ち上げた。1959年8月にそれまで稼いだ印税と人からの借金で700ドル、それを元手に「タミー」という名前のレコード会社を設立した。この「タミー」という社名は当時の黒人アイドル俳優兼シンガーのデビー・レイノルズの全米No.1のヒット曲から付けたが、版権の問題で使えなくなり「タムラ」に社名を変更した。
・MONEY
1960年、タムラ・レーベルの記念すべき初ヒット曲。バレット・ストロングの自作自演。ビートルズの「MONEY」のオリジナルとして有名。バレット・ストロングは後にモータウンのスタッフ・ライターとして活躍する。特にテンブテーションズのファンク路線に大いに貢献することになる。
・SHOP AROUND
タムラ・レーベルの8枚目のシングルはミラクルズの「SHOP AROUND」。1960年、全米チャート2位で初大ヒット曲となった。
・BYE BYE BABY
当時デトロイトは自動車産業のメッカだった。「モーター・シティー」をカジュアルにして「モーター・タウン」、それを縮めて「モータウン」。1960年に「タムラ」に続いて「モータウン」というレーベルができた。1961年、モータウン・レーベル4枚目のシングルがメアリー・ウェルズの「BYE BYE BABY」。
・PLEASE MR. POSTMAN
1960年代初頭当時のアメリカン・ポピュラー・ミュージック界はアイドル時代でガール・グループ、ガール・シンガーが一世を風靡した時代。モータウンにもそうしたガール・グループ、ガール・シンガーがたくさんいた。マーヴェレッツもその中の一組で「PLEASE MR. POSTMAN」はモータウン・レーベル初の全米No.1となった。この曲もビートルズのヴァージョンで世界的に知られるようになった。
・DO YOU LOVE ME
タムラ・レーベル、モータウン・レーベルに続いて3つ目のレーベル「ゴーディー」が1962年に設立された。そこからの最初のヒット・シングルがコントゥワーズの「DO YOU LOVE ME」。1962年、全米3位。ベリー・ゴーディーの作詞作曲とクレジットされている。日本ではデイブ・クラーク・ファイブのヴァージョンであまりにも有名なシングル。いかにイギリスのミュージシャンたちがモータウンをよく聴き、よく演奏していたかがわかる。
・'60年代前半
デトロイトは地場産業としての音楽業界としてはしっかりとしたものがなかった。小さなインディ・レーベルがたくさんあり、そこここで活動していたソングライターやミュージシャンがやがてモータウンという組織に結集、あるいは吸収される。これが'60年代前半の物語。
・HEAT WAVE
初期のモータウン・ソングの中でタツローさんがいちばん好きな曲。マーサ・リーヴス&ザ・バンデラスの「HEAT WAVE」は1963年、全米チャート4位。この曲は「モータウン・サウンド」と呼ばれる原型がすでに出来上がっている。
・ファンク・ブラザーズ
設立して4年弱、ヒット曲が順調に生まれるようになりだんだん組織が整理されてゆく。スタジオ・ミュージシャンも演奏メンバーが固定され、中でも有名なのはドラマーのベニー・ベンジャミン、ベーシストのジェーム・ジェマーソン、アレンジも担当していたキーボード・プレイヤーのアール・ヴァン・ダイク、それから数人のギタリスト、ブラス・セクション、この人たちは後にファンク・ブラザーズという総称を得るようになった。2004年に公開された映画『永遠のモータウン』でファンク・ブラザーズのいろいろな話を聞くことができる。
・FINGERTIPS-PT 2
1963年には13歳の盲目の少年がデビューする。この少年は歌の他にハーモニカがとてもうまく、やがて人気者になってゆく。後には天才的な作曲能力も発揮するようになり、'60年代末から'70年代に文字通りモータウンの顔となってゆく。最初はリトル・スティービー・ワンダーという名前でデビューしたスティービー・ワンダー、「FINGERTIPS-PT 2」は弱冠13歳の全米No.1ヒット。録音したときは12歳だったとか。
・MY GUY
メアリー・ウェルズがついに全米No.1となったのは1964年のことだった。ライヴ・ヴァージョンだがライヴ・ヴァージョンではじめて全米No.1ヒットとなった曲だとか。
・PRIDE AND JOY
マーヴィン・ゲイはベリー・ゴーディーのお姉さんと結婚したぐらいだからベリー・ゴーディーとは近しい関係だった。ムーングロウズのリード・シンガー、ハービー・フークワーに見出されてモータウン入りした。シンギング・スタイルは後のR&Bのシンガーに多大な影響を与えた人で、ミュージシャンの中では未だに「マーヴィン・ゲイNo.1」という人がたいへん多いそうだ。「PRIDE AND JOY」は1963年の3作目のヒットで全米チャート10位。
・THE WAY YOU DO THE THINGS YOU DO
デトロイト周辺で随分長いこと活動していたがなかなかヒット曲が出なくて、モータウンに移籍してようやくヒットが出たテンプテーションズ。その後は順調にキャリアを重ねて文字通り名門中の名門ヴォーカル・グループ、ソウル・ミュージックを代表するヴォーカル・グループとなった。「THE WAY YOU DO THE THINGS YOU DO」は1964年のデビュー・ヒット・シングル。
・マーヴィン・ゲイ物語-引き裂かれたソウル
先月、マーヴィン・ゲイの自伝本『マーヴィン・ゲイ物語-引き裂かれたソウル』が出た。レイ・チャールズの評伝本で知られるデイヴィッド・リッツが'80年代に発表した名著と謳われる本を吉岡正晴さんが翻訳した。この翻訳本を5名にプレゼント。
・モータウン・ゴールド
今回の特集に最も沿った形で編纂されているCDもプレゼント。2005年にモータウン45周年を記念して、日本のユニヴァーサルが組んだコンピレーション『MOTOWN GOLD』。こちらも5名にプレゼント。締め切りは7月中旬。
■リクエスト・お便り・プレゼントの宛て先:
〒102-8080 東京FM「山下達郎サンデー・ソングブック」係
■今後の予定
06月28日は、「モータウン特集アーカイヴス PART 2」
http://www.smile-co.co.jp/tats/
夕方には帰ってきたんですが、記事のブログへのエントリーは
その日のうちにできませんでした。
特集になるといろいろと手間取ります。