SOUND AVENUE 905 Motoharu Radio Show #14

2016年01月07日 | Motoharu Radio Show

2016/01/05 OnAir - 1st. Week - 伊藤銀次、杉真理、佐野元春が贈る新春DJトライアングル #1
01.佐野元春:スターダスト・キッズ
02.伊藤銀次:そして誰のせいでもない
03.佐野元春 & ザ・コヨーテバンド:あつさのせい
04.杉真理 & 坂崎幸之助:長い休暇をもう一度
05.The Rolling Stones:(I Can't Get No) Satisfaction
06.大滝詠一:こいの滝渡り
07.伊藤銀次:夜を駆けぬけて
08.杉真理:マイルドでいこう
09.大滝詠一:青空のように
10.ナイアガラ・トライアングル:A面で恋をして
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■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは佐野元春です。この番組は東京赤坂TBSのスタジオからお届けしています。あけましておめでとうございます。Motoharu Radio Show、本年もこの番組でしか聴けないごきげんなプレイリストを用意してリスナーのみなさんに楽しんでいただきたいと思います。さて新年早々、今スタジオには素晴らしいゲストを迎えています。今夜はMotoharu Radio Show特別番組、伊藤銀次、杉真理、佐野元春が贈る新春DJトライアングル。今週来週と二週にわたってお届けします。チューニングはそのまま、これからの一時間、みなさんと一緒に楽しい時間を過ごしていきたいと思います。火曜の夜はMotoharu Radio Show。DJ、佐野元春でお送りします。

佐野元春 : さて今年は干支でいうと申年。自分事になりますが今年僕は年男なんですね。縁起がいいのかそうじゃないのかよくわかりませんれども、何はともあれ気を引き締めてやっていきたいと思っています。みなさんはこの年明けどう過ごされていますか? 今夜スタジオには素晴らしいゲストが来てくれています。伊藤銀次そして杉真理、あけましておめでとうございます。今週来週と二週にわたっての放送、よろしくお願いします。新春DJトライアングルということで、それぞれ独自のDJスタイルを持った二人に来ていただきました。そこで今夜のMotoharu Radio Showは番組を三等分して銀次、杉くん、僕とひとりずつ、それぞれのスタイルでDJをやっていこうという、そんなアイディアでいきたいと思います。よろしくお願いします。まずはこのアイディア、言い出しっぺの僕からいってみたいと思うんですけれども、この曲から聴いていただきます。このレコーディングでは杉くんがコーラスに参加してくれました。途中、僕と杉くんのハーモニー聴いてみてください。佐野元春「スターダスト・キッズ」。

・スターダスト・キッズ
レコーディングは六本木のソニー・スタジオで行われた。杉真理はハートランドと輪になってコーラスをしたのを覚えてるという。「でもいちばん目立ったのはやっぱり杉くん(笑)」と元春。杉真理の「Nobody」と「内気なジュリエット」に元春はコーラスで参加している。'80年代はよくレコーディングでハーモニーをしあうというところで交流していたそうだ。

・そして誰のせいでもない
伊藤銀次の1982年のアルバム『Baby Blue』のために元春が書き下ろした曲。伊藤銀次はハートランドのギタリスト、レコーディング・プロデューサーとして元春と関わっていた。当時、久々にソロ・アルバムを出すことになり銀次から元春に曲を書いてほしいと依頼したそうだ。「当時ね、あっ、僕はそういうふうに見えてるんだなと思った。自分では自分はこうだと思ってるんだけれど、佐野くんの目から見た僕の声とかキャラクターをこういうふうに見てくれてるんだなと思ってね、それがすごくうれしかった」と銀次。元春は「自分で言うのも(笑)、アレですけれどいい曲。曲だけじゃなくてね、その曲を表現する演奏も何か温かみがあってね、テンポもいいし、銀次のヴォーカルが生きてる演奏だなと感じますね」と話す。ポップな曲、男の子の曲を歌ってもらいたい気持ちがあったとか。

元春 : 僕たちの指導者、グルーでもあった大滝詠一さんの曲を、実をいうとカヴァーしたんです。あまり他の人の曲を、ステージではときどきやるけれども、正式にカヴァー曲として...

銀次 : 日本人の曲あまりやんないもんね?

真理 : 風街レジェンドではっぴいえんどに混じって佐野くん歌ったじゃない、大瀧さんの曲を。あれはすごかったよ。みんな言ってたでしょ?

元春 : 松本さんアニバーサリーの一環ではっぴいえんどのお三方に声をかけていただいててね、大瀧さんの曲を歌ってくれと。

銀次 : よかったのはね、大瀧さんみたいに歌ってなかったのがよかった。

元春 : あー(笑)。

真理 : 見たことのない大瀧さんの要素があって、佐野元春で、ちょうどいいところが出てたんだよね。驚いた。

元春 : あのー、はっぴいえんどのお三方がこの曲をと言って「はいからはくち」を選んでくれて、僕はすごくうれしかったんですね。というのは大瀧さんははっぴいえんどの中じゃ最もロッカー、ロックンローラーでしょ。ソロを聴いてもそうですし、はっぴいえんどの中でも大瀧さんの書いてる曲はロックンロールだよね。中でも「はいからはくち」というのはそういうブルース・ロック...

銀次 : 当時としては日本語のかなり冒険的なロックンロール・ソングだよね。

元春 : で、その曲をやってほしいといことで、僕、はりきって歌いました。

銀次 : はりきってた(笑)。ふふふ。とってもよかった。

元春 : 松本さんがやっぱり、はっぴいえんどオリジナル三人で演奏するの、だいぶしばらくぶりだということで、リハーサルのときなんて四苦八苦していたけれど、本番では見事にね、きちっと演奏して...

真理 : ドラム・ソロ、かっこよかった、すごく。

元春 : あと僕は細野さんのベースを右で感じながら歌ったんですけれども、細野さんのベースを間近で聴いて驚いたのは、アタックがすごくはっきりしてるんですね。なのですごくリズムを感じるっていうのか、松本さんのドラムよりも、むしろ細野さんのベースが全体のビートを...

銀次 : はっぴいえんどのリズム・キーパーなんだね。なるほど。

元春 : 引っ張ってる。それをね、実際、生で感じられたのがうれしかった。

銀次 : いいね。ふふふ。

元春 : そういうことで、僕ちょっと大瀧さんのカヴァーをしたくなって、シングル、コヨーテバンドとこの曲やろうよと言ってやった曲があるんです。これははっぴいえんど曲じゃないんですけれども「あつさのせい」。

真理 : ファースト・アルバムの

元春 : そう(笑)。この曲もロックンロールなんだよね。

銀次 : すごくソウルフルなナンバーですよ。

元春 :僕の解釈でカヴァーした大瀧さんのこの曲をお二人に聴いてもらいたいと思って持ってきました。「あつさのせい」。

・あつさのせい

銀次 : えっ、間奏弾いてんの?

元春 : 間奏弾きました。マンドリンとエレキで。

真理 : マンドリン弾いてんの? うおっーーー。

元春 : マンドリン弾きました。

銀次 : なんかすごくね、ポーグス聴いてるみたい。アイリッシュなにおいと、カントリーとアイリッシュとそれとR&Bが混ざった感じ?

元春 : そうです。オリジナルはどちらかというと南部ロック的な...

真理 : 泥臭い感じ

元春 : それをちょっとサンフランシスコのバンドが、例えばクリアデンス・クリアウォーター・リヴィヴァルがカヴァーするとどんな感じか、そういう想定で。二人に聴いてもらってよかったです。

●杉真理のコーナー

・長い休暇をもう一度
人との共作が多いという杉真理。一昨年、2014年出したアルバム『THIS IS POP』で坂崎幸之助とコラボしたのが「長い休暇をもう一度」。お互いビートルズが好きだという共通点があるとか。坂崎幸之助がビージーズが好きで、ビージーズが上手いことをリハーサルを聴いてて知ってたので、ビージーズの影響を受けて作った曲。杉真理は尊敬する先輩の大瀧詠一と一緒に『Niagara Triangle Vol.2』を作ったが、坂崎幸之助は加藤和彦とコラボしている。残念なことにもう加藤和彦も大瀧詠一もいなくなって二度と一緒に歌えなくなったが、そのことを歌詞にしてみたという。この曲を杉真理は元春のところに送ったことがある。「この曲を初めて聴いたとき僕は小躍りしましたね。ビージーズLOVE、ビージーズ愛にあふれたプロダクションというか、聴く人が聴いたらね、膝を打つような小さなアイディアがいっぱい詰まってるよね」と元春。大瀧詠一もビージーズが好きだったことを杉真理は後で知ったとか。

やまいだれ教授によるアレルギー反応の講義。くしゃみもアレルギー反応のひとつ。極まれに砂鉄にアレルギー反応を示す人がいる。「砂鉄ハックション(くしゃみ)」。

・(I Can't Get No) Satisfaction

大瀧詠一はいろんな面を持った人で、すごい悪ふざけする、お祭りみたいなところを持っていた。「そういうところを僕と銀次さんは受け継いでいる気がしている(笑)」と杉真理。「僕もこっそり受け継いでいる(笑)」と元春。大瀧詠一のすごく面白くて、でも音楽性が深い曲はたくさんあって、杉真理が好きなのが「こいの滝渡り」。

・こいの滝渡り

●伊藤銀次のコーナー

伊藤銀次の1985年のシングル「夜を駆けぬけて」。ロックンロールのシングルがやりたくなって、どうしてもパンチのあるコーラスが必要になり元春に連絡したそうだ。最初はコーラスの依頼だったが二人でアイディアを出しあってるうちに、ジャクソン・ブラウンとブルース・スプリングスティーンのデュエットの曲のようになってしまったという。VISITORS TOURの中でも歌ったとか。

・夜を駆けぬけて
「コーラスをと言われたんだけれど歌ってるうちに自分の曲のように感じてきてね」と元春。「本当は作詞の印税を上げなきゃいけないくらい(笑)、いいアイディアを出してくれてね」と銀次。

伊藤銀次と杉真理のコラボ。出版社が同じでライヴを一緒にしようということになり、ライヴだけではなく曲を作ることになったそうだ。銀次は杉真理のことを「南っぽい曲」が好きな印象があって、ぱっと閃いたのが「Born To Be Wild」(邦題「ワイルドでいこう」)。オリジナルはセブンスのコードで動いているけれど、それをメジャー・セブンにして「マイルドでいこう」にしようと杉真理に提案。二人でアイディアを出しあってるうちにあっという間にできたとか。ライヴでは渡辺シュンスケも参加したマイルド・ヘブンで演奏。2008年のアルバム『魔法の領域』に収録されている。

・マイルドでいこう
・青空のように

大瀧詠一が亡くなったときに伊藤銀次ははっぴいえんどの1枚目から聴き直したのだという。アルバム『Niagara Calendar』の「青空のように」まで来たときに、自分の音楽と言葉にシンクロするものを感じたのだとか。伊藤銀次の曲はよく「ウキウキ・ミュージック」と言われるそうだ。「青空のように」は大瀧詠一のウキウキ・ミュージックだと思ったという。松本隆の作詞ではなく大瀧詠一自身の作詞。松本隆のようにリリカルではないかもしれないが、言葉とメロディがぴったりとしていて洋楽のような作り。「これを聴いていたら心がワクワクしてね。そうか、僕と大瀧さんとはやっぱり接点があったんだと思ってね。それでね、これを僕は弾き語りとかで歌うようにしてるの。だから僕は大瀧さんを継ぐことはとても偉大な人で継げないけれども、少しでもね、僕とクロスしているその部分を大事にしてね、大瀧さんを継いでいこうと思ってね、それでこれ必ずいつかカヴァー、CDにしようと思ってる」と銀次。元春は「なんかそこに僕参加したい感じ」と話している。

・A面で恋をして
1982年のアルバム『Niagara Triangle Vol.2』から作詞:松本隆、作曲:大瀧詠一で「A面で恋をして」。

佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show、楽しんでいただけましたか? 番組では専用のアプリケーションも用意しています。本日のオンエア曲、番組で紹介したプレイリストがチェックできるので是非、活用してください。ダウンロードは専用ウェブサイトでご案内しています。http://www.moto.co.jp/MRS/ 来週のこの時間も新春DJトライアングル。伊藤銀次、杉真理をゲストに迎えてお届けします。お楽しみに。Dj、佐野元春。ではまた来週。

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