THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show #09

2020年08月28日 | Motoharu Radio Show

第9回 : オルタナティヴ・カントリー
M1. Counting Crows / Daylight Fading
M2. The Wallflowers / 6th Avenue Heartache
M3. Uncle Tupelo / The Long Cut
M4 Wilco / Far, Far Away
M5. Son Volt / Cemetery Savior
M6. Flying Burrito Brothers / Christine's Tune
M7. Ryan Adams / Answering Bell
M8. The Long Ryders / Looking For Lewis And Clark
M9. Steve Earle / Copperhead Road
M10. 佐野元春&THE HOBO KING BAND / 風の手のひらの上
M11. 佐野元春&THE HOBO KING BAND / ロックンロール・ハート
M12. The Jayhawks / I'd Run Away
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■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは。佐野元春です。今夜の特集「オルタナティヴ・カントリー」のレコードを集めてみます。THE MUSIC OF NOTE、Motoharu Radio Show。DJ、佐野元春でお送りします。

・Daylight Fading
1曲目はカウンティング・クロウズ、1996年のレコード「Daylight Fading」。

・6th Avenue Heartache
ボブ・ディランの息子ジェイコブ・ディランのバンド、ウォール・フラワーズの1996年のレコード「6th Avenue Heartache」。

佐野元春 : カントリー・ミュージックというと日本ではあまり馴染みがありません。しかし米国ではカントリー・ミュージックというと自分たちの音楽だという、そんな思いがあると思います。日々の生活に根ざした歌ですね。アメリカ人がいちばんよく聴いてる音楽、それがカントリー・ミュージックです。そのカントリー・ミュージックは歴史の中でロック、ポップ、ジャズ、そしてブルースといった他のいろいろなジャンルの音楽と混ざり合って、今でも発展しています。中でもオルタナティヴ・カントリーと呼ばれたジャンル。'70年代のカントリー・ロック、そして'80年代のパンク・ロックを通ってきた新しい世代のカントリー・ミュージックが'90年代に出てきました。今夜のMotoharu Radio Show、そんなオルタナティヴ・カントリーのレコードを聴いています。このジャンルの音楽ということでまず聴いてみたいのはこのバンドですね。アンクル・テュペロ。後にサン・ボルトというバンドを組むジェイ・ファラー、そして後にウィルコを結成するジェフ・トゥイーディ。この二人がいたバンドです。ではそのアンクル・テュペロの曲、さっそく聴いてみたいと思います。1993年のレコードから曲は「The Long Cut」。

・The Long Cut

佐野元春 : 今聴いたアンクル・テュペロ。オルタナティヴ・カントリーというかたちを最初に見せたバンドだと言われています。そしてこのアンクル・テュペロからはふたつのバンドが生まれます。ひとつはジェイ・ファラーが作ったサン・ボルト。そしてもうひとつはジェフ・トゥイーディが作ったウィルコです。どちらも演奏力の高い素晴らしいバンドです。特にウィルコ。個人的にはソングライターのジェフ・トゥイーディの曲、好きですね。実験的なサウンドの中にもポップなひらめきがあって聴いていてとても楽しいです。ではここでバンド、アンクル・テュペロから別れたふたつのバンド、ウィルコ、そしてサン・ボルト。それぞれのレコードを聴いてみます。ウィルコ、「Far, Far Away」。そしてサン・ボルト「Cemetery Savior」。2曲続きます。

・Far, Far Away
・Cemetery Savior

佐野元春 : THE MUSIC OF NOTE、Motoharu Radio Show。今夜はオルタナティヴ・カントリーの特集をやってます。もともとロックンロール・ミュージックとカントリー・ミュージック、水と油のような関係でした。それらをかっこよくミックスしたミュージシャンがいます。グラム・パーソンズですね。もともと'60年代のバンド、ザ・バーズにいた二人、グラム・パーソンズ、そしてクリス・ヒルマン。この二人が中心になって結成したのがフライング・ブリトー・ブラザーズというバンドです。今夜特集しているオルタナティヴ・カントリー・ミュージックの言ってみれば土台になったような偉大なバンドですね。残念ながらグラム・パーソンズは26歳のときにオーバードーズで亡くなってしまうんですけれども、彼らが残したアルバム、その後に出てくる、例えばライアン・アダムスといった新世代のオルタナティヴ・カントリーのミュージシャンたちに大きな影響を残しました。では彼らのレコードを聴いてみたいと思います。フライング・ブリトー・ブラザーズ、曲は「Christine's Tune」。そしてライアン・アダムス、「Answering Bell」。2曲続きます。

・Christine's Tune
・Answering Bell

佐野元春 : こうして聴いてみると'80年代以降の新しい世代のオルタナティヴ・カントリーのバンドというと、世代的なものもあってパンクの要素なんかも感じます。そこがおもしろいですね。'80年代中盤、ウィルコをはじめとしたオルタナティヴ・カントリー音楽のブームがやってきます。当時僕もとても興味を持って見ていました。ではそのあたりのバンドのレコードを聴いてみたいと思います。ひとつはザ・ロング・ライダーズ、「Looking For Lewis And Clark」。そしてスティーヴ・アール、「Copperhead Road」。2曲続きます。

・Looking For Lewis And Clark
・Copperhead Road

佐野元春 : さて、ちょうど同じ時代、自分はこのアルバムを作っていました。1997年に出したアルバム『THE BARN』。アメリカ、ウッドストックでジョン・サイモン・プロデュースのもとに作った、言ってみればオルタナティヴ・カントリーのアルバムです。このアルバムでヴァッキングを務めてくれたのはザ・ホーボーキングバンドですね。ギター : 佐橋佳幸、ピアノ : Dr.kyOn、ベース : 井上富雄、ドラムスに小田原豊、そしてオルガンに西本明。当時の僕にとって最強のヴァッキング・バンドでした。その彼らを連れて僕らは米国のウッドストックに行きます。そこで待っていてくれたのはプロデューサー、ジョン・サイモンですね。知ってる方もいると思います。'60年代にザ・バンド、ジャニス・ジョップリン、そうしたアーティストをプロデュースした米国の名プロデューサーですね。彼のプロデュースのもとレコーディングしてみようということで僕らはアメリカに行くんですけれども。場所をいうとニューヨークから北にクルマで約3時間ぐらいのところ、ベアズヴィルという街があります。そこで僕らは約一ヶ月間ぐらい滞在してレコーディングしました。1997年の夏でしたね。そこで作ったこのアルバム『THE BARN』。"BARN"というのは日本語でいうと「納屋」という意味ですね。ちょうどレコーディングしていたスタジオが納屋を改造して作ったという話を聞いて、アルバム・タイトルはそのまんま"BARN"にしました。振り返ってみてこのレコーディングは本当に僕にとっていい経験になりました。レコーディングにはザ・バンドからガース・ハドソンですね、そしてラヴィン・スプーンフルからジョン・セバスチャンが参加してくれて、すごい楽しいセッションになりました。では僕とホーボーキングバンドのレコード、アルバムの代表曲といっていいこの曲を聴いてください。「風の手のひらの上」。

・風の手のひらの上

佐野元春 : ホーボーキングバンド、レコーディングしたこのとき、なんとバンドを結成してまだ一年目でしたけれども、今聴いてみるとすでにバンドの方向性はしっかりと定まっていたんだなという感じですね。当時、自分が思っていたのはとにかくリアルなバンド・サウンドを奏でたいということでした。コンピューターとかサンプリングされた音ではなく、バンドのよい演奏をみんなに楽しんでもらいたい、そんなふうに思っていました。ではアルバム『THE BARN』からもう一曲聴いてください。この曲ではラヴィン・スプーンフルのジョン・セバスチャンがハーモニカと歌で参加してくれました。彼の素晴らしいハーモニカ・ソロに耳を澄ましてみてください。「ロックンロール・ハート」。

・ロックンロール・ハート

佐野元春 : うん。佐野元春 & ザ・ホーボーキングバンド。1997年のレコード「ロックンロール・ハート」聴いていただきました。今、番組でかけたのは最新リマスタリングの音で聴いていただきました。すごくいい音ですね。マスタリング・エンジニアはテッド・ジャンセン。ここ15年くらい一緒にやっている信頼できるマスタリング・エンジニアです。来月発売される僕のベスト盤あるんですけれども。デビューして曲を長くやっているので上巻下巻みたいにふたつのセットにまとめて出します。かなりいい音になってるので、ぜひ手に取って聴いてみてください。さて、残り時間も少なくなってきました。今日特集したオルタナティヴ・カントリーの音楽。日本ではあまり紹介されないジャンルの音楽ですけれども、いろいろと聴いてみると、リリックなんかも、なかなか奥の深い人生の歌などがあったりして楽しいです。今日の特集を聴いてオルタナティヴ・カントリーの音楽、興味を持ってくれたらうれしいです。ラストの曲はザ・ジェイホークス、「I'd Run Away」。

・I'd Run Away

佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show。楽しんでもらえましたか? さて来週は「サイケデリック・ポップ」ですね。楽しいレコード集めてみたいと思います。「THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show」。次回の放送は来週9月4日、よる9時から。同じステーション、同じ時間でみなさんとお会いしたいと思います。DJ、佐野元春。ではまた来週。

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