読書日記

2008年08月29日 | 佐野元春

先日の「サマー・ロックトークセッション」で佐野元春が話していたように
先月の日経新聞水曜夕刊の連載コラム「読書日記」は佐野元春が担当しました。
未入手の2週分を図書館に行って閲覧してきましたので、
遅くなりましたが紹介します。

 ■『ビル・グレアム ロックを創った男』
ビル・グレアム、 ロバート・グリーンフィールド著、 奥田祐士訳、 大栄出版


●7月2日
『ビル・グレアム ロックを創った男』
「文化」をプロモートする際の原則

[佐野元春のコラムから]
ビル・グレアムはアメリカのミュージック・ビジネス界に功績を残した
偉大な音楽プロモーターのひとりだ。
本書は、彼の伝説とも言える軌跡を本人の証言と関係者の証言で追っている。
金と名誉だけが動機ではない、ロック音楽という「文化」をプロモートする際の
原則について考えさせられる書物だ。

ビル・グレアム ロックを創った男』を購入する。




■『クール・ルールズ』
ディック・パウンテン、 デイヴィッド・ロビンズ著、 鈴木晶訳、 研究社

7月9日
『クール・ルールズ』
「クール」な生き方の魅力

[佐野元春のコラムから]
本書は、映画、音楽、文学、ファッションなどに散見する「クール」な事象を例に、
その本質について論じている。

「クール」は限りなく個人的な課題だ。ロックンロール音楽の恩恵を受けてない者に、
どんなにその魅力について語っても通じないように、「クール」というセンスを意識できる者と
できない者との差は大きいかもしれない。


クール・ルールズを購入する。




■『百年の愚行』
小崎哲哉・Think the Earthプロジェクト編、 紀伊国屋書店



●7月16日
『百年の愚行』
100枚の写真 償いの時教示

[佐野元春のコラムから]
本書は、二十世紀を振りかえり、百年にわたって人類が行ってきた数々の「愚行」を
約百枚のドキュメント写真で綴った「写真集」。

古い世界が回り続ける。「百年の愚行」として切り取られたひとつひとつの「窓」から、
静かに回り続けた二十世紀の地球を見つめる。
償いの季節がすでに訪れていて、後戻りはできない。

百年の愚行(オリジナル複写版)を購入する。
ノートリミングのオリジナル版。

百年の愚行(普及版)を購入する。




■『シェイクスピアのソネット』
ウィリアム・シェイクスピア著、 小田島雄志訳、 山本容子画、 文春文庫

●7月23日
『シェイクスピアのソネット』
愛や友情や嫉妬を巡って

[佐野元春のコラムから]
劇作家として著名な詩人シェイクスピアによる百五十四編のソネット集だ。

『シェイクスピアのソネット』 には、詩人とひとりの青年とある女性を巡る関係が
ロマンティックに描かれている。ここでは終始、一人称で語られているので
より直接的に詩人の声が響いてくる。洋の東西を問わず、
愛や友情や嫉妬といった感情は詩人にとって永遠のテーマだ。
この夏、そんな詩人たちの声に耳を傾けてもいい。

シェイクスピアのソネットを購入する。




■『何用あって月世界へ』
山本夏彦著、 植田康夫選、 文春文庫

●7月30日
『何用あって月世界へ』
権威への不信と批評精神

[佐野元春のコラムから]
もしも君が、人生の達人による辛口のコラムに触れてみたいなら、ぜひ一読を薦めたい本がある。
絶妙な語り口で私たちの社会を辛口に捉えた山本夏彦氏のコラムは、読めば気分爽快、
あぁ、なるほどと膝を打つことまちがいなしだ。
本書は、彼の過去のコラム集からよりすぐりの一句を集めた選集だ。
権威への不信と批評精神、そして斜に構えたユーモアのセンス。
わたしたち読者はそんな著書の毒気ある無邪気に、楽しく翻弄されるのである。

何用あって月世界へを購入する。


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