
<04月19日プレイリスト>
[エリー・グリニッチ特集 1]
CHA CHA CHARMING/ELLIE GAYE '58
I GO, YOU GO/ELLIE GEE & THE JETS '60
THE KIND OF GIRL YOU CAN'T FORGET/THE RAINDROPS '63
WHY DO LOVERS BREAK EACH OTHER'S HEARTS/BOB B. SOXX & THE BLUE JEANS '63
DA DOO RON RON/THE CRYSTALS '63
WAIT 'TIL MY BOBBY GETS HOME/DARLENE LOVE '63
THEN HE KISSED ME/THE CRYSTALS '63
BE MY BABY/THE RONETTES '63
BABY I LOVE YOU/THE RONETTES '63
NOT TOO YOUNG TO GET MARRIED/BOB B. SOXX & THE BLUE JEANS '63
CHRISTMAS(BABY PLEASE COME HOME)/DARLENE LOVE '63
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■内容の一部を抜粋
・近況
相変わらず前倒しで番組を収録している。12月からはじまったライヴもいよいよ残すところあと7本。明日20日、明後日21日は横浜の神奈川県民ホール(略してカナケンとタツローさんたちは呼ぶらしい)でライヴ。横浜は10年ぶり。6年前のRCA/AIR Years Tourはホールが混んでて取れなかったという。10年前も混んでて1日しか取れなかったそうだ。16年ぶりの神奈川県民ホール二日公演になるという。そして今週24日(金)・25日(土)は北海道厚生年金会館。札幌は6年ぶり。「どちらのお客様もお待ちしております」とタツローさん。ツアーのスケジュール、追加公演の情報はタツローさんのホームページに掲載されている。
http://www.smile-co.co.jp/tats/
・ELLIE GREENWICH(エリー・グリニッチ)特集
この十日間で6本ライヴというスケジュール。ここを待っていてソングライター特集をやろうと計画していたそうだ。意外に取り上げる相手が大きすぎて、音源は揃っているものの資料がなかなか読み切れなかったとか。ジェフ・バリー、エリー・グリニッチは1960年代を代表するアメリカのソングライター。特にアイドル歌謡、ガール・ポップ、ロックンロール、そうした分野では五指に入る。今回はエリー・グリニッチに焦点を絞り特集、2週の予定だが、ヒット曲も名曲も多い人なので、じっくりやっていくとタツローさん。
・エリー・グリニッチ
1940年10月23日、ブルックリン生まれ。68歳。10歳でロングアイランドに移った。小さい頃から歌が好きで、歌手を目指し、大学に入る頃からいろいろなオーディションを受ける。それが実り1958年にエリー・ゲイという名前でRCAからシングルを発表する。
・CHA CHA CHARMING
物の本によるとシングル「SHILLY ISN'T IT」のB面となっているが、実際には「CHA CHA CHARMING」がA面というようなきれいなメロディになっている。日本では大瀧詠一さんがシリア・ポールさんのアルバムをプロデュースしたときに取り上げて有名になっている。
・I GO, YOU GO
後に結婚するジェフ・バリーとは1960年前後に知り合ってステディとして仲良くなっている。ジェフ・バリーはその当時音楽界で働いており、ニューヨーク・マンハッタンのジェフ・バリーのスタジオへ行って、彼のデモ・テープの歌などを手伝っていたとか。それを聴いたレコード会社のプロデューサーが気に入ってエリー・ジー&ザ・ジェッツという幽霊グループをでっち上げ、ジェフ・バリーの作品「RED COLVET」のB面に収録してくれたという。しかし「CHA CHA CHARMING」も「I GO, YOU GO」もヒットしなかった。いい声をしているのでチャンスがあれば成功していたかもしれないが、鳴かず飛ばずで歌手としては目が出なかった。
・THE KIND OF GIRL YOU CAN'T FORGET
大学に入ると、ソングライターとしてジェリー・リーバー、マイク・ストーラーの目に留り、トリオ・ミュージックという出版社と契約。1962年にジェフ・バリーと婚約・結婚するのを機会に、ジェフ・バリーもトリオ・ミュージックに入り、「バリー/グリニッチ」という夫婦ソングライター・コンビで曲を書くようになった。二人で作ったデモ・テープをそのままシングルにしたところ、何枚かヒット曲を連発し、レインドロップスという幽霊グループを作りアルバムを制作することになった。「THE KIND OF GIRL YOU CAN'T FORGET」はレインドロップスのセカンド・シングルで全米17位。
・デモ・クィーン
当時、女性はほとんどがコーラス・シンガーか作詞家、ほんの一握りがピアノ・プレイヤーか作曲家でスタジオで働いていた。譜面の読譜を学んで3時間に17曲のコーラスをこなすコーラス・シンガーをアフター・シンガーと呼ぶが、エリー・グリニッチはアフター・シンガーではなく、自分でコーラスのパートを考え、自分で歌う、そしてダビングを学ぶということをやりはじめ、デモ・クィーンと呼ばれるようになった。いろんな出版社で他の作家に雇われてデモ・テープで歌うことをずいぶんやったのだという。コニー・フランシスとかダスティ・スプリングフィールドはエリー・グリニッチの歌を評価したという。
・WHY DO LOVERS BREAK EACH OTHER'S HEARTS
作家としてのバリー/グリニッチを売れっ子にしたのは他ならぬフィル・スペクターだった。フィル・スペクターがフィレス・レーベルを立ち上げたのが1963年。バリー/グリニッチのフィレス・レーベルのいちばん最初の当り作はボビー・B・ソックス&ブルージーンズの「WHY DO LOVERS BREAK EACH OTHER'S HEARTS」。1963年の全米38位。ボビー・B・ソックス&ブルージーンズは男性シンガーのボビー・シーンと女性シンガーのダーレン・ラブが織りなす半分でっち上げのグループ。
・DA DOO RON RON
バリー/グリニッチの待望のベスト10ヒットとなったのはクリスタルズの「DA DOO RON RON」。1963年全米3位。作詞作曲はジェフ・バリー、エリー・グリニッチ、フィル・スペクターの三者クレジットとなっているが、たぶんフィル・スペクターは印税稼ぎで、アイディアを出すとかそういうレベルでの参加ではないかとタツローさん。
・フィル・スペクター
1960年初期当時のアイドル歌謡は、歌手、作曲、出版社、プロデュース、レコードのレーベルが全部別々に取り仕切られていて分業の時代だった。フィル・スペクターはそれをひとりで掌握しようとして出てきた。
・運転免許以外で何か資格を持ってますか?
リスナーからの質問。「よく考えると僕は運転免許以外の資格を何も持ってないということがわかりました。なんかちょっと寂しい気がしますがですね(苦笑)」とタツローさん。
・WAIT 'TIL MY BOBBY GETS HOME
番組の後半はフィレス・レーベル時代のバリー/グリニッチの作品。
ダーレン・ラブのソロ名義のシングル。全米26位。アレンジはジャック・ニッチェ。タツローさんがフィル・スペクター関連の全作品の中でとりわけ好きな1曲だとか。
・THEN HE KISSED ME
ダーレン・ラブのヒットの1ヶ月後に出たクリスタルズのヒット曲。全米6位。後にビーチボーイズがカヴァーしたことでも知られている。
・BE MY BABY
クリスタルズのヒット曲と同時期にヒットしたロネッツの曲。エリー・グリニッチの中でも最も知名度の高い1曲。ロックンロール史に燦然と輝く1曲。全米2位。
・BABY I LOVE YOU
今日の特集はすべて女性シンガーの曲。頭2曲以外は1963年の作品。そしてほとんどがフィル・スペクターのフィレス・レーベルのフィル・スペクター・プロデュースの作品。この1960年初期エリー・グリニッチは40曲前後しか書いてないそうだ。ロネッツの「BE MY BABY」の次の曲、1963年の暮れに発表された「BABY I LOVE YOU」は全米24位だが、今やロックンロールのスタンダードとなっている。
・NOT TOO YOUNG TO GET MARRIED
1963年夏のボビー・B・ソックス&ブルージーンズの曲。全米63位。
・CHRISTMAS(BABY PLEASE COME HOME)
フィル・スペクターの作品は日本では契約の関係で「BE MY BABY」と「DA DOO RON RON」しか知られず1960年代は終わってしまう。その後、1970年代の中期になって広く知られるようになった。1963年の暮れに発表されたフィル・スペクターのクリスマス・アルバムからダーレン・ラブの曲。当時クリスマス・アルバムは売れなかったという。今の若い世代にはマライア・キャリーのカヴァーのほうがよく知られているかもしれない。
■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM「山下達郎サンデー・ソングブック」係
■今後の予定
04月26日は、引き続き「ELLIE GREENWICH(エリー・グリニッチ)特集」
そういえば最近これ買った。
http://www.amazon.co.jp/dp/B001EI5ODK/
他のに紛れてちゃんと聞いてない...