Sunday Song Book #1487

2021年04月11日 | Sunday Song Book

2021年04月11日プレイリスト「極私的 村上"ポンタ"秀一 追悼 Part 1」
1. LOVE SPACE / 山下達郎 "スペイシー" "オーパス" '77
2. 雨の女王 (LIVE) / 山下達郎 "イッツ・ア・ポッピン・タイム" '78
3. PAPER DOLL (LIVE) / 山下達郎 "イッツ・ア・ポッピン・タイム" '78
4. DANCER / 山下達郎 "スペイシー" '77
5. MONDAY BLUE / 山下達郎 "ゴー・アヘッド" '78
6. 個室 / 中原理恵 "キリング・ミー" '78
7. I'VE GOT YOU UNDER MY SKIN / 村上"ポンタ"秀一 with 山下達郎 "WELCOME TO MY LIFE" '98
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■内容の一部を抜粋
・近況
前日の番組収録だが、日曜日は久しぶりに全国的に晴れの予報。先週の東京は、夜は肌寒い日が続いたとか。花冷えというやつ。季節の変わり目で、温度差が激しい日が続いているので、くれぐれもお身体大事に、と達郎さん。

・極私的 村上"ポンタ"秀一 追悼 Part 1
3月9日に日本を代表するドラマーのひとり村上"ポンタ"秀一さんが亡くなった。享年70歳。達郎さんとポンタさんは古い付き合いで、特に1977年から79年まではレコーディングに参加してたので、達郎さんのミュージシャン・キャリアの中で重要な位置を占めるドラマーだった。その後もセッションでいろいろ楽しくやってきたという。追悼番組には抵抗がある達郎さんだが、大瀧詠一さんのことを語れるようになるまで7年かかったように、ほとぼりが冷めるのを待っていたとか。村上"ポンタ"秀一さんは日本を代表するドラマーで、特にスタジオ・ミュージシャン全盛期のときに数限りない仕事をやってきたが、今日は達郎さんの仕事の中でのポンタさんの思い出を話しながら特集するかたちにしたそうだ。曲が長いのであまりたくさんかけられないが今週は「極私的 村上"ポンタ"秀一 追悼 Part 1」。

・LOVE SPACE
1977年のセカンド・アルバム『SPACY』から「LOVE SPACE」。実は昨夜、1977、8年当時、ポンタさんとライヴをやっていた時代のライヴ・ソースを一晩中探したとか。全部、オーディエンスが録音したカセットテープなので音質は最低、しかも演奏を間違ってたり、歌も全然アレだったので、結局使えるものがなかったそうだ。

・雨の女王 (LIVE)
今から43年前の3月9日に六本木のピットインでライヴを行った。それが同年1978年の5月に『IT'S A POPPIN' TIME』というライヴ・アルバムになった。「その日の録音から43年経ってポンタさんが亡くなったっていう。なんか因縁めいたことでございますけれども」と達郎さん。ライヴ・アルバムだけど新曲を入れて、アナログ二枚組のA面は新曲が並んでいる。その中から「雨の女王」。ライヴ・アルバムのために書き下ろした新曲なので、従ってスタジオ録音の新曲がない珍しいパターン。「ポンタさんらしい、歌をよく聴いているテイクでございます」と達郎さん。この時代は村上"ポンタ"秀一さんのドラム、岡沢章さんのベース、松木恒秀さんのギター、坂本龍一さんのキーボード、達郎さんのギターで、少ない数だけどライヴをやっていたという。ライヴ・レコーディングは吉田美奈子さん、伊集加代子さん、尾形道子さんのコーラス、それから土岐英史さんのサックスという編成で行った。

・PAPER DOLL (LIVE)
この曲も六本木ピットインのライヴで初めて世に出た曲だが、実は1978年の春にシングル用にレコーディングをしたのだけど、レコード会社がボツにしたという。それが後に1978年のアルバム『GO AHEAD!』に収録される。なので曲はできていたが世に出たのは『IT'S A POPPIN' TIME』のヴァージョンが先になってしまった。「ですのでアレンジも若干違うんですけれども、このPAPER DOLLのヴァージョンはシカゴ・ソウルのムードいっぱいの完璧なリズム・セクションのタイムでございまして。ひじょうにいいトラックになりました」と達郎さん。『IT'S A POPPIN' TIME』から「PAPER DOLL」。
曲をかけ終えて。
「こういうビートですと、またネットなんかで、あっ、TRIPPING OUTだとか、そういうのが出ますけれども。カーティスの『SOMETHING TO BELIEVE IN』のアルバムは80年の作品なんです。私の方が先なんです。それでその後にあまく危険な香りなので、ですね。ふふふ」と達郎さん。

『IT'S A POPPIN' TIME』は全員がまだ二十代の作品なんだとか。達郎さんが25歳、ポンタさん、岡沢さんが26歳、松木さんが30歳そこそこなのですごい老成感。
シュガーベイブを解散してソロになったとき、上手いミュージシャンとやりたかったそうだ。ミュージシャン一人ひとり、いろんな性格の人がいて、気難しい人や、ひじょうにエキセントリックな人とか。そんな中でポンタさんはひじょうに珍しい寛容な、どんな音楽に対しても偏見を待たないという寛容な人だったので、そういう意味ではアンサンブルをまとめるとか、軸になっていろんな人間関係をうまく取り持つ能力があったという。亡くなるまでずっと後輩をかわいがったり、いろいろなコミュニティーで人間関係をスムーズにしたり。その反面、大酒飲みということもあったが、誰にも愛されるキャラクターだった。70年代当時、16ビートが上手いミュージシャンはなかなかいなかったが、ポンタさんはずば抜けて上手い人だったので、そのポンタさんのドラムで曲をやろうと思いはじめたとか。「雨の女王」もポンタさんのドラムを想定したそうだ。アルバムを作るとき、シンガー・ソングライターであるけれど、ドラムがこういう人だったらこんな曲がいいんじゃないかという感覚が昔からあって、ポンタさんでやるならこういうかたちだということで、アルバムに曲を入れていたという。

・DANCER
1977年のセカンド・アルバム『SPACY』は村上"ポンタ"秀一さんのドラム、細野晴臣さんのベース、松木恒秀さんのギター、佐藤博さんのキーボードで、達郎さんにとってのドリーム・チーム。この編成は後にも先にも『SPACY』しかない。その中でこの曲はポンタさんでしかあり得ない、ひたすら16ビートで押しまくる一曲。アナログA面の最後に入ってる「DANCER」。
曲をかけ終えて。「DANCER」をサンプリングして歌を乗っけたヨーロッパのアレがあるそうだが、そういう話はまた後日。

・MONDAY BLUE
ポンタさんはアップも素晴らしいが、バラードも素晴らしい。特にライヴの場合はポンタさんに任しておけば全て段取りをきっちりと組んでくれるという。よく歌を聴いてる人なので、それはレコーディングでも変わらない。70年代にポンタさんが参加したレコーディングの中ではこの曲がベストの演奏のひとつという、1978年のアルバム『GO AHEAD!』に収録されている「MONDAY BLUE」。村上"ポンタ"秀一さんのドラム、岡沢章さんのベース、松木恒秀さんのギター、佐藤博さんのキーボード。

・個室
70年代に達郎さんが人に書いた曲をポンタさんに頼んだのもたくさんある。その中でこの曲はポンタさんのキャラクターがよく出ているとか。1978年に中原理恵さんのセカンド・アルバム『KILLING ME』に提供した「個室」。作詞は吉田美奈子さん、作曲と編曲は達郎さん。村上"ポンタ"秀一さんのドラム、岡沢章さんのベース、松木恒秀さんのギター、坂本龍一さんのキーボード。

今週から文春オンラインでポンタさんに関する長いインタビューを達郎さんは受けていて、3回に分けてそれが掲載されるという。個人的な交際の深い話は突っ込んだところまでインタビューで紹介しているとか。
https://bunshun.jp/articles/-/44612

・I'VE GOT YOU UNDER MY SKIN
今日の最後は1998年のポンタさんのソロ・アルバム『WELCOME TO MY LIFE』に収録されているコール・ポーターの「I'VE GOT YOU UNDER MY SKIN」。

■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
メール
https://www.tfm.co.jp/ssb/

2021年04月18日は、引き続き「極私的 村上"ポンタ"秀一 追悼 Part 2」
http://www.tatsuro.co.jp

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