3月12日、博多~新八代間の開業で全線開通した、九州新幹線。
ご存知の通り、前日に発生した東北関東大震災に配慮し、開業式典や出発式などのイベントは一切自粛。しかし、
「生活を支える鉄道はきちっと運行する。だから粛々と」(JR九州唐池社長)
予定通り開業することになりました。
筑後船小屋を6時に出発し、博多までを結ぶショートランナー「つばめ320号」が、筑後船小屋、久留米、新鳥栖駅にとっての初列車。静かに、日常に近い姿で営業を始めた筑後平野新幹線の初日の記録です。
開業準備を整えた、筑後船小屋駅。800系新幹線も、発車の時を待ちます。
駅構内には、かなりの数のスタッフが。イベントの類は中止ですが、予定通りのスタッフを配置させたのだと思います。
前夜から筑後船小屋駅に留め置かれ、折り返す つばめ320号。通常は熊本、鹿児島方面の乗り場になる、13番ホームからの発車です。
前日の地震の影響からか、博多発の1番列車ですら空席を残して発車したそうですが、320号の車内もご覧の通りでした。もっとも筑後船小屋駅に6時にたどり着く手段はクルマしかなく、徒歩圏内に宿泊施設も皆無。指定席も売り切れておらず、もともと余裕はあったようです。
午前6時、出発。新幹線らしい長いタイフォンが鳴らされ、見送るスタッフからは拍手ではなく手を振って見送られました。久留米、新鳥栖ともに同じで、ギリギリの範囲で認められた「セレモニー」だったのでしょう。
車内放送も、開業の事実自体を告げられず、通常通りの内容に終始しました。
白み始めた筑後平野を駆け、久留米市内へ。
久留米駅到着。指定席に乗り込んでくる人もおり、少し車内の人が増えました。
駅員に加え、久留米市のスタッフも手を振って見送ります。
再び筑後平野をユルユルと走り、新鳥栖駅。こちらも、多くの見送りの人が出迎えました。
大勢の報道陣の姿も。
トンネルを抜ければ、福岡市内へ。到着の車内放送も特別な内容ではなく、マイクの後ろからは無線の音声が流れ聞こえてきます。日豊本線が津波警報の影響を受けており、ソニック利用の方は駅の案内放送に注意とのこと。
博多終着の列車ですが、小倉方面にスルーできる15番ホームに到着。ホーム向かい側から発車する、東京行きのぞみと接続します。
博多駅での800系新幹線。今日からは日常の姿です。
「のぞみ」が発車した向かい側のホームからは、「さくら」の一番列車が、こちらも空席を残したまま、静々と発車していきました。
※九州新幹線開業前後の詳しい様子は、
「九州新幹線カウントダウン」で紹介しています。