Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

GW韓国【4】KTXの新駅を歩く

2013年05月08日 | ■韓国
 3年ぶりに乗った韓国高速鉄道・KTXは、次なるステージに進んでいました。
 日本でいえば東海道筋に当たるKTX京釜(キョンプ)線では、これまで在来線を活用して走っていた東大邱~釜山間に高速線が開業。「ほぼ」全線開業となりました。
 新線上に新慶州(シンキョンジュ)・蔚山(ウルサン)、さらに既存線上にも五松(オソン)・金泉(キムチョン)の4駅が開業。乗客も伸びてきているというKTXですが、新たに設けられた中間各駅はどのような姿なのか?初日に蔚山、最終日に五松駅をのぞいてきました。


【蔚山駅】完全なる空港スタイルの駅

 蔚山市は、日本の政令指定都市に当たる「広域市」。人口109万人を数え、現代自動車の工場を擁する企業城下町でもあります。在来線の京釜線は経由しておらず、もっぱら航空機や高速バスがアクセスを担っていましたが、KTXは蔚山を経由。一挙、国の主要幹線筋に位置することになりました。
 蔚山駅は、在来線とは別位置に設けられましたが、「新蔚山」ではなく蔚山と命名。在来駅の蔚山は太和江に改称しており、蔚山市のKTXに賭ける期待が伺われるようです。


 釜山駅からKTXに乗れば、わずか20分で到着。以前、地下鉄で30分、さらに市外バスで1時間かけて同じ道をたどったことがあるのですが、それを知る身には瞬間移動の感覚でした。


 ホームの裏は、山の中です。


 駅舎には広告の垂れ幕がかかり、まるで空港のよう。企業城下町らしく、現代自動車の車も展示されています。




 駅を出ると、駅舎と並行してバスとタクシー乗り場があり、これも完全な空港スタイル。しかもバスは「リムジンバス」と称します。ここまで徹底して空港的な駅は、日韓ではじめて見ました。


 駅左手には駐車場も多数用意され、マイカーも主要なアクセス手段を担います。広大な駐車場で利用者を獲得している、九州新幹線の新玉名駅を思い出しました。


 一方の駅舎右手には、広大な開発用地が。開業2年半にして空き地のままとは、分譲に苦戦中なのでしょうか? いっそ中継駅と割り切り、駐車場にしてしまった方が喜ばれるかも。


 そして駅正面には、巨大なクジラのモニュメントが なかなかの存在感を示します。工業都市として有名な蔚山ですが、かつては捕鯨の街として名を馳せました。今もクジラ料理が名物で、海辺にはクジラ博物館もあります。


 このような駅のため、列車が発着する時間を外すと、駅は閑散。列車の時刻が近づくにつれてバスや車で人が集まり始め、ソウル方面の列車が出発する前にはスーツ姿のビジネスマンでホームが埋まりました。平日の夕方とあって、出張帰りの利用が多かったようです。

 KTXの開業以降、ソウル~蔚山間の航空機は大減便となったそうですが、その実力をまざまざと感じた蔚山駅の1時間でした。


【五松駅】世宗市とともに発展を期する


 旅行最終日の5月6日、ソウルから新型KTX山河(左)に乗って、五松駅を目指します。


 釜山まで行かず、途中の東大邱駅で終着となる列車ですが、ほぼ満席の盛況。月曜日朝イチの出張族がメインで、朝の東海道新幹線のような雰囲気が漂っていました。


 約40分で五松駅着。停車する列車は多くないのですが、案外、大勢の人が降り立ちました。


 五松駅は、在来線の忠北線の駅に併設されています。五松駅は僕が10年前に留学していた忠清北道にあり、忠北線もよく利用していました。当時の五松駅は旅客扱いを休止しており、駅周囲も閑散とした雰囲気でしたが、今はビルが立ち並んでいます。
 九州新幹線の筑後船小屋が、普通電車のみの停車から、一気に大阪直通新幹線の停車駅に躍進した駅として話題になりましたが、それをも超える躍進劇を見せる駅です。


 「湖南高速鉄道第1-1工区建設工事」。
 現在、在来線を利用している湖南線KTXも、高速新線の工事が進行中。五松駅は、京釜線と湖南線の分岐駅としても計画されています。全通の暁には、晴れて乗り継ぎターミナルになります。


 駅舎に出てみれば、ガラン…。店舗もほとんどなく、蔚山駅とは比較にならないほど閑散としています。大きな駅舎は道の玄関口としての威信でもあるだろうし、将来的な需要増を見越しての投資でもあるのでしょう。


 数少ない店舗の中には、チェーン展開している鉄道テーマカフェ「DEL TREN」があり、鉄道ファンには見逃せません。


 駅前も、ガラン…。


 高架下には駐車場も設けられていますが、蔚山ほどの利用はなさそうです。


 五松駅は、韓国の行政機能移転先の都市である世宗市の最寄り駅でもあり、アクセス路線としてBRT(専用道を使ったバス高速輸送システム)が4月15日に走りはじめた…と、現地に行ってから知りました。
 帰ってから調べてみれば、ソウル市内や日本の気仙沼・大船渡線のBRTと異なり、クリチバのような立体交差もある本格的なBRTとのこと。事前に知っていれば、乗る時間を確保していたのに!
 現在のところは20分間隔、それもガラガラで走っているような状況でしたが、行政機能移転が進むに従って活況を呈していくのでしょう。


 五松駅の忠北線ホーム。1日上下各9本の発着しかなく、こちらには人っ子ひとりいませんでした。僕の留学先だった忠州へのアクセスにも一番便利なので、いずれまたこのホームから列車に乗る機会もありそうです。


 KTXの一期開業の際に設けられた光明、天安牙山は、年月とともに発展を続け、停車するKTXの本数も増えてきました。蔚山と五松は明暗を分けているように感じましたが、この先10年で、いずれも大きな変貌をとげることでしょう。
 旅行の際には、折に触れてその経過を見ていきたいと思います。

GW韓国【3】生まれ変わった青春の鉄路~京春線~

2013年05月08日 | ■韓国
 韓国鉄道・京春(キョンチュン)線は、冬ソナの舞台としても有名な街・春川(チュンチョン)とソウルを結ぶ路線です。沿線は自然豊かで、ハイキングやMT(大学のサークルorゼミ旅行)の行き先として人気を集めてきました。

 京春線に大きな変化が訪れたのは、2010年。これまでの単線非電化の線路をほぼ放棄して、複線電化の新しい路線に生まれ変わったのです。ディーゼル機関車の引くのんびりした「汽車」も、地下鉄スタイルの近代的な「電車」へ。本数も3倍以上と、一気に近代的な路線へと飛躍しました。
 日本に比べ、鉄道は単なる「輸送機関」という意識が強い韓国にあって、旧京春線の廃止時には名残惜しむ声が多く聞かれました。それだけ、ソウルの人にとって思い入れの強い路線だったのでしょう。

 僕にとっても、2001年の訪韓時に鈍行列車「統一」号で、ごとりごとりと2時間40分揺られた思い出の路線。生まれ変わった京春線の姿は? 春の陽気に包まれた5月4日土曜日、訪ねてみました。


 始発駅、上鳳駅に新型電車が滑り込んできました。アウトドアスタイルの乗客が目立ち、市内の通勤電車のホームとはちょっと違った趣です。


 最近の韓国の電車は、週末に限り自転車の持ち込みが認められています。日本でやったら大混乱になりそうだけど、自転車が普及していない韓国なら大丈夫…と思っていましたが、サイクリングに押し寄せる人で車内は自転車でいっぱい。早晩、今のやり方では限界になるかも…?


 韓国では珍しい「ママチャリ」の姿も。


 通勤時間帯並の混雑ですが、車内はなごやか。床に座り込む姿も、この路線ならどことなく馴染む気がします。沿線は、緑が濃くなってきました。


 「汽車」の通った旧京春線の鉄橋が、車窓をよぎります。


 北漢江沿いにはサイクリングロードが。自転車人口、確実に増えてきているみたいです。この人たちも、京春線に載せてきたのかな?


 だいぶ車内にも余裕が出てきました。固定台にようやく自転車を留められた親子。


 市内に近い、南春川駅で下車。通勤電車に変わっても、お出かけのウキウキ気分にあふれた列車でした。



 市内でタッカルビを食べた後、帰路に利用したのは「準高速列車」と呼ばれるITX青春。時速180kmを誇る俊足ランナーで、ソウル市内まで1時間を切ります。「汽車時代」の2時間超を知る身にとっては、隔世の感があります。
 週末を中心に予約の取りづらい列車で、午前中往路の列車は軒並み満席。復路も2日前の時点で、この後の電車は満席でした。


 目玉にもなっている二階建て車両。韓国唯一の存在です。


 2階建て車両の車内。なぜか窓は小さく、ワイドなパノラマとはいかないのが残念なところ。


 自転車の固定台は、ITXにも。通勤時には立ち席スペースにもなるようです。
 ちなみにITXは通勤電車とはまったく別の運賃体系になっていて、電車用の切符やカードで乗車した場合には即、不正乗車として扱われます。韓国の長距離列車乗り放題の「KR PASS」も、この列車に関しては適用範囲外です。
 通勤電車と同じホームに発着し、ドアの傍には吊り革やロングシートもあるので、日本人の感覚だと、料金不要の私鉄特急電車のようにも見えますが、ここは韓国。駅に着くたび、警告の放送が流れますが、もちろん韓国語オンリー。通勤電車と誤って乗らないよう、日本人には要注意です。


 途中駅には、MTに出かける大学生たちの姿も。昔も今も、「青春」を乗せて走る京春線です。


 中央線に乗り入れ、龍山駅に到着。快適な1時間あまりの旅路でした。


 ホーム上の機械にむらがる人々。ITXのきっぷを持ったまま地下鉄に乗り継ぐと入場記録が残らないため、ここで一旦カードをかざして、龍山駅から「乗車」扱いにするのです。
 日本式に「運賃」+「料金」方式への転換も必要なんじゃないかな…と思わせるシーンでもありました。

 一気に近代的になってしまった京春線に、さみしさを感じないわけではありませんが、一層身近に、ソウルの人々に愛されているようにも見えました。旧京春線の跡もレジャー施設として活かされているようで、またよい気候の時に訪ねてみたいと思います。

GW韓国【2】復活!ソウル駅

2013年05月08日 | ■韓国
 昨年は東京駅が竣工当時の姿に復元され、大きな話題になりましたが、2011年には兄弟駅とも言える旧ソウル駅舎が復活しています。3年ぶりのソウル訪問、外せない見どころの一つでした。
 初めての韓国旅行で降り立った思い出の駅も、2003年にKTXの開業とともに役割が終了。その後は長らく放置され心痛めてきましたが、文化空間として復活した姿は美しいものでした。

 ソウル市内にはこの他にも、第一銀行、ソウル市役所、辰野金吾設計の韓国銀行本店など近代建築物が多く残っており、巡り歩くのも楽しいもの。ブレブレ写真ばかりで申し訳ありませんが、雰囲気だけでも。


 ガラス張りのKTXソウル駅に負けない存在感。








 竣工当時のレンガ壁。






 手すりも凝った意匠です。


 駅内イベントで展示されていた、レゴのソウル駅。





 韓国銀行本店。



 第一銀行。



 ソウル市役所前は、お祭り広場に。

GW韓国【1】韓国のうまいもの

2013年05月08日 | ■韓国
 5月2日から6日まで、4泊5日で韓国を旅してきました!

 鉄道も心ゆくまで乗って来たけど、旅を豊かにするのはうまい食べ物。韓国内の物価高と円安で、コンビニやカフェの値段は日本以上になってきたけど、飲食店での食事代はまだまだ安い印象です。今回も細かい金額は気にせず、食べたいものを食べまくってきました。

 ちなみにレートは100円=1060ウォンだったので、一桁落とせばほぼ日本円になります。1人前○○円とは言っても、付け合せのナムルやキムチはじゃんじゃん出てくるので、プラス飲み物代(ビールor焼酎1瓶3000ウォンが相場)やご飯(1000ウォンが相場)程度で済むのが嬉しいところです。

 5日間で食べた中での、うまいものベスト5です。



【ポッサム】
 ソウル市役所近くの食堂で食べました。「蒸し豚」ですが、ここでは鉄板に乗ってくるので、アツアツで食べられます。
 友達のガイドブックに載ってた店で、あまりそういう所には行かないんですが、ここはめちゃうまでした!4つしかメニューがないというこだわり、やさしいおばちゃんの接客もGood。3万ウォン(2人で分けてもOK)という値段も納得。


【なんでもジョン】
 弘大前の飲み屋さんにて。ジョン(韓国的お好み焼き)の名物店で、いろんな種類のジョンを置いているのですが、オールセット2万ウォンで楽しめる一皿でした。キノコが特にうまかった♪
 開けられた窓から聞こえてくる路上パフォーマンスの歌声を聞きながらジョンをつまんで飲むマッコリ、たまらんかった。


【サムギョプサル】
 大田・儒城温泉街は食堂が少なく、路頭に迷っていたところで見つけた、地元のおっちゃんでいっぱいの焼肉屋。
 サムギョプサルといえば庶民的メニューですが、この店は1人前1万ウォンです!しかしその価値はあった。肉厚で、炭火の風味もたまらんかったです♪


【タッカルビ】
 ソウルから特急で1時間の本場・春川(チュンチョン)まで乗り込んで食べてきました。一通り食べた後に、残り油で作ってくれる焼き飯がまたうまい!1万ウォン+焼き飯2千ウォンでした。


【スンデクッパ】
 釜山駅前にて、韓国上陸後初のご飯。スンデとは豚の腸詰で、どす黒い姿はゲテモノっぽいですが、味は淡泊でおいしいのですよ。
 釜山はテジ(豚)カルビが名物ということで、ここの店も豚ベース。豚骨ラーメンにも通じる、日本人にも親しみやすい味です。6千ウォンでした。