Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

東海乗り鉄きっぷの旅【1】樽見鉄道・養老鉄道・三岐鉄道北勢線

2016年09月18日 | ■旅と鉄道

 「JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」の旅。実質的な1日目のスタートは、米原駅で迎えました。
 乗り放題型きっぷを有効に使おうと思えば、早起きは必然。6時前の起床で、頭はぼーっとしてしまいます。


 東横名物のおにぎり朝食も放棄して、いざ旅のスタート!
 米原駅前には、関西ではお馴染みの回数券ばら売り自販機が。近江の国とはいえ、関西ならではの格安回数券のエリアです。


 米原からは、JR東海の新快速に乗ってまずは関ケ原を超えます。
 会社境界の米原駅、JR西日本と東海の新快速が並んでいました。名阪間は快速電車でも、米原での乗り換え1回のみで移動可能です。


 東海の快速電車の雄、313系の6両固定編成。車端部まで含め、すべて転換クロスシートという快適な電車です。
 座席と窓割りのピッチも合っていて、展望も良好。まったくピッチが合っていない九州の快速電車も、見習ってほしいものです。


【樽見鉄道】車窓3変化


 大雨の関ケ原を超えて、大垣駅着。私鉄乗り継ぎ旅のトップバッターは、大垣を起点に樽見までを結ぶ第三セクター・樽見鉄道です。
 大垣を出て本巣までは沿線に家並みが続き、新興住宅地ができあがっている駅前もあります。都市圏の一部といった風景で、甘木鉄道の車窓と重なりました。


 本巣駅を出ると、急にひなびた風景に。左手には、大規模な砕石現場とセメント工場が見えてきました。樽見鉄道は国鉄からの転換後も、セメントの貨物輸送で4割を稼ぎ出していた鉄道。駅の看板にも住友セメントの広告が多くあります。
 2006年の貨物廃止で経営が厳しくなった環境は、平成筑豊鉄道に通ずるところがあります。


 鉄道と平行して流れる根尾川に釣り糸を垂れる、釣り人たちの姿。アユ料理の看板を出す店もあります。
 豊かな自然は日常の利用には結び付きにくいけど、大都市圏から近く、観光列車の運行には以前から熱心に取り組まれている鉄道です。


 谷汲口駅には旧型客車の姿が。発足後しばらくは貨物用の機関車を活用して、客車列車が走っていた名残です。
 周囲はのどかな風景、駅ごとに立派な桜の木が植えられ春には美しかろうと思います。


 昔ながらの国鉄ローカル線的な雰囲気も、神海駅で再び一転。急に線路が立派になり、トンネルや橋梁が増えました。
 樽見鉄道発足から5年後の1989年に開業した区間で、いわゆる「公団規格」の立派な線路です。スピードも上がり、川とは直角に交差するようになります。


 大垣から1時間で終点、樽見着。さらなる延伸の構想もあったとかで、線路が真っすぐ伸びた中間駅の形態の駅が、夢の名残を伝えます。




 無人駅ですが、うすずみふれあいプラザなる木造の待合室が建てられていました。ガラス張りの明るい駅舎で、座布団が置かれ人手の温もりが感じられます。


 あいにくの雨に傘の持ち合わせもありませんでしたが、駅舎内に貸傘があったおかげで、樽見の駅前をひとめぐりできました。ありがたや。


 帰路は、モレラ岐阜で途中下車してみました。貨物が廃止になった、2006年に開業した駅です。


 「モレラ岐阜」とは、駅から徒歩5分のショッピングセンターの名前。南北に長い、日本最大級を謳う巨大モールです。
 10時オープンの直前の時間で、はやくも車が次々集まっていました。九州と変わらない、典型的な地方の郊外風景といったところでしょうか。


 モールの規模に比べると、駅から続く歩道は細いもの。裏口のようなもので、全体の来店客の数からすれば鉄道利用者はわずかな比率のようです。
 それでもパイそのもが大きく、今や樽見鉄道の主要駅。朝イチの列車にはショップへの出勤なのか、若者グループの利用も見られました。地方における、駅チカモールのモデルになってほしいものです。


 近隣にはモールだけではなく、住宅街や市役所支所もあります。もともと駅がなかったのが不思議だったといえる立地かも。


 モレラ岐阜から乗った車両は、モレラ岐阜の広告車両。オールロングシートの車内には、まだ新車の匂いが漂っていました。


 大垣へ戻ってきました。ホーム上の出札窓口は三セクへの転換時に設けられたものでしょうが、ローカル私鉄らしいただずまいを見せています。
 転換から32年、もはや風格すら漂わせ始めた第三セクター鉄道でした。


 駅裏には、アクアウォーク大垣なる巨大ショッピングセンターが。駅前SC同士の争いも、熾烈なようです。


【養老鉄道】 懐かし近鉄マルーンのローカル線


 同じく大垣駅を発着する、養老鉄道に乗って桑名へと抜けます。7年前に乗った時に沿線を乗り歩いてみたので、今回は乗り通すだけに留めました。
 マルーン色の電車は、近鉄の昔の塗装。養老鉄道はもともと近鉄の一路線で、子会社へと経営移管されたものです。


 揖斐方面からの電車はすし詰めの混雑で到着しましたが、桑名行きはゆったりしたもの。雨模様とあって、自転車を持ち込む人も一人だけでした。
 沿線風景も、どこか昔懐かしい感じ。変わらぬ良さを感じさせる路線も、経営的には大変で、上下分離方式の導入も計画されています。


 桑名駅着。近鉄時代にはなかった中間改札が設けられています。


 一方、近鉄とJRの間には乗り換え改札はないのは面白いところ。ICカードの共通化も実現し、跨線橋上には乗り換え改札機が設けられていました。
 普通の自動改札機を跨線橋の端端に設けているのがユニークで、日本一幅の広い改札機という紹介をされることもあります。もちろん、そのまま通過しても扉が閉まることはありません。 


 乗り換え時間は30分弱。ここまで、モレラ岐阜以外は乗り換え数分で乗り継いできていたので、ようやくできた休息時間です。
 駅前の古びたビルに入ってみました。


 うわっ、すごく昭和な雰囲気!


 でも「味の街」には、しっかり飲食店が軒を連ねています。餃子屋さんは大行列。地元でも人気の店なんでしょうね。
 時間もない僕は、きしめんをずるっと一杯すすりました。


【三岐鉄道北勢線】 愛されるナローゲージ


 桑名の駅前広場を挟んで徒歩3分の、西桑名駅にやってきました。


 別構えの駅舎から発着するのが、三岐鉄道北勢線です。こちらも もとは近鉄線でしたが、地元の鉄道会社に経営移管されました。
 無人駅も含め各駅にある立派なフルスペックの自動改札機は、大手私鉄の遺産といえるかも。少し古い機械にも見えますが、更新の際は苦労するのでは・・・?


 北勢線の電車。線路の幅は近鉄本線の半分、762mmのナローゲージの路線です。


 車内はこんな感じ。人がいないと分かりにくいですが、お向かいで人が座ると、その間のつり革に捕まって立つのは困難な狭さです。
 車内中づりに「混み合って来たら中の方にお詰め下さい」との文言はあるけど、ちょっと厳しいのでは…?


 加速中、車内には重苦しい吊り掛け駆動のモーター音が響きます。今では路面電車くらいでしか聞かなくなったモーター音も、特殊な鉄道ならではのものです。






 線路も電車もミニサイズですが、駅の施設は大手私鉄仕様。日曜お昼過ぎですが通学の高校生も多く、立派な交通機関として機能しています。
 帰路の電車では「甲子園に行ったら…」なんて会話も聞こえて、夢が大きいのはいいことだなんて思ってましたが、北勢線は今夏ベスト16まで進んだ いなべ総合高校の沿線なのでした。


 約1時間で、終点・阿下喜着。木造平屋のシンプルなデザインの駅舎に、シダレヤナギが似合います。


 駅前には大きなショッピングセンター…の跡地が。現役時代は、北勢線の利用に結びついていたSCだったものと思います。
 今も沿線にはイオンがあるものの、線路からは離れており、桑名駅からは直行バスも出ていて、北勢線の利用には結び付いていません。モレラの例を見てきただけに、惜しいと思います。


 駅のホームの横には転車台と、古いのにピカピカの電車の姿が。人の姿も見えたので、訪ねてみました。


 ここは、「軽便鉄道博物館」。沿線のボランティアさんによって運営されている私設博物館で、公開日は第2・第4日曜日のみ。月にたった2回の公開日に来れて、わが身の幸運に感謝です。


 会員さんの手で大切に守られてきた、226号電車。ナローゲージそのものも珍しいのに、1931年製の古豪というから貴重品です。




 整備された車内は、まるで現役のよう。ほとんど放置状態で、雨漏りもしていた車両をよみがえらせた苦労は、並大抵のものではなかったと思います。




 網棚や座席回りは、優美な曲線でデザインされています。ナローとはいえ、電車は当時の最先端の交通機関、いい電車を作ろうと職人さんたちも気合いを込めたんでしょうね。


 トロッココースにもなっている線路は、1912年の米国製レールです。戦時中に八幡製鉄所で作られたレールもあります。戦時中といえば不要不急の線路が撤去されていた時代ですが、新たな線路が敷設された北勢線は砂利輸送の要、「国力」の一部だったことが分かる物証です。
 廃線の危機を乗り越え、沿線に愛されている様子を垣間見れた北勢線のひとときでした。


 桑名に戻り、名古屋までノンストップの快速「みえ」で一気にワープします。7年前に来た時は、「みえ」全列車4両化!なんて広告を見た覚えがあるのに、いつの間にか2両に逆戻り。名古屋まで立っていくことも覚悟しましたが、なんとか座れました。
 平行する近鉄の特急や急行はずっと長い編成で、私鉄王国の牙城を崩すのはたやすくないようです。


 ノンストップとはいえ、2駅で運転停車したのでさほど早い感じはないまま、名古屋着。さすがは中京圏の代表駅、いつ行っても人でいっぱいです。




 「乗り鉄きっぷ」の特徴の一つが、特急券を買えば新幹線にも乗れること。4回までの限定で、別紙にスタンプを押してもらって回数をカウントします。
 3連休中の中日で、「のぞみ」や「ひかり」は大混雑。一方の「こだま」は自由席もガラガラです。


 各駅での停車時間は長く、車窓を眺めながらのんびり。東海道新幹線自体、そんなに馴染みがない路線だけに、一度ゆったり「こだま」で乗り通してみたいと思っています。


 新富士駅で下車。沼津の鉄っちゃん親子のお出迎えを受けました。2008年に「はやぶさ」「富士」の車内で出会って以来、もう8年来のお付き合いです。来年には大学生というから、時の流れの早さには驚くばかり。


 夜はご近所の、新東名駿河湾沼津SAへ連れて行ってもらいました。高速道路に乗らなくても、沿道から利用できるようになっています。
 さすがは日本の大動脈のサービスエリア、充実した設備にびっくりです。


 TSUTAYAとスタバのコラボ店舗まで。高速道路で急ぐのに本屋でゆっくり?と思わなくもないけど、夜10時前でもゆったりくつろぐ人で満席近くになっていました。近所にあったら、週末の度に通いそうです。




 眼下には、沼津市街地と駿河湾の夜景。


 愛の鐘? 開設当時は派手に鳴っていたそうですが、今は控えめになっているそうです。うるさいって苦情があったんでしょうか。

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