去年11月、30数年来の友人であるお坊さんの仲介で天台宗の布教師の研修会で「つながりの心を育む」という講演をさせていただき、とても好評でした。
「みなさん、とても熱心に聞いて下さったようです。/これでまた、コスモス・メッセージ=生きる意味を伝えて下さる方が増えるでしょう。」と書きました*。
今日、その友人から、とてもうれしい便りが届きました。
研修会に参加されたお坊さんの一人が、お伝えしたこと(コスモロジー教育のイントロダクション)をもとに、「いのちの大切さ」について地元中学校で講演をされたのだそうです。
まさに、コスモス・メッセージを伝えて下さる方が増えたわけです。
友人がコピーして送ってくれたお寺の雑誌(『彌勒』第42巻、鳥取市青谷町紙屋、彌勒寺発行)に、その報告が書かれており、子どもたちの感想も掲載されていました。
子どもたちの反応は、感動的です。
1つだけ引用させていただきます。
今まで考えたことないけど、当たり前のことが大切だったんだなぁと思いました。気付いたことを将来につなげたいなぁと思いました。最後のまとめの言葉で「生きている それだけで素晴らしい!」っていうのがすごくかっこよかったです。今日学んだことを生かして生きていければいいなぁと思います。将来の夢への目標が広がったような気がしました。
講演の最後について、著者はこう書いておられます。
生徒達の顔は1時間前に見た顔とはあきらかに違って見えました。なにかを悟ったような、なにかが流れ始めたような、そんな顔に見えました。教室の中が明るく温かく感じました。私は生徒達の顔に「仏性のかけら」のようなものを見た気がしました。
子どもたちの顔の輝きは、まさに仏性の輝きです。
子どもたちの顔の輝きも、それを引き出された、このお坊さんの真心=仏性からのお説法もすばらしいと思いました。
さらにすばらしいと思ったのは、生徒たちに自分の長所を書き出すというワークをしてもらって、最後に「皆さんが自分の長所を書いたこの紙はお寺に大切に納めておきます。これから先、自分に自信がなくなったり、自分の事がわからなくなったらお寺を訪ねてきて下さい。そして自分が今日書いた紙を見て、自分自身を見つめ直して欲しいと思います」と言われたということです。
これは、地元のみなさんとお寺を本来のもっともいいかたちで結び直す、新しいかたちの「過去帳」の試みといっていいかもしれません。
つながり=縁起の心=コスモス・メッセージを伝えていただいたことはもちろんですが、このアイデアにもとても感動しました。
友人からの便りには、加えて1枚のCDが同封されていました。
私が『サングラハ』の最新号で、「現象としての仏の生滅、去来と、本質としての不生不滅、不来不去を、百済の琴の音に譬えた個所ですが、譬えがとても美しくて印象に残ったので、ご紹介しようと思いました。/ところで、かつて正倉院御物の箜篌(くご)が復元―複製され、音も復元―演奏されたという新聞記事を読んだ記憶があります。その時も、どんな音がするのだろうと思いましたが、機会がなくてそのままです。いつか聞いてみたいものです。」と書いたのを読んで、その復元された箜篌のCDを送ってくれたのです。
その古代と現代の融合した不思議な音を聞きながら、この記事を書いてます。
それにしても、持つべきものは善き友です。
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