里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ヤマルリソウ 沢奥に群生

2019-05-18 | 日記
栗原市金成普賢堂地区西部、山間の小沢に沿った荒れた山道を上がって行くと、樹林の中に
日の当たる一角があって、青い小花がたくさん咲いているのが見えます。
歩み寄って観察すると、つくりがどことなくホタルカズラの花に似ていますからムラサキ科
の植物でしょう。花が青色で、直径が10mmほどと大きめですから、園芸植物のワスレナグサ
かも知れません。散歩の際に、民家の庭先で見たことがあります。

帰宅後に植物図鑑と写真を見比べると、花や葉の特徴がワスレナグサのそれと同じように見え
ます。ただ、ワスレナグサはヨーロッパ原産の帰化植物ですからね。
園芸植物として植えられてはいますが、集落から遠く離れた山中の沢奥まで、どうやってた
どり着いたのでしょう。在来種に似たものがないか、調べなおしてみなければなりませんね。




                             二枚とも2019.5.12撮影

ムラサキ科の在来種に似たものがないか見直すと、ヤマルリソウという植物が写真とよく似て
います。ただ分布域を見ると、福島県以南となっているのが気掛かりです。
それよりも、先ずは花や葉の細部を見比べてみましょう。
花は全く同じように見えます。特に花の中心部にある、筒の入口の小突起が白いですね。
ワスレナグサの小突起は黄色ですから、これはやはりヤマルリソウでしょう。

葉も見比べてみましょう。ヤマルリソウの根生葉はロゼット状に展開していますが、ここでは
既に他の植物の葉や茎葉が茂っているため、ほとんど撮れていませんでした。
ただ、葉縁が少し波打っているのが何枚か見えますから、ヤマルリソウで間違いないでしょう。




                             二枚とも2019.5.12撮影

ムラサキ科ルリソウ属の多年草で、福島県以南の本州~九州に分布し、草丈は10~20cm。
丘陵地~山地の林縁や沢沿いなどの、やや湿り気のある半日陰に自生する。
根生葉はロゼット状に展開する。茎は基部でほとんど分枝せず、数本が斜上して叢生する。
全体に開出毛が生え、白っぽく見える。根生葉は倒披針形で長さ12~15cm、縁が波打つ。
茎葉は根生葉よりも小さく、互生する。基部はやや茎を抱き、上部のものほど小さくなる。
花期は4~5月、茎の先端に総状花序を出し、直径1cmほどの淡青紫色の花を次々に咲か
せる。まれに白色もある。花冠の喉部には白色の付属体が2個ずつ付き、歯車状になる。
この部分は蜜標(みつひょう)とも言われる。花冠の内部に雄しべ5個と柱頭がある。
花が終わると花柄は垂れ下がり、萼片が成長して子房を覆う。
果実は4分果からなり、円形で扁平。中央には凹みがある。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿