昨年末以来、探し続けていた植物の一つがタガラシです。
冬の間のことですから、姿としてはロゼット葉なのですが、田んぼ周りや水路沿い、
山間の耕作放棄地や湿地などを歩くたびに探していました。
キツネノボタンなどは直ぐに見つかったものの、このタガラシだけが見つからないのです。
今はもう各種山野草の花が咲く季節になりましたから、そのことも忘れかけていました。
町内の散歩で、住宅や学校の間を流れる用水堀沿いを歩いていると、コンクリート化された
堀内に泥が堆積している箇所があり、そこに何かのロゼット葉が生えていてます。
葉には光沢があり、葉縁が掌状に深く切れ込んでいます。
「おや、これってタガラシじゃないの ?」
二枚とも2017.4.29撮影
住宅地の中を流れる用水堀ですから、実際は用水路というよりは排水路になっていて、
富栄養の泥が洲のように堆積しています。
そんな洲のあちこちにタガラシが生えていたんですね。
堀沿いを遡ると、日当たりの良いところでは茎が立ち、花を付けている株もありました。
タガラシを漢字表記すると「田芥子」となり、これは全草に辛味があることからの命名。
辛味成分は有毒のプロトアネモニンで、誤食すると嘔吐・下痢を引き起こすとのこと。
2017.4.29撮影
キンポウゲ科キンポウゲ属の2年草で、日本全土に分布し、草丈は30~50cm。
休耕田や用水路、水田、中栄養~富栄養な溜池畔や湿地などに自生する。
根生葉はやや肉質で光沢があり、ほとんど無毛、腎形で掌状に3~5中裂または深裂し、
裂片はさらに3~5浅裂して先は円く、幅3~7cm。
茎は上部でよく分枝し、中空でやや軟弱。
茎葉は互生して、上部のものほど葉柄は短く、3深裂し、裂片の幅は狭く毛を散生する。
花期は4~5月で、花は直径1cmほど、花柄は長さ1~2.5cm。
萼片は5個、長さ3.5~4mmで、背には毛が生え、反り返る。
花弁は5個で楕円形、黄色で光沢があり、長さ3.5~4mm、基部に蜜腺がある。
雄しべ多数、葯は1mm。花床は花後に伸びて長楕円形、長さ8~10mm。
果実は痩果が多数密に集まった集合果。痩果は広倒卵形で無毛、長さ1~1.2mm。
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