一関市藤沢町保呂羽地区の県道を走行していると、道路近くの民家の東側に
大きな木が聳えていて、黄褐色に黄葉しています。遠目にも大きな葉なのが判るほど
ですから、ミズナラかカシワでしょうね。直下まで行ってから見上げると、葉の縁にある
鋸歯が丸く見えますからカシワですね。
宮城・岩手では、沿岸部で時々見られる木ですが、藤沢町あたりの内陸部では珍し
い木です。たぶん、人の手で植えられた木でしょう。
二枚とも2016.11.13撮影
カシワの紅葉は初め黄色くなり、やがて褐色になります。
落葉樹ですから、紅葉したあとは葉が落ちるのが普通ですが、カシワはそのまま年を
越し、春に新葉が芽吹くのと同時に枯葉を落とします。
なぜ、カシワは冬の間中、枯葉を付けたままなのでしょう ?
葉と枝は互いに養分や水分を行き来させるための、微小な管で繋がっています。
葉が落ちるとき、この管は途切れそこに微小な穴があくことになります。
この穴は自然に塞がれますが、やはり完全に塞がるには時間がかかります。
海からの強風は海水の塩分を沿岸へ運びます。海岸を生活の場としているカシワ
にとって、葉を落としてしまうと落葉の痕から、塩分が樹体内に入ってしまいかね
ません。そこで、塩分から身を守るために葉を落とさない、これが理由のようです。
2016.11.13撮影
ブナ科コナラ属の落葉広葉樹で、高さ15mになる高木
日本全土に分布し、海岸寄りの丘陵や、日当たりの良い山地に自生する。
樹皮は灰褐色~黒褐色で、縦に深く不規則な割目がある。
葉は互生し、葉身は倒卵形で長さ12~32cm、幅6~18cm。
縁には大きな波状の鋸歯があり、基部の葉柄はごく短いか無柄。
雌雄同株で、5月頃葉の展開と同時に開花、雄花序は長さ10cmほどの細長い
穂状で、新枝の下部に垂れ下がる。
雌花は新枝の葉腋の上部に5個ほど付く。
果実は堅果で、長さ1.5~2cmの卵球状、いわゆるドングリ。
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