気仙沼市本吉町、中河川の河川敷を河口辺りまで下って行くと、半円状に浅く抉られた入
江があって、そこにだけ泥が堆積しています。入江の周りを歩いていると草丈15cmほどの
植物が群生していて、その内の1割くらいには白い花が咲いています。
これは植物図鑑に載っていたウミミドリでしょうか ?
たしか・・河川の河口部などの汽水域に生える植物、と記憶しています。
二枚とも2023.7.3撮影
植物図鑑によると、満潮時には潮をかぶる塩性湿地や岩礁に生えるとあり、この河口部の
入江はまさにそのような環境にあります。葉は対生し、広披針形で多肉質。
花は直径6~7mmで、花冠は5深裂するとあります。特徴が私の写真の植物と合致する
のでウミミドリで間違いないでしょう。花はまだ咲き始めたばかりですから、花の盛りは
2週間後あたりでしょうか。
大震災の津波で一度は流されたのでしょうが、攪拌により埋まっていた種子が現れて発芽
するとか、津波で種子が沿岸部まで運ばれてくるなどで、再び群落が形成された例がある
ようですから、ここも同様に群落が再生されたものと推測しています。
二枚とも2023.7.3撮影
サクラソウ科オカトラノオ属の多年草で、北海道~中部以北の本州に分布する。
満潮時に潮をかぶる塩性湿地や岩礁に自生し、草丈は10~20cm。
横に這う太い地下茎で増える。茎は円く直立して分枝しない。
葉は対生、無柄で茎に密に付く。葉身は広披針形~倒卵状長楕円形で長さ6~1.5cm、多
肉質で濃緑色、表面にはやや光沢があり、裏面はやや色が淡い。
花期は7~8月、葉腋に白色~淡紅色の花を1個つける。直径は6~7mmで花柄はほと
んどない。花弁のように見えるのは萼裂片で花弁はない。萼は広鐘形で5裂し、裂片は長
楕円形で先は鈍い。雄しべは5個で子房の基部につき、萼裂片と互生する。
葯は心形でその背部に糸状の花糸がつく。
果実は蒴果で直径3~4mm。
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