里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ハリギリの黄葉

2017-02-04 | 日記
気仙沼市南西部の、田束山の麓には標高100~150mの丘陵地が広がっていて、
その半分ほどが松を交えた落葉広葉樹の森になっています。
森の中を緩やかに上がって行くと、林床に生えた幼木の葉に木漏れ日が射して、
黄緑色に浮き上がって見えます。
切れ込みの浅い掌状ですから、ハリギリの葉ですね。梢を見上げて同じ葉の木を
探すと、7~8m離れたところに母樹らしきハリギリが二本見つかりました。




                             二枚とも2016011.5撮影

若木では幹や枝に鋭いトゲがあるので「針」が、葉が大きいので「桐」の葉に見立て、
合成して「針桐」となったようです。材が白く、比較的軟らかいところが桐材に似てい
るので、桐があてられたとする説もあるようです。

木材や家具関係者の間ではセン(栓)と呼ばれています。
木肌の白さ、木目の美しさ、材面の光沢などからツキ板(内装用合板)、羽目板
として使用されることが多く、その他には家具材、装飾用材、彫刻用材などとして
広く使われています。盆や箱物などでは、木目が似ていることからケヤキの代用
として、利用されることが多いようです。


                                 20160115撮影

ウコギ科ハリギリ属の落葉広葉樹で、日本全土に分布する。
山地の林内に自生し樹高は20mほど、若木の幹や高木の細枝には鋭いトゲがある。
材は木目が美しいので、栓(せん)と呼ばれ家具材として重宝される。
若木の樹皮は灰白色だが、大木になると茶褐色のコルク質となり縦に深く裂ける。
葉は互生し、長さ幅ともに10~30cmほどもあり、掌状に5~9裂する。
裂片の先端は尾状に尖り、縁には細かい鋸歯がある。
花期は7~8月頃、枝先に散形花序を出して、淡黄緑色の小花を多数咲かせる。
果実は直径5mmほどの球形の液果で、11月頃に黒熟する。



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