里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ハナイカダ 葉脈上の果実

2020-07-13 | 日記

登米市東和町の嵯峨立地区東部、ここから隣の米川地区へと山越えの細道が通じています。
一帯には沢沿いに杉林があったり、落葉樹の斜面が広がっていたりで変化に富んでいます
し、細道ながら舗装された道ですから、雨がちな季節の山歩きでも傘をさせば濡れる心配
がありません。この日も雨が上がった隙をみて、細道沿いを踏査してきました。

沢近くの道路法面で見つけたのがハナイカダの青い実です。樹高50~60cmの小さな木で
すが、20枚ほどの葉の葉脈上に、直径5~6mmの青い実が生っています。
北向きの法面で、なおかつ杉林内でかなり薄暗いのですが、点々と5~6本生えていまし
たから、このような環境がお好みなのでしょう。

                              二枚とも2020.7.9撮影

名のいわれは、葉を筏(いかだ)に見立て、その上に付く花や実を船頭に見立てたものとか。
花や実は地味ですが、趣のある名前ですよね。

春に採取した葉は食べられるようで、おひたしや天ぷらにすると美味しいそうです。
また、かつては救荒植物として、粥の増量材料などにして食されたようです。
なお、実は9月頃には黒熟し、甘味があって食べられるようです。

                                  2020.7.9撮影

ハナイカダ科ハナイカダ属の落葉広葉樹で、樹高1〜2mの低木。雌雄異株。
北海道南部〜九州に分布し、丘陵~山地の林内や、湿り気のある沢筋に自生する。
幹は株立ち状に束生し、上部で多数枝分かれする。若い枝は緑色を帯び、円形や縦長の皮
目がまばらにある。太くなると樹皮は縦に裂け、褐色の縞模様ができる。
葉は互生し、葉身は広楕円形で長さ3〜16cm、先は尾状に鋭く尖り、基部は鈍形~広楔形。
縁には浅い鋸歯があって、鋸歯の先は芒状となる。両面とも無毛、表面は光沢がある。
側脈は4〜5対。葉柄は長さ1〜7cm、紫色を帯び、上面には浅い溝がある。
葉柄の基部に糸状に裂けた小さな托葉がある。
花期は5〜6月、葉の表面の主脈の中央付近に淡緑色の花を付ける。花の直径は4〜5mm、
花弁は3〜4個で卵状三角形。
雄花は数個ずつ付き、雄しべは3〜4個、花柱は退化している。
雌花はふつう1個付くが、ときに2〜3個。花柱は3〜4裂し、雄しべはない。
果実は核果、直径7〜10mmの扁球形で葉の真ん中に付き、8〜10月に紫黒色に熟す。
核は長さ4〜6mmの長楕円形で、表面には網目状の凸凹がある。



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