南三陸町戸倉地区の西部、沢沿いの林道をしばらく行くと、西へ上がっていく
作業道の分岐点があって、周囲が小広い草地になっています。かつて伐採した材木を
仮置きした場所と思われます。草地を横切っていると、傍らに小さな青い花が咲いて
いるのを見つけました。覗き込むと、ムラサキ科の花のようですが、見たことのない
花ですね。もう多くが種になっていますから、花の盛期はかなり前だったのでしょう。
草地を探しまわると、ほかに4株ほど見つかりました。
葉の形もムラサキ科の特徴がよく出ていますから、植物図鑑やネット検索を利用すれば、
きっと素性が判るでしょう。
野草図鑑に載っていたエゾムラサキに似ていると思ったので、図鑑を開いて見比べましたが、
葉の形が違いますね。私の写真の植物は葉先が尖っていますが、エゾムラサキの葉はヘラの
ように丸くなっていますから。それに花期も全く合いません。
二枚とも2017.11.1撮影
やむなく「ムラサキ科の植物検索」という記事を参考にさせてもらって、在来種と思われる種
をリストアップし、片っ端から見比べていくことにしました。
この記事は属ごとにまとめられていて、属名のアイウエオ順に記載されています。
「オオルリソウ属」にオニルリソウというのがあって、これで検索すると私の写真の植物に
似ていますね。もっと多くの記事を読み込んでから、同定することにしました。
よく似た植物にオオルリソウがあって、茎の毛で見分けるとありますが、残念ながら茎に注目
して撮った写真はありません。それよりも分布域の違いの方が確かです。
オニルリソウの分布域は北海道~九州、オオルリソウのそれは関東~沖縄となっていますから、
ここ宮城県では「オニルリソウ」とする方が無理がありません。
来年の花期には、茎の毛まで撮影しなければなりませんね。
2017.11.1撮影
ムラサキ科オオルリソウ属の二年草で、北海道~九州に分布し、草丈は40~120cm。
山地の湿気のある草地や林縁、道端などに自生する。
全体に毛が多く、茎の下部には長さ2mm以上の開出毛がある。茎は直立し上部で多く分枝する。
根生葉は花時にはない。茎葉は互生し、葉身は長楕円状披針形~広披針形で長さ5~20cm、
全縁で先端は尖る。基部は楔形で、短柄~無柄。
花期は7~9月、枝先に長い穂状の花序を伸ばし、淡青紫色の花を数個付ける。
花序枝の先はしばしば2叉分岐し、初め巻いているが、後に長く伸びて斜上する。
花数がオオルリソウに比べて少ない。萼は5深裂し、裂片は長三角状惰円形で先が尖り、毛が多い。
花冠は直径4~5mmとやや小さく、5裂して裂片は卵円形、喉部に付属体がある。
雄しべ5個。雌しべ1個。果実は4分果で、直径3~4mmのほぼ球形、表面に剛毛が密生する。
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