南三陸町戸倉地区の南部、山中での植物観察を終えて林道まで下ると、そこは三叉路
になっています。ちょうど東側が見晴らせるので、リュックを下ろして休憩しましょう。
一休みした後、東側路肩の植物観察をしていると、草むらの中に黄色い花がたくさん咲い
ているのを見つけました。よく見かけるヘビイチゴよりも、葉や花が大きめですから、
ヤブヘビイチゴかミツバツチグリのいずれかでしょう。
植物図鑑を持ち歩いているわけではないので、写真を持ち帰って調べてみましょう。
二枚とも2018.5.12撮影
葉を見ると違いが判るはずなので、少し谷側に下がって観察すると、小葉が大きめの長楕円形で、
鋸歯が鋭角的でクッキリしています。
花を見ると、花びらが丸いため花びら間の隙間が小さいですね。さらに、ヤブヘビイチゴは花より
も大きな葉状の副萼片がついていますが、ミツバツチグリのそれは小さくて、花に隠れています。
以上のことから、ミツバツチグリと同定します。
名の由来は、西日本に見られるバラ科のツチグリに似ていて、葉が3小葉よりなることから。
ただ、ツチグリの根茎は食べられますが、ミチバチチグリの根茎は食べられません。
2018.5.12撮影
バラ科キジムシロ属の多年草で、北海道〜九州に分布し、草丈は8~25cm。
平地~丘陵地の、日当たりの良い草地や耕作地周辺、林縁などに自生する。
根茎は太く、塊状にふくらむ。小さな葉をつけた匍匐枝を伸ばして増える。
葉は3出複葉、長い葉柄があり、葉柄の基部に薄い托葉がある。全体に毛が生える。
小葉は長楕円形~卵形で長さ2~5cm、鋸歯はキジムシロよりやや粗い。
花期は4~5月、細い花茎を立ち上げ、上部で1~2回枝分かれし、散形状に多くの花を付ける。
花茎には無柄~短柄の小さな葉が数個付き、小さな苞葉があり、花梗(小花柄)は長さ1cmほど。
花は黄色い5弁花で直径10~15mm、花弁は広倒卵形。雄しべ、雌しべとも多数。葯は黄色。
萼片5個は披針形、副萼片は線形~線状披針形で短い。
果実は痩果で、長さ1.2mmほどの卵形、表面にしわがあり、腹面に細長い付属体がある。
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