里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ヨウシュヤマゴボウ 強い毒性

2017-03-26 | 日記
栗原市金成町の丘陵地の農道を上って行くと、路傍にヨウシュヤマゴボウが
枝を広げて、たくさんの実を付けていました。
あちこちの路傍や耕作放棄地で、一ヶ月くらい前から花が咲いていましたが、その頃は
丈が低く、花や実も5~10房ほどしか付いていませんでした。
梅雨明け後の暑さとともに大きく枝葉を伸ばし、花・実を増やし続けているのでしょう。




                             二枚とも2015.8.8撮影

近くで見ると、茎や花軸の紅紫色が異様なまでに濃いですね。
まるで毒蛇の警戒色のようで、自らの強い毒性をアピールしているかのようです。
植物図鑑等によると、毒性の強い部位は根茎と、果実中の種子。
果肉には毒がないようで、世界の中では食べる地方もあるようですが、種子を噛み砕い
たりすると大変なことになります。葉や茎も有毒ですが、新芽・若葉に限っては、茹でて
食べたとの記録があるようです。若葉の頃は有毒成分の蓄積が少ないのか、或いは
煮立てることで成分が消えるのか?

誤食すると、2時間ほど経過後に強い嘔吐や下痢が起こり、摂取量が多い場合は
さらに中枢神経麻痺から痙攣、意識障害が生じ、最悪の場合呼吸障害や心臓麻痺に
より死に至るとあります。
危険な植物には、触れないに越したことはありません。


                                 2015.8.8撮影

ヤマゴボウ科ヤマゴボウ属の多年草。北アメリカ原産で、日本へは明治のはじめに渡来し、
現在では野生化して日本各地に分布している。
道路沿いや耕作放棄地、河川敷などに自生し、日当たりを好む。
根茎は太く、地中深くまで伸びる。
茎は紅紫色で太く、上部で多く枝分かれし、草丈は 1 ~ 2 mになる。
葉は互生し、葉身は楕円形で、長さ10~30cm、幅5~15cmと大型。
葉の先は鈍く尖り、縁に鋸歯はない。
花期は 6~9月で、枝先に総状花序を出し、たくさんの小さな白花を付ける。
花の直径は5mmほど、 花に花弁はなく5個の萼片がある。
果実は直径7mmほどの球形で、黄緑色の実は初秋に黒紫色に熟す。
全草に強い毒性がある。


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