このところ、真面目に受験勉強をやってきた。
10日は危険物取扱者乙4類の試験。
受験地は東京渋谷。
新幹線は高いので、夜行の高速バス。
朝5時半に新宿に着く。
試験は午後3時からなので、雨降りだが高尾山に登ることにした。
朝が早いのでロープウェイもまだ動いていない。もっとも動いていても乗るつもりはない。
傘を指して歩いた。途中から雪に変わった。
誰もいない山頂。
晴れた日には山ガール、山ボーイで賑わうのだろうか。
標高599m。
信州の里山、そう、さしずめ善光寺の裏山、あるいは上田市の太郎山に似ている。
東京にもこんな場所がある。そのことにホッとする。
この山はぼくを迎えるために急遽、白く装ったのだろう。
なかなかに良い山だ。
京王線で新宿に戻り、駅の周辺を動き回った。
まるで迷宮。西口から東口へ出られない。
激しい人の流れの中で立ち止まっていることもできない。
多分、ここでは暮らしていけないのだろう。
渋谷の笹塚が試験会場。
大勢の受験者が集まってくる。
大半が参考書を見ている。この期に及んでそんなことをしても、と思うのだが、最後の最後まで頑張るということなのだろうか。
2時間の試験時間だが、40分を過ぎると退出しても良いことになっている。
さっと済ませてコーヒーを飲みに行く。
何しろ夜行バスで良く眠っていないのだ。おまけに歩きまわって、30km、40,000歩を超えた。
少し休みたい。
試験結果の発表は5時半なので、2時間近い時間がある。本屋をのぞいたり、街を歩き回ったりして結果を見に行った。
合格。
合格率は3~4割。10人受けて6~7人は落ちる。
それでも、できる範囲で真剣に勉強した。
だから、不安はなかった。
当然の結果だという気もしたが、それでもやっぱりうれしい。
はるばる信州からきたのだから。
次はボイラーの試験。これは千葉県だ。
新宿まで歩いた。
高速バスの出発場所、住友ビルの50階。えぞ料理の店がある。名前をユックという。
北海道直送の魚が旨い。
今夜はユック膳。
最高に美味しかった。
ここから見る夜景もきれいだ。
都会はあまり好きではないが、夜景だけは別だ。
新川二郎『東京の灯よいつまでも』。ぼくはこの歌を懐かしく思い起こすことのできる世代だ。
古き良き時代、とあえて言おう。
現代はあまりに目まぐるしく変わって行く。その割に何も残らない。
すこし感傷的な気分に浸りながら長野行のバスに乗った。