白樺にもたれるは いとし乙女か
黒百合の花を 胸にいだいて
アルプスの黒百合 心ときめくよ
なつかしの岳人 やさしかの君
黒百合の花を 胸にいだいて
アルプスの黒百合 心ときめくよ
なつかしの岳人 やさしかの君
庭に黒百合が今年も咲いた。
もう大分前のことで、どこで入手したのか忘れてしまった。
毎年庭の片隅で、一~二本弱弱しく咲いていたが、土造りが効いたのか、今年は数本が見事な花を付けた。
岳人の歌の二番に歌われているように、黒百合と白樺は特別なのだ。
その名前を聞くだけで、さわやかな高原の風景が目に浮かぶ。
季節は花や木の変化で感じ取れる。田舎暮らしの最高の贅沢。
庭から見える北アルプスや北信五岳に沈む夕日の位置からも、季節の移り変わりが感じられる。
冬至の頃夕日は穂高連峰に沈んでいった。それがだんだん北に移っていき、爺ヶ岳、鹿島槍、五竜岳、唐松岳、白馬連峰を過ぎて、今では戸隠連峰を通り過ぎようとしている。
季節の過ぎるのがあまりに早い。ふと気が付けば、あと一ヶ月で夕日は北のはずれまで行こうとしている。妙高山の辺りまでだろうか。そこから南へ帰って行く。
自分には、あとどれくらい時間が残されているのだろう。
ふと、そんなことを考えてしまう。
まだ、やってみたことがなくて、一度はやってみたいと思っていることの一つに、更科蕎麦を打つ、という体験がある。
で、今日思い切って打ってみた。
更科粉という、水ではほとんど繋がらない粉を熱湯で練って、薄く延した。
切れやすいのは端をみればわかる。
更科粉に抹茶を加えて茶そばにした。
本に、7~8パーセントが基本、と書いてあったが、入れ過ぎだろうと思い、5パーセントにした。
それでも緑が濃すぎる。淡い緑がいい。1~2パーセントが妥当だろう。
茹でてみた。
やっぱり緑が濃すぎる。
食感はツルっとしてコシがあり、抹茶の香りもして美味かった。
蕎麦になるかどうか、実験のつもりで一人前だけ打ったが、一応繋がった蕎麦になった。
抹茶の代わりに柚子をすりおろして練り込めば、柚子そばになる。
練り込む素材によって色が変わるので、見て楽しむ蕎麦でもある。
蕎麦の世界は奥が深いなあと思う。
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