そろそろ

路上音楽情報紙『ダダ』編集発行人・青柳文信のブログ

恐怖の!? 「ギター・ポリッシュ」

2008-07-08 22:32:46 | お茶の水博士と歩く楽器街


『路上音楽』に出てもらった大宮の中野唖蝉坊さん
には話したろうか。私の家には、とんでもなギター・ポ
リッシュがある。

 何と30年間、使い続けても、まだ現役なのだ。持ち
上げて振ってみても、まだ、中に十分な液物が確認でき
る。

 メーカーは、モーリス。購入したのは、私が中学校1年
生の時。栃木県足利市の当時、まだ十字屋の近くにあった
コグレ楽器で。剥がれかけた紙のパッケージには600円と
ある。忘れもしない。当時、大したお小遣いもない私は、
同じモーリス社の1000円のポリッシュと迷ったが、こちら
を手に入れた。

 あれから、約30年。その後に、ギブソン、ヤマハ、ギル
ド・・・。色々なメーカーのポリッシュを買ったが、こい
つだけは、まだ現役なのだ。こいつに触れると、もはや驚
きを越え、「恐怖」の気持ちさえ起きてくる。

 肯定的に想像すれば、恐らく、当時のギター・メーカー
は、「600円で商品をご購入いただいて、3か月程度で
使い切っていただいて、次は・・・」などと、ビジネス的
な計算などしていなかった(あくまでも想像なのだが)。
「お客さまが楽器を拭くのによい商品を」というシンプ
ルな気持ちでつくっていたのではないか。

 昨今は、社会の色々な分野にコンサルタントと呼ばれる
薄気味悪い人達が入り込んで、もっともらしいノウハウを
語っている。恐らく、100人のコンサルタントと呼ばれる
人達がいれば、まともな人達は3人位か。

 せめて自分が長年連れそう楽器とその周辺のもの位、純粋
に使い手の事を思ってつくった職人や会社のものを使いたい。
このギター・ポリッシュと同じような出会いを期待したい。

       路上音楽情報紙『ダダ』編集発行人・青柳文信