旧ソ連で生まれた格闘技『サンボ』の研究所

サンボの技術・トレーニング法を徹底的に研究します。

肩と股関節

2005-04-01 16:45:34 | トレーニング理論
 2月17日の記事にサンボにおいて肩と股関節の柔軟性が重要であると書きました。柔軟性と書いた為、勘違いされることも多いので、補足しておきます。
 
 肩や股関節の柔らかさを言い換えるなら、体の使い方や意識の持ち方です。力の伝え方について肩で説明すると、下手な人は腕が単独で働くのに対し、上手い人は腕・肩関節・肩甲骨・胸鎖関節が連動しています。そうする事によってダイレクトに力を伝える事が可能になるのです。

 身体を回旋させるのに「腰のキレ」が大切ですが、わかっていない指導者は「腰をもっと回転させて!」といったわけの解らない事をいいます。意識はあくまで腰です。しかし、胸腰部が回旋出来る角度は片側40度です。「カパンディー関節の生理学」によると、「腰椎の一分節は、左右回旋方向の片側に1度ずつの可動域を持ち、5つの腰椎があるので、腰椎の総回旋は片側に5度ずつ持っている」と書いてあります。これだけしか回旋できない腰椎にキレを求めても無理な話です。運動において体の回旋に重要なのは実は、腰ではなく股関節の外旋なのです。見方を少し変えてみましょう。体力測定で「立位体前屈」をやった記憶がありますよね。一概に言うことはできないのですが、上手く曲がらない人は大抵、腰を意識して前屈しています。第一胸椎の棘突起と第五腰椎棘突起を結ぶ線の前屈角度は45度です。腰を意識するとほとんど曲げる事が出来ないのですが、意識を股関節に移し、股関節で身体を曲げるようにすると驚くほどよく曲がります。股関節の屈曲角度は125度ありますから、当然です。
この様に意識を腰から股関節にシフトさせると可動域が広がり、技の幅やキレが生まれるのです。また、股関節は非常に大きな力を発揮するのですが、腰に意識がいってしまうと、膝や足首の力に頼ってしまいその大きな力を上手く活用する事が出来ません。
 
 武道では腰ではなく丹田を意識するように指導されますが、一部には意識を腰から少し下げ股関節を意識するような意味もあると思います。

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 格闘技に必要なトレーニングは「筋肉から」考えるのではなく「神経」から考えるべきです。筋肉はバラバラに動くのではなく、脳神経系とのつながりで統合的に働くのです。昨日、サンボラボのトレーニングを試してくれている若(若林次郎)に会って感想を聞いたのですが、「従来の筋トレの意識があったから、最初はとてつもなくきつかったが、打ち込みの様なイメージを持ってやるとかなり楽になりました。」といっていました。複数関節・複数筋の連動が身につき、脳の出力系と上手く絡み合ってきた証拠です。 詳しい感想は若のブログを見てください。
 
 若林次郎ブログ

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